デジモンアドベンチャー 光子郎 ヒカリ
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「これが?」
「ええ、エテモンが僕達の居場所を知る為のネットワークに違いありません」
至る所にあったケーブルは、エテモンが使っている物らしかった。
「そ、それじゃ僕達がここでこうしてるのも、探知されてるんじゃないのか?」
「えー! じゃ早く逃げなきゃ」
「逃げましょ、逃げましょ」
「まあまあ、落ち着いて」
「此処で逃げても、すぐまた感知されるだけだ」
子ども達は光子郎がパソコンを使っているのを見ていた。
「何してまんのや?」
「やっぱり! エテモンのネットワークの情報です、他にも何かつかめるかもしれない」
「なあに? このマーク」
タケルが光子郎のパソコンの画面を見て言った。
「ん…メール? でも誰から?」
「まさか、敵からじゃ!」
「開けてみろよ、光子郎」
「はい」
光子郎はメールを開く事にした、そこには大きく”助けて”の文字があった。
「助けて?」
「私を助けてくれたら紋章のありかを教えよう」
「紋章だって?」
「何者なんだ一体……」
子ども達は話合いの結果、メールに書いてある場所に行ってみる事にした。
「どうするんだ? それがもし敵の罠だったら」
「でもゲンナイさんみたいに味方かもしれないし」
「見捨てるわけにもいかねーだろ」
丈の心配そうな声に、ミミと太一が言葉を返す。
光子郎は、パソコンから顔を上げ、流紀と雷也を見てきた。
「流紀さんと雷也くんはいいんですか?」
「「え?」」
2人は首を傾げていると光子郎はこう言ってきた。
「だって、流紀さん達の紋章かもしれないんですよ?」
「そうだよ、紋章が見つかってないのは、流紀達もじゃんか!」
光子郎との会話が太一にも聞こえていたみたいで、太一も不思議そうに2人の方に目線を向けた。
「あの……」
「言い忘れてたみたいだけど……」
「流紀の紋章はもう手に入ってるよ」
「雷也の紋章も」
2人が言おうとしていたのをヌイモンとクダモンが言った。
ヌイモンとクダモンのその言葉に、皆一瞬固まった。
そして皆一斉に身体ごと向きを変え大きな声を上げた。
「「「えええー!」」」
「「うわぁ」」
「うるさいよ」
その後、2人の元に詰め寄る。
「い、いつ手に入れたんだ⁉︎」
「ど、どこで⁉︎」
ヤマトと光子郎が、2人に少し近づいたから、思わず後ずさる。
その間にヌイモンが入ってきてくれた。
「この前ヤマトと光子郎が紋章を探しに行ってた時だよ!」
「ピッコロモンがくれたの……ね、雷也」
「うん!」
「見せて、見せてー」
2人は服の中に入れてたタグを出してミミに見せた。
「本当だー!」
その時、タケルのタグが光った。
「光った!」
「近いな」
「あ! タケルこっち! あれだよ紋章!」
トコモンが見ている方を見ると、紋章らしき大きい石版があった。
子ども達はその石版に走って近づいた。
すると眩い光りをはっし、紋章がタケルの持つタグへと入って行った。
「僕の紋章だ!」
「やったねタケル」
「どうやら罠じゃなかったみたいだな」
「残り一つの紋章は助けてくれた後に、場所を教えてくれるそうです」
空のは助けたら教えてもらえるらしい。
「よし! じゃあ、早速助けに行こうぜ」
「あっ、あれ!」
ミミが見ている方を向くと、ちょっとした洞窟になっていて、しかも壁一面に不思議な文字が書かれていた。
子ども達はその中に入って行った。
「間違いありません、アンドロモンの町やケンタルモンの遺跡で見たのと同じ文字です、違うのはこの文字だけ」
光子郎はそう言って、壁の一文字を手の平で消したら、洞窟の中が明るくなった。
「やはり……ここではエネルギーがプログラムによって発生してるんです」
「え? どういうこと?」
「つまり、こうやって壁に書いてあるだけのプログラムを書き換えるだけで、電気を付けたり消したり出来るんです、多分此処もこうすると……この付近の地図ですね」
光子郎がまた、壁の文字を触ったら空中に地図が出てきた。
「光子郎さんはやっぱり凄い!」
「いや、そんな……」
「そんな壁に書いたプログラムでそんな事が出来るなんて、コンピューターの中じゃあるまいし」
「分かりませんよ、ここは……この世界全体はデータやプログラムが、実体化した世界なんじゃないかって、僕は思ってるんですよ」
