デジモンアドベンチャー 光子郎 ヒカリ
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「頼んだぞ、メタルガルルモン!」
「ウォーグレイモン! ピエモンを倒せば、全てが終わる!」
「倒せるかな? ふはははは」
ピエモンは笑いながら手を頭上で円にすると、そこから炎の輪が現れる。
「倒せるさ!」
メタルガルルモンが飛び出していくも、炎の輪が襲い掛かってくる、メタルガルルモンはその輪を潜る、だがその時身体を締め付けられ地面に伏した。
ウォーグレイモンがメタルガルルモンに駆け寄る。
「お前にはこれだ」
ウォーグレイモンの足元から大きな玉が現れた。
ウォーグレイモンはバランスを崩し、メタルガルルモンの上に落ちてしまう。
ピエモンはそれを見て笑っていた。
「あいつ、ふざけてる……太一さん!」
「応援だったら待ってくれ」
「そうだ、もう少し様子を見よう」
「そろそろ、トドメを刺してやろう、トランプソード!」
ウォーグレイモンとメタルガルルモンの周りを剣が自由に舞う。
「気をつけろ、どこから飛んでくるか分からないぞ!」
「センサーキャッチ! ウォーグレイモン左45度だ」
「わかった」
「次、右だ」
「おう」
ウォーグレイモンとメタルガルルモンは、息を合わせピエモンの攻撃を弾く。
「お前の必殺技は封じた!」
ウォーグレイモンがピエモンに攻撃を与えると、ピエモンが倒れる。
「よし、行けるぞ! 待たせたな、光子郎! 全員進化して、総攻撃だ!」
「よし皆! 超進化です!」
「待テ!」
「なんだ?」
デジモン達が飛び出して行こうとした時、アンドロモンがそれを制す。
ピエモンは両手で、一枚の白いハンカチを広げて持っていた。
それの表と裏を、ピエモンは交互に見せてくる。
「白旗揚げて降参か?」
「あのポーズ、種も仕掛けもありません、って意味?」
「鳩でも出す気かよ」
「遊びは終わりだ!」
ウォーグレイモンとメタルガルルモンが、ピエモンに向かって走っていく。
「そうかな?」
ピエモンはウォーグレイモンとメタルガルルモンに向かってハンカチを投げる。
ハンカチは大きくなり、ウォーグレイモンとメタルガルルモンの所に落ちる。
そして名前を呼びながら、太一とヤマトが駆け寄る。
だがピエモンは太一とヤマトにも、ハンカチをなげられ2人の所に落ちる。
「お兄ちゃん!」
「どうしたの?」
「教えて、あげよう!」
ピエモンが白い布を捲りあげる。
そこには誰も居なかった。
「み、皆、消えてる!」
「どないなっとるんや?」
「太一さん達をどこにやった!」
「ここに居るじゃないか、ほら。ここにも、ほら」
ピエモンが両手を開くと、そこにはキーホルダーの人形になった太一さんとヤマトさん、そしてウォーグレイモンとメタルガルルモンがいた。
「なんて事!」
「み、皆、人形に変えられた!」
「そう、頑張ったご褒美に、私のコレクションに加えてあげたのさ、あはははは」
ピエモンはまた笑っていた。
「さあ、お次は誰かな?」
子ども達は後ろにある洞窟へと向かって行った。
少しの間走っていると、途中でデジモン達が止まる。
足元の先には道がなく、頭上には空中ブランコがある。
「なんや、これは……」
「まるで、サーカス小屋みたい……」
「あの上から、別の所に通じている様です」
「でも、どうやって行けばいいんだ?」
「空中ブランコでっせ、これでひとっとびや」
流紀と雷也は意を決して、タケルの次に、空中ブランコへ飛び移り、途中テイルモンに助けてもらい、反対側へと渡る。
「流紀、平気?」
「うん」
「雷也」
「大丈夫だよ」
雷也の後に空が来たが、光子郎がこっちに来る前にピエモンに白い布を被せられる。
テントモンが光子郎の所へ行くも、白い布を被せられる。
「ほーら、捕まえた捕まえた、逃げても無駄だ」
子ども達は次の部屋の床下に隠れる。
「逃げても無駄だと言っただろう。さ、大人しく観念して出てきたらどうだ、……おかしいなここには居ないのかな?」
ピエモンの足音が聞こえる、子ども達は通り過ぎるのを待つ。
