包容と疑心、熱血と気迫。
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ひとしきり殴り合った後、条件として提示された「俺の世界」での事を話す。
自分はここから別の世界から来たということ。
自分の世界には空間を司る物の怪がいて、その物の怪の力に巻き込まれて此方に来てしまったこと。
紅い二人は驚き、忍者の兄ちゃんは「何言ってんだコイツ」っていう目をしていた。
別に信じてもらおうなんて思ってない。
俺だって急におかしい格好した知らねー奴が来て「別世界の人間です」なんて言われたら、まずソイツの頭の心配をする。
…いくら空間を操る力を持つパルキアや、時間を操る力を持つディアルガという存在がいたとしても、ヤツらの力に巻き込まれるなんてまず有り得ねーんだ。
巻き込まねーために、アイツらは普段俺らが考えもしねー所で暮らしている。
そして時々気紛れに、やりのはしらに姿を現す。
現しても、力を使うことなんて殆どない。
だから、油断した。
結局は、俺の自業自得。
だから言い訳なんてしない。
「…じゃあ、このデカい風呂敷は?」
兄ちゃんが俺のバックパックを睨みつける。
「あー、それはバックパックってゆーやつです。中身勝手に見てどーぞ。」
「じゃあ遠慮なく。」
兄ちゃんはバックパックをあけ、中身を正に「漁る」という表現が正しいような勢いで探る。
なにこれ…武器っぽいの全くないじゃんって聞こえてきたけど、当たり前だ。
なんで旅すんのにそんな重そーなの背負わなきゃなんねーの。
兄ちゃんが怪しいといって取り出したのは、知り合いが造ってくれた特製パソコンと薄型のポケモン図鑑。
別に二つとも預かられても死にはしねーけど、旅するのに無いとなると少し不便だ。
まあしばらくは預かっててもらおうかなと思う。
それで少しでも疑いが晴れるってんなら、まーそれに越したことはない。
そんな訳で「怪しいと思うなら預かっててどうぞ」って言ったら、また変な顔をされた。
なんだよ、しつれーなヤツ。
別に本気で思ってないけど。
「…アンタさ、本当に分かってんの?今の状況。」
「この質問何回目ですか兄ちゃん。分かってるって言ってんでしょ。」
「だぁって!……警戒しても、どんなに殺気を飛ばしても、誘拐同然の形で城に連れてかれたって、少しの動揺も見せない。
相当の手練れかと思えば寝そうになるわ自分の荷物をホイホイ相手に渡すわ…棄てられるとか考えなかったの?」
…棄て、られる…?
「っだ、駄目だ!!」
声が自然と荒くなる。
それに連れ、兄ちゃんの視線も鋭いものに。
「そん中には大事な俺の宝物が入ってる!だから、棄てるのは、それだけは、止めてくれ…!!」
「宝物…に、ござるか?」
「はい。俺の両親の、形見です。」
ハチマキの兄ちゃんにも一応敬語は使っておく。
もしかしたら偉い人かもしれない。
《スダチ殿は、貴方達にとって敵となる存在ではありません。本当です。》
「…つっても、俺様アンタの事も信用してないんだけどね、るかりお。」
《…っ、》
「でもまぁ…こんな間抜け面な奴が、館を襲えるほどの度胸も力も有る訳ないか。
今だって馬鹿正直に荷物全部預けてくれちゃったわけだし。」
「なっ、佐助!それはあまりに失礼だぞ!」
「旦那は信用しすぎなの!!ったく、俺様がどれだけアンタに近づく人間に苦労して目を光らせてる事か。」
…?
