龍楽
TRIGGER学園のトンチキ設定なくした、日本史教師×音楽教師の死ネタメリバ物語
体力も気力も精神力も何もかもしんどいから書かないので全体の設定だけ書いたもの。
夏も暮れ秋が近づいた頃、龍之介に余命宣告が下される。延命治療のために治療が開始されるが、龍之介はあまりの副作用の苦しさに、恋人である楽に弱音をこぼした。
「愛してるから……一緒に死んでくれる?」
冗談だよ、と返す前に、龍之介は楽に抱きしめられる。
「龍がいなくなる世界で、どう生きればいいのか、わかんなかった……」
潤ませた声が紡いだのは、まさかの返事だった。
「一緒に死のう、俺を殺してくれ」
そうして、二人は心中を決意する。まるで幼い頃の空想の冒険の物語のように、二人は未来の計画を語らい合った。
「俺……楽は雪の中で死ぬのが似合うと思うんだ」
「凍死か……寒いだろうな」
「寒いだろうね」
「龍のが……絶対先に凍え死ぬ気がするんだけど」
「奇遇、俺もそう思ってた」
恐ろしいことのはずなのに、不思議と恐怖はなかった。
「せめて、少しでも一緒に死ねるように抱きしめててやるよ」
「……そんなことされたら、天国って勘違いしそうだね」
「ははっ、俺は……龍の側なら地獄でも楽園だよ」
そんな風に二人の幸せを語って、その日は互いを抱きしめたまま、眠りについた。
「仕事、辞めてきた」
「え……っ!?」
突然、楽が仕事を辞めたと龍之介に告げる。龍之介は仕事には出ていないものの、傷病手当を貰っているため席は学校に残したままだ。なのに、どうして。
「仕事してたら、龍と一緒にいられないだろ? 貯金もあるし、生活は大丈夫だ。それより……」
そう言いながら龍之介の前に広げたのは、ありとあらゆる旅行パンフレットだった。
「どっか行こうぜ。龍との思い出、いっぱい作りてぇ」
「楽……」
「もちろん、龍の体調次第だけど」
「行こう! 俺、楽と色んな所行きたい!」
「よっしゃ、! んじゃ、どこ行くか考えようぜ〜」
それから、二人で日本の色んなところへ旅行に行く。温泉に入るために箱根へ赴き、葡萄が食べたいからと山梨へ。他にも色々な所へ二人で行く。延命治療のための薬の投与はこの時点でストップ。痛み止めと吐き気止めの薬だけの生活に変更。
旅行先の宿ではセックス出来たり失敗したりだったり。これが一番書きたかったなぁ……←
セックス中に必ずといっていいほど
「龍は本当に可愛いな」
「楽のが可愛いし、綺麗だよ」
「ありがと、でもお前のが可愛いよ」
って会話があります。
真冬がきて、とうとう望んでいた雪の中での心中へ。(これがSSの「-5℃の灼熱で、ともに、」です)けれど、楽の温もりを感じた龍之介は、これではいけないんだと思い「真夏の海で」と心中先の変更を告げる。夏まで龍之介の身体が持つのか心配になる楽だったが、龍之介の「あっという間だよ」の言葉に絆され、共に引き返した。
春が過ぎまだ梅雨が来る前の事。龍之介の故郷へ「楽との思い出が欲しい」との龍之介の願いから沖縄へ向かう。上手く動かぬ身体だが、それでも沖縄を満喫した二人。しかし、龍之介にはどうしても楽に伝えたいことがあった。
「楽、お願いがあるんだ……」
「ん? どうした?」
「……愛してるから、生きていてくれないか?」
「……は?」
「お願いだ……ダメ、かな?」
「なんで……なんでいきなり、そうなるんだよ!? 愛してるから、一緒に死のうって……!」
「うん、ずっと……一緒にいて欲しかった。でも、なんでだろうね……」
「……ッ、」
「愛してるから、一緒に連れて行きたくないんだ。お願い、生きて……」
「……ずりぃよ……んで……っ、そんなこと……!」
「ごめんね、本当にごめんね」
一緒に生きたい気持ちは変わらない、けれども死ぬのなら、自分も連れていって欲しいと切望する楽だけれど、愛した龍之介の頼みなら、叶えてやりたくなってしまう。
「まるで……呪いだな……」
「ふふっ、違うよ。……願い、だよ」
「……はっ、それが、……呪いだってんだよ……」
あれだけ逞しかった身体はすっかり筋肉がなくなり、骨が浮き出た貧相なものだった。けれど、楽に触れる指先だけは、ずっと変わらぬ温かさと優しさがあった。
真夏が来る前に、龍之介は帰らぬ人となる。楽の心と相反して雲ひとつない快晴の空の下、龍之介が入った骨壷を持つ楽は
「本当に、可愛いやつ……」
そう呟いて、龍之介が眠る骨壷を抱きしめた。