「そう言えば前にも、そんな事言ってたな」
子ども達は首を傾げながら聞いていた。
「ここがデータの世界って事はあたし達自身も?」
「ええ、実体の無いデータのみの存在です」
「実体がない? 生身の肉体じゃないって事か?」
「それって幽霊みたいなもの?」
「近いかもしれません」
子ども達はさっきから難しい話で頭が混乱しそうになっている。
その間にも話は進んでいた、本当の自分はまだキャンプ場に居るかもしれないとの事だった。
「デジモン達は、まさにデジタルモンスター、データ上の存在だったというわけです」
「じゃここは、ゲームの中みたいなものなの?」
「そこまで簡単じゃあないけど……」
「メールの差出人もデータなのかな」
「さあ、どうでしょう、え? ちょ……ちょっと待ってください、今皆にわかる様にします」
光子郎さんはそう言ってパソコンを弄りだした。
その時、空中にあった地図が球体になった。
「全体が見えるように調整しました、これにアンドロモンの町で見たプログラム、それにゲンナイさんから貰った地図を合わせると……」
「広い世界だな地球と同じくらいある」
「むしろ、まったく同じなんです、さっきのメールのアドレス、つまりメールを出したコンピューターの場所は……あそこです、そこは僕がよく見に行っていたインターネットのホームページのある場所です」
球体の地図に赤い点がでる。
「え? どういう事だ」
「メールはあたし達の世界から、きたって事?」
「それだけじゃありません、あれが僕達の地球、そしてそのネットワーク、この世界の物と重ねると……」
「ネットワークの形がまったく同じ……」
「ここはデータだけの世界……つまりゲームやコンピューターの中と同じ世界なんですが、地球から遠く離れたどこかという訳じゃなく、僕達の地球のコンピューターネットワークそのものなんです、つまりこのデジモンワールドは僕達の世界と同じ場所にある、地球の影と言ってもいい世界なんです」
「地球の……影」
流紀はポカンと口を開けた。
「ここは……地球だったのか!」
「え?じゃあすぐに元のうちに帰れるの?」
「いや、そういうわけじゃないんだ、すごく近いけど、ここは地球その物じゃない」
「ますます、どうしらいいのか分からなくなった…」
丈が座り込みながら言った。
「もう、なに言ってんだよおいらがついてるじゃないか」
「空よく分かんなかったけどすぐに戻っちゃうの?」
「ううん、あたし達がこの世界でやらなきゃいけない事があるみたいだらか、それが終わるまでは戻れないわ」
「そうだな、とにかくメールの差出人を助ける事が先だ! 次はどこに行くんだ光子郎?」
「それは……メールについてきたプログラムを実行すると……」
光子郎がまたパソコンを弄りだした、すると空中の地図が消え、奥の壁が無くなりそこには外の景色が見えていた。
「今度はなにが起きたんだ」
「あの外に差出人がいるはずです」
「え?こんな近くに?」
「いえさっきのプログラムで空間を繋いだらしいんです」
子ども達はその外を見る為近づいて行った。
そこには一面が砂で砂漠が広がっていた、近くには逆さまのピラミットがあった。
「あ、あれはエテモンだ!」
太一さんが単眼鏡で遠くを見た。
子ども達はタケルくんの紋章があった場所で夜をすごした。
翌朝、子ども達は砂漠の方に行く出口で話ていた。
「ピラミッドには、普通は見えない隠し通路があるそうです」
「今回はあくまでも差出人を助けて、空くんの紋章を手に入れる事が目的だからな、余計な戦闘は絶対しない様に」
「分かってるって」
「皆気をつけてね」
「無理、しないでね……」
「じゃ、行ってくるぜ」
太一、丈、光子郎、空がピラミッドの方に向かって行った。
「「いってらっしゃーい」」
雷也とタケルは太一達に手を振った。
暫くするとピラミッドの方が騒がしくなった。
「戦闘だ!」
「じゃあ助けに行かないと!」
「行きましょう!」
子ども達はピラミッドの方に走っていた。
「こっちだ」
ヤマトが場所を突き止め、ガブモンとパルモンが進化して太一達の方にいった。
流紀と雷也、タケルが待っていると空以外が戻ってきた。
「そうか……空とピヨモンは攫われたのか」
「ちっくしょう……!」
太一さんは座り込み涙を流していた。