ワンピ短編
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最近神のご様子が変だ。
どれもこれも恐らく前謁見した時神の腕の中に抱かれていた青海の女が原因ではないだろうかとおれは思うのだが。
神は我々の報告を聞いているのかいないのか曖昧に返事しずっとその女の手の甲に接吻を繰り返していた。
もしかしたらあの女によっぽど入れ込んでいるのでは…
いや、あの女が悪知恵を働かせて、エネル様をまやかしているのでは。
そう思うほど、最近の神のご様子はおかしかった。
しかし、全能である神がそんな事態に陥るはずがない。
「出かけるぞ、オーム」
杞憂だといいのだが。
いや、こんなことは考えるだけでおこがましい。神を疑うことなどあってよかろうか。
────────────────────
「[リリィ]♡」
『ぁ…… 恥ずかしいです』
「可愛い… 私の、私だけの…… 」
ゆっくり何度も私のことを撫でる大きな手。
撫でられるととろん、と溶けていってしまいそうになった。
────────────────────
今日も[リリィ]は作りもののように美しかった。
寂しげで憂いているような雰囲気が私を掴んで離さない。
そっと前髪に接吻をすると怯えるように目を閉じる。それもまた可愛かった。
綺麗で、宝石のように陽が当たるときらきら輝いた。
私はただただ見とれている。
────────────────────
いつかは殺されるのだろうなと思いつつ神と呼ばれる人の美しさは日に日に私を虜にしていく。
私は供物としてここに来たのに。
『(……)』
じっと見上げるとどうした?と優しい顔で聞かれるので恥ずかしくて。
『ん……///』
顔を逸らすと笑って神は頭を撫でてくれる。
スカイピアの人達はみんな脅えていた。
私も少し怖い。裁きを下すときを思い出すと、さっきの顔が嘘みたいだ。
でも私にはとても優しくしてくれるから。
力を抜きくた、とエネル様の胸に寄りかかると感じる体温に私の鼓動は少しだけ跳ねる。
『……』
じっと見つめると優しく見つめ返された。
「腹は減っていないか?林檎でも食うと良い」
『ぁ……いえ……』
「そうか」
『……』
「……」
『……あの…』
「どうしたのだ」
ん?と首を傾げ頬を撫でられるとまた私の顔は熱くなる。
『……ぉ… お慕いしております…』
「ん……?!」
『……////』
「……」
『……』
「あ、ああ!もちろんだ 私は神なのだからな!!///」
────────────────────
その日から、私には色んなものが贈られるようになった。
今日もヤマが何かを持ってくる。
「神がお前のために腕輪を作ってくださったぞ、神の慈悲に頭を垂れて感謝するがいい」
『あ、ありがとう……』
シンプルな腕輪は私の腕には大きく手のひらを易々と通過した。
ずっしりと重いその腕輪はきら、と存在感を漂わせる。
『ありがとうヤマ』
「まったく、神の気まぐれにも困ったものだ」
そう言いながらどこかへ去るヤマ。
『(気まぐれ……)』
まあそうだろうな。
いつかは飽きられて殺されるのだろう。
私は所詮供物なのだ。
────────────────────
「神!シャンディアが…」
おれがそう言うと神は機嫌を悪そうにした。
「静かにしろ [リリィ]が起きるだろう」
────────────────────
「目が覚めたか」
貴方の腕の中で寝てしまったの?
いつから。
ああ、美しい方だなあ
陽に照らされて白い肌がきらきらと虹色に輝いていた。
美しさに目を閉じもたれかかると愉しそうに笑われた。
「また眠るのか?私の身体はそんなに寝心地が良いか」
『許されるのなら、ずっと眠っていたいです』
「それでは駄目だ、お前がずって眠っていては私の話相手をさせられんではないか」
『そうですね。ごめんなさい』
そう言うとエネル様は今日もまた私を猫かなにかのように撫で始めた。
『ん……』
力が抜ける。くた、ともたれかかると静かにエネル様が笑う声が聞こえた。
エネル様をじっと見つめて、この人はスカイピアいち強いひとで絶対的な力を持っているのだよなあと考えていた。
「なんだ?…照れるじゃあないか……//」
私の頭をぽんぽん、とわがままな子を諭すように撫でられた。
『(照れてる……)』
本当になんなんだろうか。この人は。
それだけ圧倒的に強いのに、私に見せる顔は優しい。
「私のいない所で泣いていたりはしないか?[リリィ]」
『!……いえ…その…』
「……」
『貴方は優しいですね』
「優しい?私が?ヤハハ それはお前の勘違いだ」
『そういう所も優しいと思います』
「も…///もういいだろう//」
こつん!と拳を押すように頭に当てられた。
その後、また撫でられるのでやはり優しいと思った。
ひとつ、ひとつ貴方が私を撫でる度に、雲はふわふわと私たちを乗せて浮かんでいた。
ふと思って、エネル様の頭を撫でてみる。
「?」
『いつも可愛がってくださるので……私も』
「ん……///」
エネル様は私にぎゅっと甘えるように抱きついた。
その仕草がかわいくて。
『神様のお仕事は大変ですか?』
そう言うと強くて残酷な神様は普通の男の子のように明るい顔で笑った。
「ヤハハハ!!まあ私にかかれば大したことじゃないが 普通の人間には務まらん」
『そうなんですか……すごいですね』
「あ…ああ!///」
────────────────────
「神!青海の者どもが……」
そう門を開けると神は露骨に機嫌を悪くした。
おれの方には見向きもせず、その視線は例の女から離れなかった。
「気がついているとも…騒がしいな、お前ら神官共は何の為に居るのだ……[リリィ]を起こすんじゃあない」
「神……畏れ多いですが最近のご様子には」
ギロ。
「……」
「……」
「……国が傾きかけているのです…たかが侍女に構っている場合で」
ピカッ!!!
