ふわ、と布が遅れて重力に従う。
リンネは社を抜け出して自分の部屋で酒を飲んでいた。
酒に呑まれて眠ってしまう所を見るとやはりまだまだ小娘。
「(呆れた女だ)」
彼女の傍に座る。
リンネ、侍女の仕事は少しでも気晴らしになったか？

忘れられぬ過去があるなら、
それがお前を傷つけるなら
おれは少しでも癒してやりたい

そんなおれの心配を他所に当の本人はすやすやと心地よさそうに眠っていた。
それに笑い頭を撫でる。
ああ、愛らしいな。
そう思って呼吸する寝顔を暫く見ているとフェアリーヴァースが傾いていた。
いつまでもここにいる訳にもいくまい、私は今日一日おれの時間を奪った指輪をリンネにそっと身につけさせる。

微笑むのを止められなかった
おれの作った指輪をしたリンネを見ると

起きないように気をつけながらそっと頭に口づけをし部屋をあとにした。
必ず喜ぶに違いない！！
この私が作った指輪だ、気に入らない者がどこに居ようか。
明日見たリンネが付き合ってくれと、いや、もしかしたら結婚してくれとせがむかもしれない
それなら直ぐに式を挙げるぞ！
そして旅行に行きリンネの好むような綺麗な場所で抱き合いながら一日を過ごすのだ。
何を言うか今から考えておくか。
ヤハハ楽しみにしておけリンネ！

おれと一緒になった際には
お前を二度と不安にはさせない
お前と結ばれ夜が明けた後何が起ころうともな！