包容と疑心、熱血と気迫。
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俺様に大人しく担がれているこの男。
気配とか隠す気あんの?ってくらいにはダダ漏れだったけど、かなり速いスピードで大将の館に確かに近付いていたから捉えた。
…それにしても、最初の方は降ろせ降ろせと暴れてた癖にすっかり大人しくなっちゃって。
あの女人の物の怪は静かに此方を睨みながら付いてきてる。
此奴が従えてんのかな、だとすると…陰陽師とかその辺の奴?
にしちゃあなーんか覇気がないよなぁ…いやいや、もしかしたら演技かも。
「…思ったんだけどさ、アンタって男だよね?」
「そーですけど」
「うっわ…軽すぎだよアンタ、もっと重くてもいいだろ…」
「いや俺に言われても…ふわあぁ……んにゃむにゃ…」
「ちょっ、今ここで欠伸!?ホント何なのアンタ緊張感無さ過ぎ!!」
「いやー…眠くて」
「……何、余裕って事?」
「そんな事ねーっすよ?」
…調子狂うな。
一応これでも忍だし、人を見る目はあるつもりなんだけど…なんか妙なんだ。
此奴からは戦や血の匂いが「全く」しない。
そう、全く。
この御時世、農民でも多少は戦の匂いはする。
でも此奴はそれが少しもない。
なのに、瞳は血や死を見たそれだった。
どう考えても変だ。
でも今はコイツが変な事をしないように見張るのが先。お仕事はちゃーんとこなさないとね。
因みにコイツの背負ってた妙な風呂敷みたいな奴は俺様が背負っている。
…おいおいおい、コイツ本気で寝そうなんですけど、船仰いでるんですけどー!?
…よくよく見ると結構綺麗な顔立ちだよね、ムカつくなぁ。
「ほら、着いたよ。」
雑に起こし、無理矢理に立たせる。
ソイツは少しふらつきついてから、また気の抜けた声で返事を返す。
…ホント、緊張感無さ過ぎだよね。
「もーついたんだ…あ、兄ちゃん、わざわざ連れてきてもらってありがとうございます。」
…?
なに、コイツ。
今、俺様にお礼言った?
「何言ってるのアンタ?なんで俺様に礼言うのさ。俺様はアンタを殺そうとした、今だってその気になりゃ簡単に切り捨てられる。」
「…いや、つれてきてもらったし。」
「それだけで?」
「はい。」
…馬鹿?
相も変わらずその考えが読みにくい、どす黒さを宿した瞳は俺様をじっと見ている。
「いい?あのね?アンタはこれからもしかしたら俺様に殺されるかもしれないんだよ?なのになんでお礼とか言うのさ。さっきだって苦無突きつけても無反応だし、その後もまるで緊張感とかないし…」
……あれ?俺様なんで間者かもしれない奴に説教してんの…?
「…アナタは俺を殺すかもしれない。」
「そう。」
「俺はアナタに殺されるかもしれない。」
「そう。…やっとわかった?」
「元からわかってますよ。」
風が不意に吹いた。
「殺されるんなら、それでいいです。」
やけに冷めた、どこか放棄したような声。
「殺されるんなら殺されるで、別にどーだっていーです。俺は抗うつもりはありません。今までの生活だっていつ死ぬか分からないようなもんでしたし。
…あぁでも、俺がピンチになると決まって仲間が助けてくれるんですよ。」
なんだか、それがあったかいんです。
そう言う男の表情は変わりはしないものの、声色はどこか柔らかい気がした。
「…とりあえず、この中に俺様の主達がいるから。少しでも怪しいそぶり見せたら斬るから精々覚悟しとく事だね。」
「はーい。」
死にたがりってわけじゃないみたいだけど…あぁだめだ、コイツのペースにのまれる…
気配とか隠す気あんの?ってくらいにはダダ漏れだったけど、かなり速いスピードで大将の館に確かに近付いていたから捉えた。
…それにしても、最初の方は降ろせ降ろせと暴れてた癖にすっかり大人しくなっちゃって。
あの女人の物の怪は静かに此方を睨みながら付いてきてる。
此奴が従えてんのかな、だとすると…陰陽師とかその辺の奴?
にしちゃあなーんか覇気がないよなぁ…いやいや、もしかしたら演技かも。
「…思ったんだけどさ、アンタって男だよね?」
「そーですけど」
「うっわ…軽すぎだよアンタ、もっと重くてもいいだろ…」
「いや俺に言われても…ふわあぁ……んにゃむにゃ…」
「ちょっ、今ここで欠伸!?ホント何なのアンタ緊張感無さ過ぎ!!」
「いやー…眠くて」
「……何、余裕って事?」
「そんな事ねーっすよ?」
…調子狂うな。
一応これでも忍だし、人を見る目はあるつもりなんだけど…なんか妙なんだ。
此奴からは戦や血の匂いが「全く」しない。
そう、全く。
この御時世、農民でも多少は戦の匂いはする。
でも此奴はそれが少しもない。
なのに、瞳は血や死を見たそれだった。
どう考えても変だ。
でも今はコイツが変な事をしないように見張るのが先。お仕事はちゃーんとこなさないとね。
因みにコイツの背負ってた妙な風呂敷みたいな奴は俺様が背負っている。
…おいおいおい、コイツ本気で寝そうなんですけど、船仰いでるんですけどー!?
…よくよく見ると結構綺麗な顔立ちだよね、ムカつくなぁ。
「ほら、着いたよ。」
雑に起こし、無理矢理に立たせる。
ソイツは少しふらつきついてから、また気の抜けた声で返事を返す。
…ホント、緊張感無さ過ぎだよね。
「もーついたんだ…あ、兄ちゃん、わざわざ連れてきてもらってありがとうございます。」
…?
なに、コイツ。
今、俺様にお礼言った?
「何言ってるのアンタ?なんで俺様に礼言うのさ。俺様はアンタを殺そうとした、今だってその気になりゃ簡単に切り捨てられる。」
「…いや、つれてきてもらったし。」
「それだけで?」
「はい。」
…馬鹿?
相も変わらずその考えが読みにくい、どす黒さを宿した瞳は俺様をじっと見ている。
「いい?あのね?アンタはこれからもしかしたら俺様に殺されるかもしれないんだよ?なのになんでお礼とか言うのさ。さっきだって苦無突きつけても無反応だし、その後もまるで緊張感とかないし…」
……あれ?俺様なんで間者かもしれない奴に説教してんの…?
「…アナタは俺を殺すかもしれない。」
「そう。」
「俺はアナタに殺されるかもしれない。」
「そう。…やっとわかった?」
「元からわかってますよ。」
風が不意に吹いた。
「殺されるんなら、それでいいです。」
やけに冷めた、どこか放棄したような声。
「殺されるんなら殺されるで、別にどーだっていーです。俺は抗うつもりはありません。今までの生活だっていつ死ぬか分からないようなもんでしたし。
…あぁでも、俺がピンチになると決まって仲間が助けてくれるんですよ。」
なんだか、それがあったかいんです。
そう言う男の表情は変わりはしないものの、声色はどこか柔らかい気がした。
「…とりあえず、この中に俺様の主達がいるから。少しでも怪しいそぶり見せたら斬るから精々覚悟しとく事だね。」
「はーい。」
死にたがりってわけじゃないみたいだけど…あぁだめだ、コイツのペースにのまれる…