ゴロゴロゴロゴロ……
男の隣の犬は雷に子犬のように怯えた。
『ん……?』
[リリィ]が起きると神のそれまでの恐ろしい表情が一気に緩まった。
「ああ……許せ[リリィ]、起こしてしまったか…?♡ヤハハ…♡♡良い子だ……」
『なあに?その人…』
エネル様はこちらを見られたが、その目は「殺す」と言っていて、その声は恐ろしく冷たかった。
「ああ……なんだったかな?まあよかろう…… 下がれ」
「は……」
おれはそれから当分社には謁見に行かなかった。
────────────────────
元はと言えば、スカイピアの民どもが持ってきた貢ぎ物。
その日はたまたま機嫌が悪くて、エンジェルビーチの方に雷を落としていた。
そしたらこの娘が貢がれた。
それ以来エンジェルビーチに雷を落とすことはなくなった。
『あの……大丈夫ですか?』
「ん……?♡何がだ?」
『さっきとても怖い顔をしていらしたから……』
「…………、… 私が怖いか…?[リリィ]……」
いや、おれは何をこんな小娘の表情を伺うように尋ねているのだ。
別におれを怖いと言っても恐怖で支配してやれば良いだけの話……。
おれは何を……?
『いいえ…?♡大好きですよ』
「……そうか」
今日もエンジェルビーチに雷を落とさずに済んだ。
「おれのことは心配いらん もう解決した」
『なら、良かったです』
…………
正直おれはもうスカイピアなんてどうでもいい。
ただお前を可愛がれればもうそれで良かった。
「可愛い[リリィ]……私だけの」
反乱が起きている?知ったことか。
この部屋でお前を可愛がれればそれで良い。
どれもこれも恐らく前謁見した時神の腕の中に抱かれていた青海の女が原因ではないだろうかとおれは思うのだが。
神は我々の報告を聞いているのかいないのか曖昧に返事しずっとその女の手の甲に接吻を繰り返していた。
もしかしたらあの女によっぽど入れ込んでいるのでは…
いや、あの女が悪知恵を働かせて、エネル様をまやかしているのでは。
そう思うほど、最近の神のご様子はおかしかった。
しかし、全能である神がそんな事態に陥るはずがない。
「出かけるぞ、オーム」
杞憂だといいのだが。
いや、こんなことは考えるだけでおこがましい。神を疑うことなどあってよかろうか。
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「[リリィ]♡」
『ぁ…… 恥ずかしいです』
「可愛い… 私の、私だけの…… 」
ゆっくり何度も私のことを撫でる大きな手。
撫でられるととろん、と溶けていってしまいそうになった。
────────────────────
今日も[リリィ]は作りもののように美しかった。
寂しげで憂いているような雰囲気が私を掴んで離さない。
そっと前髪に接吻をすると怯えるように目を閉じる。それもまた可愛かった。
綺麗で、宝石のように陽が当たるときらきら輝いた。
私はただただ見とれている。
────────────────────
いつかは殺されるのだろうなと思いつつ神と呼ばれる人の美しさは日に日に私を虜にしていく。
私は供物としてここに来たのに。
『(……)』
じっと見上げるとどうした?と優しい顔で聞かれるので恥ずかしくて。
『ん……///』
顔を逸らすと笑って神は頭を撫でてくれる。
スカイピアの人達はみんな脅えていた。
私も少し怖い。裁きを下すときを思い出すと、さっきの顔が嘘みたいだ。
でも私にはとても優しくしてくれるから。
力を抜きくた、とエネル様の胸に寄りかかると感じる体温に私の鼓動は少しだけ跳ねる。
『……』
じっと見つめると優しく見つめ返された。
「腹は減っていないか?林檎でも食うと良い」
『ぁ……いえ……』
「そうか」
『……』
「……」
『……あの…』
「どうしたのだ」
ん?と首を傾げ頬を撫でられるとまた私の顔は熱くなる。
『……ぉ… お慕いしております…』
「ん……?!」
『……////』
「……」
『……』
「あ、ああ!もちろんだ 私は神なのだからな!!///」
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その日から、私には色んなものが贈られるようになった。
今日もヤマが何かを持ってくる。
「神がお前のために腕輪を作ってくださったぞ、神の慈悲に頭を垂れて感謝するがいい」
『あ、ありがとう……』
シンプルな腕輪は私の腕には大きく手のひらを易々と通過した。
ずっしりと重いその腕輪はきら、と存在感を漂わせる。
『ありがとうヤマ』
「まったく、神の気まぐれにも困ったものだ」
そう言いながらどこかへ去るヤマ。
『(気まぐれ……)』
まあそうだろうな。
いつかは飽きられて殺されるのだろう。
私は所詮供物なのだ。
────────────────────
「神!シャンディアが…」
おれがそう言うと神は機嫌を悪そうにした。
「静かにしろ [リリィ]が起きるだろう」
────────────────────
「目が覚めたか」
貴方の腕の中で寝てしまったの?