なんかよくわかんねーけど、取りあえず
「…今すぐ死ぬ事は、なさそう?」
《おそらくは。》
ルカリオに囁かれ、そうか、と理解する。
…少し、ほんの少しだけ、安心したかもしれないっていうのはここだけの話。
「ルカリオ。」
「ガル…?」
少し唸って、首を傾げた。
両耳についた耳飾りみたいな房が、豊かにゆるりと揺れる。
「言うの、遅くなった。
…おかえり。」
「……!!」
目を一瞬見開いたかと思えば、勢い良く身を乗り出され、人間とは違った腕できゅっ、と抱きしめられ、甘えたようにのどを鳴らす。
胸のトゲの痛さは、この際なかった事にしてやろーか。
あぁ、あったかいなぁ。
この腕の中の暖かさだけで、うっかり涙がでそうだ。
無事でよかった。本当に無事でよかった。俺の、大切な大切な家族。
さて、いくら殺される心配が無くなったとしても、それは今だけ。
正直なところ早くルカリオを連れてお暇したいが、この兄ちゃん、俺を連れて行く際に「青い物の怪に“会わせてあげる”」と言った。
けど、「引き取っていい」とは言ってない。
…うーん、抜かりねー性格してんだな、この兄ちゃん。
でもだからといってこのまま居着くのも、互いにメリットなんてない気がする。
さーて、どーしたもんかねー。
自分はここから別の世界から来たということ。
自分の世界には空間を司る物の怪がいて、その物の怪の力に巻き込まれて此方に来てしまったこと。
紅い二人は驚き、忍者の兄ちゃんは「何言ってんだコイツ」っていう目をしていた。
別に信じてもらおうなんて思ってない。
俺だって急におかしい格好した知らねー奴が来て「別世界の人間です」なんて言われたら、まずソイツの頭の心配をする。
…いくら空間を操る力を持つパルキアや、時間を操る力を持つディアルガという存在がいたとしても、ヤツらの力に巻き込まれるなんてまず有り得ねーんだ。
巻き込まねーために、アイツらは普段俺らが考えもしねー所で暮らしている。
そして時々気紛れに、やりのはしらに姿を現す。
現しても、力を使うことなんて殆どない。
だから、油断した。
結局は、俺の自業自得。
だから言い訳なんてしない。
「…じゃあ、このデカい風呂敷は?」
兄ちゃんが俺のバックパックを睨みつける。
「あー、それはバックパックってゆーやつです。中身勝手に見てどーぞ。」
「じゃあ遠慮なく。」
兄ちゃんはバックパックをあけ、中身を正に「漁る」という表現が正しいような勢いで探る。
なにこれ…武器っぽいの全くないじゃんって聞こえてきたけど、当たり前だ。
なんで旅すんのにそんな重そーなの背負わなきゃなんねーの。
兄ちゃんが怪しいといって取り出したのは、知り合いが造ってくれた特製パソコンと薄型のポケモン図鑑。
別に二つとも預かられても死にはしねーけど、旅するのに無いとなると少し不便だ。
まあしばらくは預かっててもらおうかなと思う。
それで少しでも疑いが晴れるってんなら、まーそれに越したことはない。
そんな訳で「怪しいと思うなら預かっててどうぞ」って言ったら、また変な顔をされた。
なんだよ、しつれーなヤツ。
別に本気で思ってないけど。
「…アンタさ、本当に分かってんの?今の状況。」
「この質問何回目ですか兄ちゃん。分かってるって言ってんでしょ。」
「だぁって!……警戒しても、どんなに殺気を飛ばしても、誘拐同然の形で城に連れてかれたって、少しの動揺も見せない。
相当の手練れかと思えば寝そうになるわ自分の荷物をホイホイ相手に渡すわ…棄てられるとか考えなかったの?」
…棄て、られる…?
「っだ、駄目だ!!」
声が自然と荒くなる。
それに連れ、兄ちゃんの視線も鋭いものに。
「そん中には大事な俺の宝物が入ってる!だから、棄てるのは、それだけは、止めてくれ…!!」
「宝物…に、ござるか?」
「はい。俺の両親の、形見です。」
ハチマキの兄ちゃんにも一応敬語は使っておく。
もしかしたら偉い人かもしれない。
《スダチ殿は、貴方達にとって敵となる存在ではありません。本当です。》
「…つっても、俺様アンタの事も信用してないんだけどね、るかりお。」
《…っ、》
「でもまぁ…こんな間抜け面な奴が、館を襲えるほどの度胸も力も有る訳ないか。
今だって馬鹿正直に荷物全部預けてくれちゃったわけだし。」
「なっ、佐助!それはあまりに失礼だぞ!」
「旦那は信用しすぎなの!!ったく、俺様がどれだけアンタに近づく人間に苦労して目を光らせてる事か。」
…?
なんかよくわかんねーけど、取りあえず
「…今すぐ死ぬ事は、なさそう?」
《おそらくは。》
ルカリオに囁かれ、そうか、と理解する。
…少し、ほんの少しだけ、安心したかもしれないっていうのはここだけの話。
「ルカリオ。」
「ガル…?」
少し唸って、首を傾げた。
両耳についた耳飾りみたいな房が、豊かにゆるりと揺れる。
「言うの、遅くなった。
…おかえり。」
「……!!」
目を一瞬見開いたかと思えば、勢い良く身を乗り出され、人間とは違った腕できゅっ、と抱きしめられ、甘えたようにのどを鳴らす。
胸のトゲの痛さは、この際なかった事にしてやろーか。
あぁ、あったかいなぁ。
この腕の中の暖かさだけで、うっかり涙がでそうだ。
無事でよかった。本当に無事でよかった。俺の、大切な大切な家族。
さて、いくら殺される心配が無くなったとしても、それは今だけ。
正直なところ早くルカリオを連れてお暇したいが、この兄ちゃん、俺を連れて行く際に「青い物の怪に“会わせてあげる”」と言った。
けど、「引き取っていい」とは言ってない。
…うーん、抜かりねー性格してんだな、この兄ちゃん。
でもだからといってこのまま居着くのも、互いにメリットなんてない気がする。
さーて、どーしたもんかねー。