デジモンアドベンチャー 光子郎 タケル
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
いきなり現れたフォログラムの老人。
「ほー、お前達が選ばれし子ども達か。デビモンを倒したとは中々やるのう」
「お前は誰だ⁉︎」
「デビモンの仲間か?」
「敵なの? 味方なの?」
「心配せんでもいい、わしはお前達の味方じゃ」
「あたし達の他にもこの世界に人間が居たなんて……」
「もしかして、人間に似たデジモンかも……」
「じゃがわしは人間であって人間ではない。もちろんデジモンでもない」
「お化けなの?」
マシンガンの様に質問する子ども達に構わず、老人は言葉に詰まる事なく答えていたが、ミミの言葉には言葉を詰まらせ目を逸らした。
「わしの名はゲンナイ、今までデビモンの妨害があって、中々通信が出来んかったが、やっと会えたのう」
「通信ってどこらしてるの?」
「ここファイル島から遠く離れた、海の向こうサーバ大陸からじゃ」
「ゲンナイさんは何時からそこに居るの?」
「わしは最初っからこの世界におる」
「おじいさんがあたし達をここに呼んだの?」
「わしじゃない」
「じゃあ誰が?」
「それは……知らん」
その後も質問するが全て知らないと言った。
「なんだよ頼りになんねーじいさんだな」
「じゃがわしはお前達を頼りにしとるぞ、サーバ大陸に来て敵を倒してくれ、選ばれし子ども達なら出来るはずじゃ」
「来いと言われても、場所が分かりません」
「あっ、それもそうじゃなぁ、今お前のパソコンに地図を送ってやろう」
「でもデビモンより強い敵を倒すなんて、出来るはずないよ」
「確かに……」
「いやお前達のデジモンがもう一段階進化すればそれも可能じゃ」
子ども達はその言葉にパートナーを見た。
「僕達がもっと進化する?」
「その為にはこれが必要じゃ、タグに紋章をはめ込めばデジモンはさらなる進化が出来るのじゃ」
ゲンナイが映っていたのがタグと紋章が映し出された。
「そのタグと紋章はどこにあるんです?」
「さあ……紋章はサーバ大陸のあちこちにばら撒かれてしまったのじゃ、それにタグはデビモンがまとめてどっかに封印……あ……いかん、デビ……の妨害が……」
「なんだって」
「早く……大陸……待って……」
通信が切れた。
「消えた」
「何だったの? 今の」
「さぁ?」
「地図は無事届いたみたいです」
「これからどうする?」
「うん……とりあえず山を下りよう、まずは何か食って決めるのはそれからだ」
太一の言葉に皆は山をおりた。
近くには川が流れている。
ユキナはひとり卵を撫でているタケルの元に行った。
「タケルくん」
「なぁに?」
「ううん、なんでも。ただ、早く孵るといいね」
「うん!」
仲良く卵を撫でている2人。
「さーてメシも食ったしこれからの事決めようぜ」
「ゲンナイさんはサーバ大陸に来いって言ってたけど」
「この地図が正しいとすれば、ここからかなり離れてるはずです」
「あたし25mも泳げないんだもん、そんなの無理」
これからのことに頭を悩ませていると、不意に丈が「行かなきゃ、いけないのか?」とみんなに疑問を口にした。
「この島からデビモンは居なくなった黒い歯車も消えた、ほぼ一周したからどんな場所も大体分かる、水も食べ物も困らない」
「どういう意味?」
「だってゲンナイとかいう奴の事簡単に信じていいのか? 本当にサーバ大陸なんてあるのか?」
「おい、なんだよ! ここに居ても元の世界には戻れないんだぞ!」
「デビモンを倒すのも大変だった、でもさらに凄い敵が待ち受けてるのよね」
「え! 皆行かないの? 私は行くよ?」
「なんだってナツキくん考え直せ!」
太一以外不安がるなか、ナツキが平然と言ってのけた。
「ゲンナイさんの事を信用はまだ出来ないけど。……でも、私達はデジモン達と会って何か変わった気がしない? 私はもっといっぱい知りたい!」
「あたしもお姉ちゃんと一緒に行く!」
「ユキナくんまで!」
「だって海の向こうで暗黒の力を悪用して悪い事していて、もし助けを求めてるデジモンが居たら見過ごす事は出来ない!」
太一以外の子ども達はナツキとユキナの言葉に目をそらす。
「行こうよ」
タケルの言葉に子ども達は振り向いた。
「タケル」
「ユキナちゃんの言う通りだよ……どんな敵が待ってるか分からないけど、やってみようよきっとエンジェモンもそう言うと思うんだ、だから僕……」
