心鋼で読めた心を言わせないため私はリンネの唇に指を当てた。
「私はなリンネ お前に悪態をつかれるのが心地よいのだ」
『え…』
「それは不器用なお前なりに私に甘えているのだろう？」
『う……！』
「よいのだ、気にすることは無い 他の人間共がどうなのかは知らんが、私は人ではなく神であるぞ それくらいの事でお前を嫌ったりはせん」
リンネはまた泣き出し私の胸に縋る。
フェアリーヴァースは空高く上り、いつも通りの輝きを取り戻していた。
そうだ。
好きなだけ泣いて、また好きなだけ憎まれ口を叩けば良いのだ。

「ヤハハ… 心を寄せた女の涙に濡れるのも 偶には嬉しいものだ」
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「今夜は眠れそうか？」
『……わからない』
「もう眠るぞ…羊を数えてやるから」
『あなたと離れたくない。』
「明日も会えるとも」
『……』
それでも不安そうに見つめたので安心させるように言った。
「約束だ」
『うん……』
その後、羊が1匹、羊が2匹。
増えていった羊に雲のように包まれて、リンネはすやすやと眠りについた。

「おやすみリンネ」
私の友よ。また愛しい人よ。
お前が安らぎの中にいられるように。
神の住まう土地、フェアリーヴァースよ
今日はいつもに増して私達を優しく照らしてくれ。

その光で、苦しむ彼女を癒し眠らせてくれ