って感じの話を書きたかった。おしまい。
体力も気力も精神力も何もかもしんどいから書かないので全体の設定だけ書いたもの。
夏も暮れ秋が近づいた頃、龍之介に余命宣告が下される。延命治療のために治療が開始されるが、龍之介はあまりの副作用の苦しさに、恋人である楽に弱音をこぼした。
「愛してるから……一緒に死んでくれる?」
冗談だよ、と返す前に、龍之介は楽に抱きしめられる。
「龍がいなくなる世界で、どう生きればいいのか、わかんなかった……」
潤ませた声が紡いだのは、まさかの返事だった。
「一緒に死のう、俺を殺してくれ」
そうして、二人は心中を決意する。まるで幼い頃の空想の冒険の物語のように、二人は未来の計画を語らい合った。
「俺……楽は雪の中で死ぬのが似合うと思うんだ」
「凍死か……寒いだろうな」
「寒いだろうね」
「龍のが……絶対先に凍え死ぬ気がするんだけど」
「奇遇、俺もそう思ってた」
恐ろしいことのはずなのに、不思議と恐怖はなかった。
「せめて、少しでも一緒に死ねるように抱きしめててやるよ」
「……そんなことされたら、天国って勘違いしそうだね」
「ははっ、俺は……龍の側なら地獄でも楽園だよ」
そんな風に二人の幸せを語って、その日は互いを抱きしめたまま、眠りについた。
「仕事、辞めてきた」
「え……っ!?」
突然、楽が仕事を辞めたと龍之介に告げる。龍之介は仕事には出ていないものの、傷病手当を貰っているため席は学校に残したままだ。なのに、どうして。
「仕事してたら、龍と一緒にいられないだろ? 貯金もあるし、生活は大丈夫だ。それより……」
そう言いながら龍之介の前に広げたのは、ありとあらゆる旅行パンフレットだった。
「どっか行こうぜ。龍との思い出、いっぱい作りてぇ」
「楽……」
「もちろん、龍の体調次第だけど」
「行こう! 俺、楽と色んな所行きたい!」
「よっしゃ、! んじゃ、どこ行くか考えようぜ〜」
それから、二人で日本の色んなところへ旅行に行く。温泉に入るために箱根へ赴き、葡萄が食べたいからと山梨へ。他にも色々な所へ二人で行く。延命治療のための薬の投与はこの時点でストップ。痛み止めと吐き気止めの薬だけの生活に変更。
旅行先の宿ではセックス出来たり失敗したりだったり。これが一番書きたかったなぁ……←
セックス中に必ずといっていいほど
「龍は本当に可愛いな」
「楽のが可愛いし、綺麗だよ」
「ありがと、でもお前のが可愛いよ」
って会話があります。
真冬がきて、とうとう望んでいた雪の中での心中へ。(これがSSの「-5℃の灼熱で、ともに、」です)けれど、楽の温もりを感じた龍之介は、これではいけないんだと思い「真夏の海で」と心中先の変更を告げる。夏まで龍之介の身体が持つのか心配になる楽だったが、龍之介の「あっという間だよ」の言葉に絆され、共に引き返した。
春が過ぎまだ梅雨が来る前の事。龍之介の故郷へ「楽との思い出が欲しい」との龍之介の願いから沖縄へ向かう。上手く動かぬ身体だが、それでも沖縄を満喫した二人。しかし、龍之介にはどうしても楽に伝えたいことがあった。
「楽、お願いがあるんだ……」
「ん? どうした?」
「……愛してるから、生きていてくれないか?」
「……は?」
「お願いだ……ダメ、かな?」
「なんで……なんでいきなり、そうなるんだよ!? 愛してるから、一緒に死のうって……!」
「うん、ずっと……一緒にいて欲しかった。でも、なんでだろうね……」
「……ッ、」
「愛してるから、一緒に連れて行きたくないんだ。お願い、生きて……」
「……ずりぃよ……んで……っ、そんなこと……!」
「ごめんね、本当にごめんね」
一緒に生きたい気持ちは変わらない、けれども死ぬのなら、自分も連れていって欲しいと切望する楽だけれど、愛した龍之介の頼みなら、叶えてやりたくなってしまう。
「まるで……呪いだな……」
「ふふっ、違うよ。……願い、だよ」
「……はっ、それが、……呪いだってんだよ……」
あれだけ逞しかった身体はすっかり筋肉がなくなり、骨が浮き出た貧相なものだった。けれど、楽に触れる指先だけは、ずっと変わらぬ温かさと優しさがあった。
真夏が来る前に、龍之介は帰らぬ人となる。楽の心と相反して雲ひとつない快晴の空の下、龍之介が入った骨壷を持つ楽は
「本当に、可愛いやつ……」
そう呟いて、龍之介が眠る骨壷を抱きしめた。
って感じの話を書きたかった。おしまい。