デジモンアドベンチャー 光子郎 ヒカリ
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子ども達は今寒い森の中を歩いていた。
「寒いよぉ」
「しおれそー」
「約2匹やけに元気だよな」
丈は羨ましいのか、ゴマモンとガブモンを一瞥する。
「まあ、でも寒いのもわるかないよな」
「そんな……勘弁してください」
「私も光子郎さんに賛成ー」
流紀は嫌だと顔に出す。
「だって、雪が降ったら雪合戦出来るぜ」
「「雪合戦!」」
「何? その雪合戦って」
「なんやそれ? 食べもんかいな」
パルモンとテントモンが首を傾げる。
「違いますよ、雪合戦と言うのは、雪玉をぶつけ合う遊びの一種ですよ」
「なんや……」
「久しぶりに勝負出来るな」
「負けないぜ」
子ども達は各々に雪が降ったらどうするか言い合った。
その後少し歩いたら、雪が一面積もっていた。
「ほら見ろ、僕の心配した通りだ」
「これからどうするの?」
「とりあえず先へ進む、ここでボケッとしててもしょうがないだろ」
流紀と雷也はその後走り出し雪を触りだした。
「雪だー!」
「雷也、楽しいのかい?」
「うん、楽しいよ! ねぇ! お姉ちゃん、雪だるま作ろうよ!」
「いいね! 作ろう!」
「流紀雪だるまって何?」
ヌイモンが雪だるまとは何かを流紀に問う。
「雪だるまって言うのはねー……」
「温泉だあ!」
流紀が雪だるまについて説明しようとした時、丈が温泉といった。
「「「温泉!」」」
子ども達は一目差に湯気が出ている所に向かった。
「って……これ沸騰してるぜ」
「これに浸かるんかいな?」
「まさか……」
子ども達の目の前にあるのは赤紫色のボコボコいっているお湯。
完璧に沸騰してる温泉に子ども達は落胆した。
「呑気な事言ってる場合か? 食料はどうするんだよ! ここには食料なんて……」
「あるよ……」
「何言ってんだよ、こんなゴツゴツした、岩だらけの所に……」
「ほらぁ」
「ホントだー」
タケルの指差す方に目を向けると、冷蔵庫があった。
「なんでこんな所に冷蔵庫が?」
冷蔵庫の中には卵が大量に入っていた。
「今日の夕食はこれで決まりだな!」
「ちょ……ちょっと待てよ、食べられるかどうか分からないじゃないか」
「クンクン、変な匂いはしないから、安全かも?」
流紀が卵の匂いを嗅ぐ。
「大丈夫だよ、毒味だったら俺がやるからさ」
「何言ってんだよぉ、食べられるにしても、人の物を勝手に食べるなんて、泥棒と変わりないじゃないか」
「仕方ないだろ、腹減ってるんだから」
「事情を話せば分かってくれるわよ」
「何しろ非常事態ですからね」
「夕食はこれで決まりや!」
子ども達は手分けして夕食の準備を始めた。
「空さん、こんな感じ?」
「うんうん、流紀ちゃん上手いじゃない」
「えへへ」
大きくて平らな岩を鉄板代りにして、流紀と空は目玉焼きを焼いていく。
ヌイモンは火の調整を、ピヨモンは火に風を送っている。
「雷也くん、もう出来たかな?」
「いいんじゃない? 上げてみよう!」
パタモンが蔦を引っ張る。
「「……出来たー!」」
そこにはゆで卵が出来ていた。
そして夕食の準備が出来た。
「「「いっただきまーす」」」
子ども達は大きくて平らな岩をテーブルにして、ご飯を食べ始めた。
「うん、うまい!こんなまともな飯って久しぶりだよ」
「これで白いご飯でもあれば、言うことなしだな」
「ホカホカご飯に、ゆで卵」
「うん、いいわね」
「なんだ丈、食べないのか?」
「うちに帰れば、こんな苦労しなくていいんだなぁと思ってさ」
