デジモンアドベンチャー 光子郎 ヒカリ
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子ども達は黒い空間の中に吸い込まれ、気付けば森の中に立っていた。
「戻ってきたのか?」
「そのはずですが……」
「夜なの?」
「みたいだな」
「うん……あ、皆あれ!」
空が上を向いたので、子ども達も上を見るとそこには……。
「北海道!?」
「地球なのか?」
「地球からデジモン世界が見えていた様に、こちらからも地球が見える様になっているんですよ」
「なるほど……」
その時、近くの茂みから何か動く音がした。
その音を聞いた丈は、ゴマモンだと思い茂みの中を探した。
「ゴマモンそんなとこで、なにやってんだ?」
「丈、おいらならここだぜ」
だがゴマモンは丈のカバンから顔を出した。
「え、じゃあ、ここに居るのは……わー!」
その時、茂みから何かが飛び出し、丈の顔に体当たりをして丈からはなれ逃げ出す。
その反動で丈は崖から落ちそうになってしまう。
その時茂みの中に居る誰かに、デジモン達は向かった。
「ちょっと待って!」
ヒカリの声に子ども達はそっちを見る、ヒカリは茂みの中に向かって優しく声をかける。
「怖くない、怖くないのよ。何もしないから、出ておいで」
茂みに隠れていた誰かは恐る恐る出てきた。
その姿を見た、パルモンとミミが駆け寄る。
「あなた、チューモンじゃない!」
「本当だわ! ファイル島に居たチューモンだわ」
「ミミちゃん……パルモン……良かった、戻ってきてくれたんだ」
チューモンは2人を見てそう呟くと、その場に倒れてしまった。
その間に太一とヤマト、ゴマモンが丈を助けた。
皆はミミの膝の上に居る、チューモンの周りを囲む形となった。
「ミミの顔を見てホッとしたみたい」
「気力だけで支えていたのね」
「可哀想に」
その時、チューモンが身動きしたかと思うとゆっくりと目が開いた。
ミミはチューモンを抱き上げ目線を合わせた。
「チューモン……」
「ミミちゃん……やっぱり本当のミミちゃんだ」
「そうよ、一体何があったの?」
チューモンは目を伏せた。
「仲良かったスカモンは?」
「あいつは、死んじまったんだよ」
チューモンは涙を流した。
「ミミちゃん達がファイル島から去った後、俺達はこれまで通り平々凡々と暮らしていたんだ。ところが、ある日突然、暗黒の力が世界を覆っていった。そして暗黒の力は自分達が支配しやすい様に世界を作り変えていったんです」
「世界を作り変えたって……」
「どんな風に?」
そう聞くと、チューモンは恐ろしいモノを思い出すかの様に、怯えながらも答えてくれた。
「所々に昔の残骸が残ってるけど、殆どはあの山に組み込まれてしまったんだ」
子ども達をその山が見える所まで案内してくれた。
その山は水や緑、などが捻じれて塔の様に長い形をしていた。
「スパイラルマウンテンって呼ばれてるんだ」
「スパイラルマウンテン、か……」
「デジモン世界がこんな風になっちゃうなんて」
子ども達はその山を見つめるしかなかった。
「他のデジモン達はどうなっちまったんだよ、レオモンとか」
「分からない、でも逆らう奴は全部倒すみたいな事言ってたから」
チューモンはミミの腕の中で怯えた。
「誰が?」
「ダークマスターズ……」
「俺達が戦う相手は、そのダークマスターズって事か」
「戦う!? とんでもない、かないっこない!」
チューモンは声を大にして言った。
「俺達はあのヴァンデモンさえ倒したんだぜ」
「大丈夫よ、選ばれし子どもが9人揃えば世界は救えるんだから」
その時、どこからか不気味な笑い声が聞こえてきた。
「ふはははは、選ばれし子ども達、待っていたぞ」
