デジモンアドベンチャー 光子郎 ヒカリ
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流紀達は今、森の中を歩いている。
「あ、あれはフライモンよ!」
「ピヨモン進化よ」
「うん」
「ヌイモンは今回は進化なしね」
「わかった」
バードラモンがフライモンを倒した。
すると太一達がきた。
空が走り出したので流紀達も走り出す。
「まてよ、空、流紀!」
だが太一に先に周り込まれてしまい、足を止めた。
「空、流紀……」
「なんで逃げるんだよ」
後ろを向くとヤマトとタケル雷也が来ていた。
「説明してくれよ、2人共」
「2人共、僕達の事嫌いになっちゃったの?」
流紀と空は首を横に振った。
「そうじゃないよ」
その時ピヨモンがきた。
「空、話てあげたら?」
「あたしと流紀ちゃん達とで、太一を探しに出かけたあの夜……あたし達見てしまったの、ピコデビモンが誰かと話てる所を」
「なんの話だったの?」
「私達の紋章の話」
「紋章?」
空が続きを話た。
「そう、あたし達の紋章には、それぞれ意味があったの、例えば太一のは”勇気”の紋章」
「勇気の紋章? そうか、それであの時、紋章が光ったんだ」
「ヤマトくんは”友情”の紋章」
「僕のは?」
「タケルくんのは”希望”の紋章よ」
「へえ、希望の紋章か!」
「光子郎くんは”知識”の紋章、丈先輩は”誠実”の紋章、ミミちゃんは”純真”の紋章、流紀ちゃんのは”親愛”の紋章、雷也くんは”心”の紋章、そしてあたしは”愛情”の紋章」
「へえ、愛情だなんて、空らしいじゃん」
太一のその言葉に空は声を荒げた。
「そんなことない! そんなの全然あたしらしくなんかない!」
「だ……だってよ空はいつも皆の事を考えて」
「皆の事なんかどうでもいいの! 本当の……本当のあたしの事なんか何にも知らないくせに、勝手に決め付けないでよ! はっ、ごめんなさい……」
空さんは言い終わったら俯いてしまった。
「ど……どうしたんだよ」
「あたしの紋章……光らないの、あたしには愛がないから……」
「愛がないってどういうことなの?」
空は座り込んでしまった。
「俺全然わかんね! まったく女ってのは面倒だよなあ」
「茶化すな太一!」
「ピコデビモンに言われたの」
空はあの日言われた事を説明した。
「バカだなあ、ピコデビモンの言う事なんか、嘘に決まってるじゃんか」
「ううん、嘘じゃない、あれはあたしが女子サッカークラブに居た頃……そこであたしはエースストライカーだったわ」
空は家の事を話てくれた。
「空の家って確か華道の…」
「そう家元なの」
「何? 家元って?」
「お花の先生ってことさ」
また空が話始めた。
「結局その試合は、酷い負け方だった、あたしはそのクラブに居られなくなったわ、お母さんはあたしを華道の家元の娘としか見てないのよ、あたしより家元としての立場が大切なの、そういう人なの、だから愛情を知らずに育ったって言われても、しょうがないのよ!」
空さんは立ち上がりタグを投げようとした。
太一さんがそれを止める。
「よせよ空!」
「放して!」
「例えそうだとしても、ピコデビモンの言う事なんか、信じることねえだろ!」
空さんは泣き出してしまった。
「おい、泣くなって、なあヤマトこういう時って、どうすりゃいいんだよ?」
「泣きたい時は、泣かせてやれよ」
「空さん、流紀さん、ありがとう」
「「え?」」
「教えてくれたんだよね? キノコ食べちゃダメだって」
「あたしたちピコデビモンが、何か企んでると知って、こっそり後をつけたのヤマトや丈が、デジタマモンのレストランで働かされてる時だって……」
ピヨモンが私達の変わりに説明してくれた。
「知らなかった……」
その間もピヨモンが説明していた。
「ボク、空さん大好きだよ、だからもう居なくならないで、僕もう嫌だよ皆がバラバラになるの、それに流紀さんの事も大好きだよ?」
「うん、分かったごめんね」
「空の事は分かったけど、流紀の理由はなんなんだ?」
太一さんが私を見ていう。
「流紀はね……」
「私が説明する、私もピコデビモンに言われたの紋章は光らないって、本当の親愛を知らないからって!」
「きっとウソだよ!」
「そうだよ流紀さんきっとすぐ光る様になるよ」
「うん!」
タケルと雷也に流紀は笑顔をみせた。
その時遠くから丈さんの声が聞こえた。
「おーい!」
「おう! 遅かったじゃんか」
子ども達は全員揃った所で夜になったので寝る事にした。
子ども達は広い開けた場所で寝ていた。
「ピコダーツ!」
「流紀危ない!」
流紀はヌイモンの声に起きた。
「ヌイモン! しっかりしてヌイモン!」
ヌイモンに刺さった注射器を外しながら声をかける流紀。
「流紀は、ぼくが、守る……」
「あー! ピコデビモンだ!」
「な……なんだ?」
空高くからデジモンがこっちに飛んできた。
その時デジモンが落ちてきた。
「選ばれし子ども達よ」
「こいつよ、ピコデビモンが通信してたのは!」
「こいつではないヴァンデモン様だ」
「ヴァンデモン?」
「ヴァンデモン様だ!」
ピコデビモンは一々訂正した。
「フフフ…お前達の旅もここで終わりだ、ナイトレイド!」
「行くぞ皆」
皆で攻撃した。
イッカクモンがヴァンデモンに攻撃するも効いていなかった。
「これで勝ったつもりか! ブラッディストリーム!」
ヴァンデモンがデジモン達に赤い鞭の様な物で攻撃した。
「ぼくが行かなきゃ……」
「そんな身体で何言ってるのヌイモン!」
「ぼくが行かなきゃ駄目なんだ!」
「ヌイモン……分かったあなたの親愛を信じる!」
「ヌイモン進化フェアリーモン! ……ライトボール!」
「ピヨモン進化バードラモン! ……メテオウィング!」
「ブラティストリーム!」
「フェアリーモン!」
「バードラモン!」
「フェアリーモン超進化ニンファモン!」
「バードラモン超進化ガルダモン!」
「ええい、肝心な所で愛情と親愛の紋章まで発してしまうとは!」
「流紀はぼくが守る! ニンファ旋風!」
「空はこの私が守る! シャドーウィング! さあ今のうちに!」
「流紀はこっち!」
子ども達はガルダモンの手の平に乗り、流紀はニンファモンの腕の中へそしてヴァンデモンから逃げた。
子ども達は安全な川の近くに居る。
「な! 気にしなくても、ちゃんと紋章光ったじゃないか」
「うん! 太一さんの言う通りだった!」
「気がついたらあたし、お母さんと同じ事してた、それで分かったの、お母さんの愛情が」
「あたしも感じたよ空の愛情」
「ごめんね」
「何時もの空に戻ってよかった!」
太一さんはまた冗談をいう。
「あーあ、俺も空の愛情が欲しい」
「バカ、太一!なんて事言うんだ」
「あれ、丈さん真っ赤」
「丈先輩、あたしの愛情あげよっか?」
ミミさんは木の実を丈さんにあげた。
「ミミくん、君ね……」
子ども達はそれに笑った。
だけどその時…。
「ハッハッハッ」
「あの声は!」
「選ばれし子ども達よ、お前達9人の力だけでは、われらが闇の力の拡大を阻止する事は出来ないのだ」
そう言ったらもうヴァンデモンの声は聞こえなくなった。