デジモンアドベンチャー 光子郎 タケル
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子ども達はまだ砂漠を歩いていた。
「紋章は手に入ったけど……」
「使い方が分からないんじゃな」
「正しい育て方って言われてもね」
「でもまだ、全部の紋章が見つかったわけじゃないんだ」
「そうですね、紋章を全部集めて、それから考える事にしましょうよ」
「それもそうね」
太一とアグモン以外が集まって紋章の事について、相談しあっていると、前を歩いていた太一達が早く来る様に呼んでいた。
「今ね、デジモンについてのとっても大事な重要会議してるの、すぐ行くからちょっと待ってねー!」
タケルが返事をしたその時、突然太一達がバランスを崩す。
太一達が居るその下から、クワガーモンが現れ、太一達を投げ飛ばした。
「アグモン進化しろ! 進化だ!」
「何やってんだよ、シザーアームズに挟まれたらおしまいだぞ!」
クワガーモンのハサミが近づいてきて、アグモンが挟まれる! という時に太一が来て、危機一髪の所で避けられた。
その時……。
「ビットボム!」
と言う声が辺りに響きわたった。
それに伴い、クワガーモンは黒い煙に包まれ消えた。
子ども達は太一とアグモンの居る所まで近づいていった。
「な……なにが起きたんだ?」
その時、太一の前を歩く度にピッピと言って、歩いてくる丸いピンクのデジモンがいた。
「なにあれ? 変なやつ」
「でも可愛いかも!」
「ピーッ! この未熟者!」
「あー! あなたはピッコロモンね!」
そのピッコロモンと言うデジモンはミミに抱き上げられた。
「可愛い」
「クワガーモンをやっつけたのは、ピッコロモンだったのね」
「ピッピッピーッ、私の魔法の威力見たかっピッ! まったく君達、選ばれし子どもなんでしょ、危なっかしくて見ていられないっピ! そんなんじゃせっかく紋章とタグを手に入れても、宝の持ち腐れだっピ」
ナツキは見た目が可愛いのに、中身が残念で可愛いと言ったのを、後悔していた。
「可愛くない、このデジモン」
ミミも同意見の様だ。
「デジモン達もデジモン達だっピ、君達皆たるんでるっピ、努力が足りないっピ、根性がないっピ!」
子ども達はその言葉に意気消沈した。
「よって君達皆、今日から私の下で修行するっピ、特にそこの君、君とそのアグモンは重症だっピ、スペシャルメニューで猛特訓だっピ!」
「スペシャルメニュー?」
「猛特訓?」
「さあ、ついてくるっピ」
その言葉に子ども達は集まって相談している。
「どうします?」
「信用できるのかなあ、あのデジモン……」
「どうなんだガブモン?」
「口煩いけど、悪いデジモンじゃないよ」
「じゃあ味方?」
ナツキは首を傾げた。
「黒い歯車もケーブルも付いてないみたいだし…」
「いいじゃない、デジモン達の正しい育て方が分からないのは事実だし、それで皆で合宿すると思えば楽しいわよ、きっと」
「それいい考えね!」
「歩くよりのんびり出来そうかな」
「太一はどうなんだ?」
「行ってみようぜ、面白そうじゃんか」
「決まりだね!」
私達はピッコロモンについて行く事にした。
「何をグズグズしてる早く来るピィーッ!」
ピッコロモンの声が遠くから聞こえた。
私達はピッコロモンの後に歩いてついて行っている。
だが歩いても歩いても一向につく気配がない。
「まだー?」
「もう少しだっピ!」
「もう少しもう少しって、さっきからそればっかりー」
「ついたっピ! ここだっピ」
私達はピッコロモンのその言葉に足を止めた。
「ここって……何もないじゃない」
ピッコロモンが突然飛び上がり、槍を回しながら何か呪文を唱えている。
するとそこに、丸い穴が開きジャングルが現れた。
「な、なんだ?」
「驚くことはないっピ、私の結界の中だっピ、さ、ついてくるっピ」
私達はピッコロモンの言った通りに穴の中に入った。
「わあ、ジャングルだ!」
「ねえ、後ろ見て!」
空さんの声に私達は振り返った。