地面から水飛沫が上がり、龍の様なデジモンが現れた。
「メ、メタルシードラモンだ!」
メタルシードラモンは子ども達に襲い掛かってきた。
子ども達は必死に走って、メタルシードラモンから逃げるも、メタルシードラモンの動きは速く、子ども達の近くを通っただけで、子ども達は飛ばされてしまった。
「デカイくせいに、何てスピードだ!」
「ヌイモン、頑張って!」
「任せて」
「クダモン!」
「ああ」
ヌイモンはフェアリーモンに進化し、クダモンはレッパモンに進化し、他のデジモン達も進化しメタルシードラモンに攻撃を加えるも、ダメージは与えられず反撃されデジモン達は倒れる。
「ふはは、私に敵うものか」
メタルシードラモンは空を旋回していた。
「何で!? 10対1なのよ?」
「メタルシードラモンは究極体デジモンです! いくら10対1でも成熟期では敵いません!」
流紀と雷也はそれぞれフェアリーモンとレッパモンの所へ行った。
「究極体……」
子ども達はヴェノムヴァンデモンくらい強い、いやもっと強いかもしれないと恐怖した。
「究極体だって?」
「なんでそんな強い奴が、いきなり出て来るんだよ!」
「止めだ、アルティメットストリーム!」
子ども達は地面が割れ白い空間へと、デジモン達に支えられながら落ちていった。
落ちた先は、広くて霧がある場所に居た。
「流紀、大丈夫⁉︎」
「うん。フェアリーモンありがと!」
「雷也も大丈夫かい?」
「うん!」
その時エンジェモンが何かに気づくも、その何かに攻撃を当てられパタモンに退化してしまう。
「パタモン! パタモン、しっかりして!」
子ども達はタケルのそばへ行き、攻撃された方を見ると、霧の中から大きくて全身が機械で出来ているデジモンが現れた。
「あ、あいつは、究極体デジモン、ムゲンドラモンです」
「またなの!?」
「でも、負けないよ!」
子ども達の紋章が光り、デジモン達は進化した。
だがニンファモン達は攻撃を喰らってしまった。
そして子ども達がいる地面がまた割れた。
子ども達は何もない空間に落ち途中で止まった。
「止まった……」
「どうなってるの?」
「ここはどこ?」
その時、ワーガルルモンとガルダモンがお互いを殴りあった。
「何やってるんだ、ワーガルルモン!」
「やめて、ガルダモン! 味方同士なのよ?」
「あたしの意思じゃない」
「身体が、身体が勝手に動いてるんだ!」
空と丈が変な動きをした。
その時、光子郎が何かに気付いた。
「あ、糸が付いてる、操られているんだ」
「んふふふん、やっと気付いたみたいだねえ」
「何者です!」
「僕の事なら得意のパソコンで調べればいいじゃないか、ほら」
そう言うと、光子郎は自分の意思とは関係なくパソコンを操作し始めた。
「ああ! こいつも究極体です! ピノッキモン」
「もう、なんで究極体が次から次へと出てくるのよ!」
「さあ、ラストステージへ飛んで行け!」
ピノッキモンがそう言った時、子ども達は引き上げられどこかへ飛ばされた。
子ども達は眼をあけるとそこは、コロッセオみたいな所にいた。
すると真ん中の広い所に大きいボールに乗ったピエロが現れた。
「よい子の皆! 今日はとっても面白い話を聞かせてあげよう」
ピエロはそう言うと、どこからか紙芝居の様な物を出す。
そこには子ども達が描かれていた。
「昔々、ある所に10人の選ばれし子ども達と10匹のデジモンが居ました。10人と10匹は愚かにも、スパイラルマウンテンに上ろうとしました」
ピエロは紙芝居を一枚捲る。
「そして、ダークマスターズにやられてしまいました。お終い」
また一枚捲り、そこには私達が落ちている所を描いた物だった。
「なに、それ! 全然面白くないよ!」
「むしろ、不愉快だよ!」
「君達のこれからの運命を教えてあげたのです。感謝してほしいものですねえ」