「他の部屋に行ったみたい……」
その時、子ども達の頭上から剣が床を突き刺してきた。
「ダメ!」
「ダメじゃない!」
「ダメかもな!」
子ども達は必死に、剣から逃げる。
「逃げて、ヒカリ!」
「早く、空!」
エンジェウーモンとガルダモンがピエモンに立ち向かう。
私達は広い廊下の床から逃げ出すと、エンジェウーモンの悲鳴が聞こえてきた。
「タケルくん、雷也くん、流紀ちゃん! ヒカリちゃんを連れて逃げなさい!」
「え、空さんは?」
「よく聞いて、ガルダモンとエンジェウーモンも人形にされてしまってるに違いないわ。今、ヒカリちゃんを守る事が出来るのは3人しか居ない、分かるよね?」
「私は一緒に行くわよ!」
「……分かったわ」
雷也とタケルは顔を一瞬見合わせた。
「でも、空さんは……」
「あたしの事はいいから、分かるでしょ? 何があっても逃げ切るのよ」
「分かった……」
「分かった、必ず守ってみせるよ、行こう」
雷也達は走った。
ヌイモンはニンファモンに進化し、ピエモンに攻撃するが効いていなかった。
空が最後にタケルにヤマトの人形を投げる。
そして流紀と空達は白い布を被せられる。
雷也はそれを見て決意する。
雷也はクダモンを見た、クダモンも同じようだった。
「2人共先に行って!」
「「雷也くん!?」」
雷也は扉の前に居る2人に向かって言った。
「ここは僕とクダモンで食い止めるから早く行って!」
「でも!」
「いいから! 早く!」
タケル達は泣きそうな顔で、でも扉の向こうへ行った。
雷也はピエモンの方を向く。
「おやおや、降参ですか?」
「そんなわけないだろ! クダモン!」
「ああ!」
クダモンがチィリンモンに進化し、ピエモンに攻撃を加えていこうとするが当たらず、白い布に雷也も一緒に包まれ、そして雷也は意識を手放した。
目を開けると、流紀の周りには皆居て、目の前には見たことない天使がいた、その近くにテントモンが行く。
「わー、あんさん、何時の間に進化したんや? かっこよすぎるわ、ほんまに」
子ども達はその天使がパタモンだと気付く。
「はははそうかな? ……殺さずに人形にして生かしてやろうと思ったのに、そんなに死にたいか! よかろう、望み通りにしてやる!」
ピエモンがそう言うと、地面から物凄い数のデジモンが現れる。
「こないぎょーさん出て来てなんやこいつら」
「……イビルモンです!」
光子郎がパソコンで調べる。
「囲まれたか!」
「もう、逃げ場はないって事ですね」
「僕達負けないよね」
「ああ、負けてたまるか」
「そうさ、選ばれし子ども達とデジモン達が力を合わせたら、こんな奴ら……」
その時、遠くから声が響いてきた。
それはミミのものだった。
「私を忘れないで!」
ミミは沢山のデジモン達と一緒に現れた。
「よし、みんな! 最終決戦だ!」
デジモン達は力を合わせ、イビルモン達を倒していく。
そしてピエモンにも攻撃を食らわせる。
ホーリーエンジェモンは剣で円を描き、ゲートを呼び出す。
「何だ、あれは!?」
「あ、開いてく……」
「邪悪なる者を、ゲートの向こうの亜空間に葬り去るのです!」
ピエモンはそれに驚く。
ウォーグレイモンとメタルガルルモンがピエモンの所へ行く。
「けりをつけようぜ」
「おう」
ウォーグレイモンとメタルガルルモンが、ピエモンに攻撃をすると、ピエモンはゲートの奥へと吸い込まれていった。
ゲートが閉まると、ゲートは光りながら消えていった。
その光りはスパイラルマウンテンへと降り注ぎ、最後の黒い部分を消し去った。
皆で喜んでいるその時、ゲンナイからのメールが届く。
子ども達は光子郎さんの元に集まる。
「祝電かもね?」
「今更なんだよ……」
メールを読む光子郎が声をあげる。
「そんなバカな!」
「なーんて、書いてあるんだ?」
「本当の敵はダークマスターズじゃないそうです」
その言葉に子ども達は驚きの声をあげる。
「本当の敵は存在その物が世界を歪ませる生き物で、ダークマスターズはその歪みのせいでパワーを得たに過ぎないと……」
「じゃあ、本当の敵って一体なんなんだよ!?」
その時、地震が起き暗闇に包まれる。