するとそこには大きなデジモンが何かを引っ張ってるのが見え、砂漠を走っていた。
「今度はなんだ?」
「あれはエテモンのトレーラーだっピ、でも心配する事ないっピ、向こうからは結界の中は見えないっピ」
ピッコロモンが言っていた通りトレーラーはそのまま通り過ぎて行った。
「この上が私の家だっピ」
私達の前には数えきれないほどの階段があった。
「この上って…ええ?」
「なによこれー、信じられなーい!」
「これを登るんですか?」
「何段あるのかな」
「数えるだけムダだ」
ナツキとユキナは遥か上を向きこう言った。
「登りきれるかな……」
「あたし、自信ない……」
「ちょっと! 修行はもう始まってるってわけ?」
「そういう事っピ」
子ども達はピッコロモンの言葉に落胆した。
なぜかテントモンに近づくピッコロモン。
「言っとくけど、今後の修行中は空は飛ばないでほしいっピ」
テントモンはその言葉で地面に下りてきた。
「楽する事ばかり考えないで、ピッピと登るっピ」
子ども達は落胆しながら一段一段登っていった。
子ども達が頂上につく頃には夕方になっていた。
「しんどい……」
「頑張るしかないよナツキ」
ロップモンに励まされながらナツキは階段を登った。
「これくらいでバテるとは、情けないっピ、さあ、あれが私の家だっピ」
ピッコロモンが槍で差す方を見ると結構大きい家があった。
「食事の用意が出来てるっピ」
「わっ! メシ?」
子ども達はその言葉に元気を取り戻し、ピッコロモンの家の中に入った。
「ねえ、メシは?」
「うん、その前に次の修行だっピ」
「そんな事だと思った」
ゴマモンは項垂れた。
またピッコロモンは、槍を回し呪文を唱えた。
そしたらバケツと雑巾が人数分出てきた。
「全員でこの床を雑巾がけだっピ」
「ぞ……雑巾がけ?」
私達は広い廊下を見回した。
「えー! この廊下、全部でっか?」
子ども達はブーイングしたがピッコロモンは意に介さず、太一とアグモンの方に向いて、太一達はスペシャルメニューをこなす為にピッコロモンについていった。
「しょうがない……やろう」
「あたし雑巾がけなんか、おうちでだってやった事ないのにー」
「これホントに修行なのー?」
「ただ掃除させられてるだけだったりしてー」
「なんで僕がこんな事……」
テリアモンが怒りながら雑巾がけをしている。
「ご飯のために頑張ろ!」
「頑張るしかない、かぁ……」
子ども達は話ながらも雑巾がけをしていた。
子ども達は廊下の雑巾がけを終え、ご飯を食べたら子ども達は睡魔に襲われ1つの部屋に入り眠りについた。
翌朝、子ども達はバケツを叩く音で目を覚ました。
「こらー、朝だっピ、何時まで寝ぼけてるっピ! しゃきっとするっピ!」
「光子郎はん知りまへんか?」
「ヤマトも」
「ねえ、ピッコロモンお兄ちゃん達は?」
「あの2人は紋章を探しに出て行ったっピ! ふー、じゃさっそく修行するっピー!」
私達は今、座禅を組んでいた。
その時ピッコロモンが何かに気付いた。
「はっ、結界が破られたっピ! ヤマトと光子郎が危ないっピ!」
私達は急いでピッコロモンの後をおった。
私達はすぐにヤマトさんと光子郎さんをみつけた。
「ヤマトー!」
「わてら置いてったバツでっせ!」
その時周りにある大きな朝顔に黒いケーブルが伸びたと思ったら、そこからエテモンのラブセレナーデが聞こえてきた。
「こ、このままじゃ、皆進化出来ませんよ」
「あのデジモンは⁉︎」
「ティラノモンだッピ!」
ティラノモンは子ども達に向かって火の玉を何発も撃ってきたが、ピッコロモンが子ども達を守ってくれていた。
その時ティラノモンの後ろからグレイモンが現れた。
「グレイモンだ!」
「アグモン、進化出来たんだ!」
グレイモンはティラノモンを持ち上げケーブルを壊しティラノモンを倒した。
「ホントにありがとうございました」
「お世話になりました」
「うむ、君達の修行はこれで終わったわけではないっピ、人生全て修行っピ、負けずに頑張るっピ!」
子ども達はその後ピッコロモンの結界から出ていった。