ピエロは突然姿を変えた、白と黒の仮面をつけたピエロの様なデジモンになって、一つの柱の上に立った。
「うわわー! ピエモン!」
「お前らなんかに負けてたまるか! アグモン!」
「ガブモン! 頼んだぜ」
アグモンとガブモンはウォーグレイモンとメタルガルルモンへ進化した。
「行けー! ウォーグレイモン! 俺達の力を見せ付けてやれ!」
「メタルガルルモン、あいつを倒して、世界を救うんだ!」
ピエモンは2人の攻撃を軽く交わし、2人に攻撃を与えたら2人は、アグモンとガブモンに退化し子ども達の近くに落ちた。
「そ、そんな……」
「究極体が2体で掛かって行っても、敵わないって言うの?」
「敵も究極体なんでしょ?」
子ども達はそれを唖然と見ていた。
「同じ究極体と言っても、あなた方は進化出来て間がない、勝てると考えるのは大きな間違いです。では、この辺で私達ダークマスターズのメンバーを紹介しましょう」
そう言うと地面からメタルシードラモンとムゲンドラモンが現れ、空中にピノッキモンが現れた。
「僕としては、もう少し楽しみたかったんだけどね」
「そして私ピエモン、楽しい時間とは瞬く間に過ぎて行くものです。さーて、誰から終わりにしましょうか……」
その時、ミミが突然大きな声を出す。
「嫌、嫌よ。私、普通の小学生だったのよ! 何でこんな所で死ななきゃいけないのよ! もっとお洒落して、もっと美味しいもの食べて、海外旅行とかもして、それから……」
「少々、耳障りですね。ではあなたからにしましょうか」
ピエモンは袖からナイフを出し、その手を振り下げミミに向かって投げた。
だがそのナイフはチューモンが飛び出して、チューモンに当たる。
ミミはチューモンに近づき抱き上げた。
「チューモン、シッカリして、ねえ!」
「ミミちゃん、今度生まれ変わったら、デート、して……」
「はっ、チューモン!」
チューモンはそう言ったら消えてしまった。
「愚かなデジモンですね、そんなに死に急ぐ事はないでしょうに……」
「くっそー! お前達、絶対に許さねえぞ!」
だが、ダークマスターズ達は笑い続けていた。
その時……。
「ピットボムー!」
と聞こえたかと思うと、それが光りを放った。
子ども達はピッコロモンの見えない結界の中に居た。
「ピッコロモン、会いたかったよ!」
「私もだっピ」
「結界を作って、敵に見えない様に接近したんですね?」
「そうだっピ!」
その間にも結界ごと子ども達は移動していた。
「ピッコロモン、俺達は10人揃えばこの世界と地球を救えると信じて戦ってきた、なのに……」
「確かに人数は揃ったっピ! だがそれだけではまだ勝てないっピ」
「あたし達に何が足りないの?」
「教えてくれ」
「残念ながら、その時間がないっピ」
その時、私達を守っていた結界が何かで揺れた。
ダークマスターズに私達は見つかってしまった。
「私がやつらを食い止めるっピ、その隙にスパイラルマウンテンに向かうっピ!」
「食い止めるって、あいつら全部究極体だぞ!」
「分かってるっピ、勝つのは無理にしても、いくらでも手はあるっピ」
私はそんな事を言うピッコロモンを不安げに見た。
「だったら俺も!」
「バカもん! お前達はこの世界の最後の希望だっピ!」
「ピッコロモン……」
その時、メタルシードラモンが結界に攻撃した。
ピッコロモンは結界の外へと出た。
「お前達ならきっと見つけられるっピ、足りない何かを! そうすれば必ず勝てるっピ! 行け、選ばれし子ども達よ!」
そう言うと、ピッコロモンは結界を槍で押し、遠くへ飛ばしていった。
その時コロッセオの方から黒い光りが放たれた。
「今、ピッコロモンが死んだわ……」
子ども達はその言葉に息を呑んだ。