ばしゃ！
冷たい水をかけられたのがわかった。
逆にそれ以外はわからなかった。
『なにもお…』
「起きたか[リリィ]！！！！」
『……神』
私はぶす…っとジト目で神を見つめた。
「今日から仕事とやらに行くのだろう？！私もついて行ってやろうと思ってな」
『え〜？！』
「ヤハハハ！！そんなに嬉しいか！！神である私が一緒に行くのは」
そう言い切る傲慢さに笑い私はベッドから起きたのだった。
カーテンを開けると陽射しが射した。
のび〜と体を伸ばしてキッチンへ向かう。
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エネル様は私の用意した朝食を食べながら言う。
『(神様何をしに来たんだろう…)』
「お前の仕事を横で見ていてやろう、私も手伝ってやる」
『はあ ありがたいです』
「ヤハハハ よいのだ 神だからな私は …おい待てその服では駄目だ！もっと丈の長い服にしろ それでは露出が過ぎる」
『ええ でも』
「お前の肌をわけもわからん男に見せる気か」
『ええ』
「では行かせる訳にはいかんな」
『冗談ですよ。』
そう言って着替える。
「それでよい」
鏡へ行き髪を整えていると鏡にもう1人の姿が映る。
右のおろした髪を耳にかけられた。
そのまま右側の髪を左に流す岩肌のような手。
「こちらの方が似合うだろう」
頭を撫でられる。
すごくドヤ顔でそう言われたので私は無下に断ることも出来ず今日はその髪型で行くことにした。
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[リリィ]は私の向かいに座り朝食を食べ始める。
『今日はね、新しいメニューを開発するんだって』
「ヤハハ！私が味見してやろう」
『お客さんに出すものですよ。もう、うふふ……』
「私の方が大事だろう？」
『ええ、まあね。ふふ。』
『あ、そう言えば新しい人も今日から来るみたい。』
確かに考えてもみれば職場で他の人間共と関わりを持つのか。
そうすればつまらん男が[リリィ]に言い寄ることもあるかも知れん。
そう感じるとチリ、と雷が身体から発したのがわかった。
もちろん私は神なのでそんな男には[リリィ]は見向きもしないだろうが、それでもおれの気に入った女に触れられるのは不快だ。
チリ。
『あの…大丈夫ですか……お身体…』
「ん？！ああ平気だ 」

穢れた手でこの絹のような肌に触れられるとでも？
身の程を知らん俗物には教えてやろう
この女が誰のものなのかを、な

ビリビリ、バチッ！
『あの？！ちょっと空気がビリビリしますよ？！』
「ぬ？！ああ！すまない」
『じゃあ行こっか、……こんな人がいたらみんなびっくりするだろうけど。アハハ！』
「なに、お前の仕事っぷりを見に行ってやるだけだ それじゃあ行こうじゃあないか」
『ええ』
「無理はするなよ、疲れたら適当に手を抜いておけばいい」
『はい……！』
そうして、私たちは仕事場に行った。
私の上司に、「不届き」と言って雷が落ちたのは、その日の夜の笑い話だった。