子ども達は丈の言葉に顔を俯かせた。
「ねぇ皆、目玉焼きには何かけて食べる?」
空は空気を変えようと明るい声で問いかけた。
「目玉焼きには塩、胡椒って決まってるじゃないかあ」
「俺、醤油」
「私達も醤油かな、ね?」
「うん!」
流紀が雷也にそう言う。
「マヨネーズ」
「あたしはソース」
「僕はポン酢を少々」
光子郎の言葉に子ども達は苦笑いした。
「えぇー皆変よお! やっぱり目玉焼きって言えばお砂糖よね! 私その上に納豆乗っけたのも大好き」
「納豆……」
「それ変すぎだよぉ……」
光子郎の上をいくミミの言葉に子ども達は顔を引攣らせる。
「えー、皆は目玉焼きにはそんな変な物かけるのか? ショックだ日本文化の崩壊だぁ!」
「何訳の分からない事言ってんだよ」
「そこまで悩むか? 普通、まっ納豆は悩むかもしれないけどな」
「だって目玉焼きには、塩、胡椒だもの、ソースでもマヨネーズでもなく、塩と胡椒!」
「やれやれ、丈は融通がきかないなぁ」
「なんだとぉ!」
「だってそうだろ? どうでもいい事で悩むし」
「僕のどこが融通がきかないんだよ!」
それから丈とゴマモンの言い争いが始まった。
「お……おい、丈。落ち着けよ!」
「うるさい! 僕は落ち着いてるよ何時だってね!」
「今日はどうかしてるぞ、疲れてるんじゃ……」
「疲れてなんかないよ、どうかしてるのは、皆の方だ!」
丈はそれから流紀達の側から離れていった。
「何度も同じ事言わせるなよな!」
「ダメだ、危険すぎる!」
「考えてたってしょうがないだろ!」
今度は太一とヤマトが口論し始めた。
「オレは"少しは考えろ"って言ってんだよ」
「じゃあ、何か? オレは何も……」
「おい、どうしたんだよ、何揉めてんだ? あの2人」
その時、丈が帰ってきた。
「ムゲンマウンテンに、行くか行かないかで揉めてるんです」
「ムゲン……マウンテン?」
「あの大きな山の事や」
「太一は"あそこに行けば全体が見渡せる"って」
丈はそのムゲンマウンテンを見上げた。
「確かにあのくらい高い山なら、全体を見渡せる」
「でも、ヤマトは"危険だから"って、反対してるのよ」
「あの山には凶暴なデジモンが沢山居るのよ」
「ふうん、なるほど、それは危険だ」
丈達が話をしている間も、まだ太一達は口論していた。
「なんだよ、そんな逃げ腰じゃ埒が明かないだろ!」
「お前の無鉄砲に付き合わせて、皆を危険に晒すつもりかよ!」
「なんだと!」
「待ってくれよ、2人とも、まずは落ち着いて話合おう、喧嘩しないでさ」
そこで丈が2人の口論に割って入った。
だがそれも意味を成さず、丈まで口論し始めた。
「ストップ! 3人ともいい加減にしてよ!」
空が止めたおかげで口論は止まった。
「今日の所はもう遅いし」
「そろそろ寝る時間だよ」
「続きはまた明日にしようよ」
「他の皆も心配そうだし、ねっ、ほら行きましょう」
空が太一とヤマトを連れていった。
その後を丈以外の子ども達がついていって洞窟の中で寝た。
翌朝流紀達を起こしたのは空の大きな声だった。
「大変! 皆起きて!」
「どうしたの、空さん……」
「丈先輩が居ないの! きっとムゲンマウンテンに向かったのよ!」
「なんだって!」
「俺と空が先に行くから、ヤマト達は後から来てくれ」
「分かった!」
ピヨモンがバードラモンに進化し太一達はムゲンマウンテンに飛んで行った。
「僕達も急ぎましょう」
「うん! そうね!」
「うん! タケルくん行こう!」
「うん!」
流紀達もムゲンマウンテンへと急いだ。