いつから。
ああ、美しい方だなあ
陽に照らされて白い肌がきらきらと虹色に輝いていた。
美しさに目を閉じもたれかかると愉しそうに笑われた。
「また眠るのか?私の身体はそんなに寝心地が良いか」
『許されるのなら、ずっと眠っていたいです』
「それでは駄目だ、お前がずって眠っていては私の話相手をさせられんではないか」
『そうですね。ごめんなさい』
そう言うとエネル様は今日もまた私を猫かなにかのように撫で始めた。
『ん……』
力が抜ける。くた、ともたれかかると静かにエネル様が笑う声が聞こえた。
エネル様をじっと見つめて、この人はスカイピアいち強いひとで絶対的な力を持っているのだよなあと考えていた。
「なんだ?…照れるじゃあないか……//」
私の頭をぽんぽん、とわがままな子を諭すように撫でられた。
『(照れてる……)』
本当になんなんだろうか。この人は。
それだけ圧倒的に強いのに、私に見せる顔は優しい。
「私のいない所で泣いていたりはしないか?[リリィ]」
『!……いえ…その…』
「……」
『貴方は優しいですね』
「優しい?私が?ヤハハ それはお前の勘違いだ」
『そういう所も優しいと思います』
「も…///もういいだろう//」
こつん!と拳を押すように頭に当てられた。
その後、また撫でられるのでやはり優しいと思った。
ひとつ、ひとつ貴方が私を撫でる度に、雲はふわふわと私たちを乗せて浮かんでいた。
ふと思って、エネル様の頭を撫でてみる。
「?」
『いつも可愛がってくださるので……私も』
「ん……///」
エネル様は私にぎゅっと甘えるように抱きついた。
その仕草がかわいくて。
『神様のお仕事は大変ですか?』
そう言うと強くて残酷な神様は普通の男の子のように明るい顔で笑った。
「ヤハハハ!!まあ私にかかれば大したことじゃないが 普通の人間には務まらん」
『そうなんですか……すごいですね』
「あ…ああ!///」
────────────────────
「神!青海の者どもが……」
そう門を開けると神は露骨に機嫌を悪くした。
おれの方には見向きもせず、その視線は例の女から離れなかった。
「気がついているとも…騒がしいな、お前ら神官共は何の為に居るのだ……[リリィ]を起こすんじゃあない」
「神……畏れ多いですが最近のご様子には」
ギロ。
「……」
「……」
「……国が傾きかけているのです…たかが侍女に構っている場合で」
ピカッ!!!
ゴロゴロゴロゴロ……
男の隣の犬は雷に子犬のように怯えた。
『ん……?』
[リリィ]が起きると神のそれまでの恐ろしい表情が一気に緩まった。
「ああ……許せ[リリィ]、起こしてしまったか…?♡ヤハハ…♡♡良い子だ……」
『なあに?その人…』
エネル様はこちらを見られたが、その目は「殺す」と言っていて、その声は恐ろしく冷たかった。
「ああ……なんだったかな?まあよかろう…… 下がれ」
「は……」
おれはそれから当分社には謁見に行かなかった。
────────────────────
元はと言えば、スカイピアの民どもが持ってきた貢ぎ物。
その日はたまたま機嫌が悪くて、エンジェルビーチの方に雷を落としていた。
そしたらこの娘が貢がれた。
それ以来エンジェルビーチに雷を落とすことはなくなった。
『あの……大丈夫ですか?』
「ん……?♡何がだ?」
『さっきとても怖い顔をしていらしたから……』
「…………、… 私が怖いか…?[リリィ]……」
いや、おれは何をこんな小娘の表情を伺うように尋ねているのだ。
別におれを怖いと言っても恐怖で支配してやれば良いだけの話……。
おれは何を……?
『いいえ…?♡大好きですよ』
「……そうか」
今日もエンジェルビーチに雷を落とさずに済んだ。
「おれのことは心配いらん もう解決した」
『なら、良かったです』
…………
正直おれはもうスカイピアなんてどうでもいい。
ただお前を可愛がれればもうそれで良かった。
「可愛い[リリィ]……私だけの」
反乱が起きている?知ったことか。
この部屋でお前を可愛がれればそれで良い。