「ボク達もいくよ! タグと紋章があればさらに進化出来るんでしょ? そしたらきっと、太一達を守る事が出来ると思う」
それぞれ皆も行く事を決意した。
「よーし決まったな! サーバ大陸へ行こう!」
「「「おー‼︎」」」
翌日子ども達はいかだを作る為デジモンの技で木を切っていた。
「木を切るだけで随分かかりそうですね」
「焦っても仕方ないわ、ゆっくりやりましょう、ん? あー!」
「「「レオモン」」」
子ども達の前にレオモンが現れた。
「サーバ大陸に行くそうだな」
「なんでそれを?」
「噂好きのモンスター達もいるんだ、何か手伝える事はないかと思ってな、頭数なら沢山居るぜ」
今までに会ったデジモン達が続々と集まってきた。
子ども達だけでやっていたより断然スピードも早く完成した。
「出来た!」
「バランスもいいみたいですね」
「こんなんで大丈夫なのか?」
「皆で作ったんだから、大丈夫だよ! 丈さん」
「決めたんだ行くしかない」
レオモンが子ども達の近くに来た。
「お前達ならこんな海ぐらいきっと超えられる」
「ありがとうレオモン君達のおかげだ」
その時デジタマにヒビが入った。
「あ……デジタマが孵った!」
「可愛い」
「よかったねタケル」
「うん、わーい、やったやったー!」
その後、子ども達はいかだに乗った。
「お別れだな」
「「「さようならー、ありがとう」」」
子ども達は海に出た。
「何にも見えない」
太一は単眼鏡で遠くを見ていた。
「海の旅って初めてかも!」
「そうだねお姉ちゃん!」
「僕もだよ」
「あたしも」
「「「楽しいねー」」」
ナツキ達は終始楽しそうにしている。
「どうしたんだ急に」
「風がないのに波が!」
いかだが風に煽られた波に揺れる。
「近くを船でも通ったのかな?」
「船なんかねぇよ、……島だ!」
「違うわ! これは島なんかじゃなーい」
「「「うわああああー!」」」
大きい何かが波を起こしている。
「なんでだ」
「ホエーモンは獰猛なモンスターやけど、何時もは海の底に居るはずや」
「「「うわあああー!」」」
ホエーモンは大きな口を開けて子ども達を口の中に入れた。
「きっとこれはホエーモンの食道です、もちろんレストランという意味の食堂ではありません」
「そんな事分かってるよ」
「やっぱり食べられたんじゃん!」
「どこまで行けば出口なの?」
「出口はお尻でしょう」
暫くして広い所にでた。
「広い所に出たわね」
「ここはどこ?」
「食道の先は胃だと思うけど」
「胃って食べ物を消化する所だよね」
子ども達は胃の中に入ってしまったようだ。
「嫌な予感がする……」
「胃液だ、胃に入った物を溶かす消化液の事です」
「溶けてる」
「落ちるとまずいぞ!」
「早くここを通り過ぎないと危ない!」
胃液がいかだの周りに集まってきた。
「あ! 太一あれ!」
「黒い歯車だ!」
黒い歯車が胃の中にあった。
「あたしに捕まって登って!」
「よーし、俺が行く!」
太一が登って、デジバイスを使って黒い歯車を消した。
「よし、やったぞ」
その時いかだが浮きホエーモンの身体から出た。
子ども達は各々いかだの残骸に捕まって海に浮いている。
「すみません、乱暴な事をして……おかげでやっとすっきりしました」
「ホエーモン、サーバ大陸ってここからどれくらい離れてるか知ってる?」
「はい、私でも5日はかかります」
「かなり遠いって事か」
子ども達は落胆した。
「困ったねいかだ壊れちゃった」
「サーバ大陸へ行かれるんですか?」
「うん、そうだよ」
「黒い歯車を取り除いてくださったお礼に、私がお送りしましょう」
子ども達はホエーモンの背中に乗って移動する事に決まった。
いかだの時とは違い、穏やかな爽快感に子ども達は快適そうにしていた。
「後はデビモンが封印したっていうタグと紋章を見つけられればな」
「デビモンですか」
「何か知ってるのか?」
「タグと紋章というのはよく分かりませんが、前にデビモンが海の中のある場所に、何かを置いていったとか」
「え? その場所は?」
「サーバ大陸へ行く途中にあります、皆さんまた暫く私の身体の中に入っていただけますか」
子ども達はその言葉に従いホエーモンの身体の中に入った。
ホエーモンに連れられて来たのは、海底にある洞窟だった。
「私は先へ進めませんので、ここでお待ちしています」
「ありがとう」
ホエーモンから降りたナツキ達は、薄暗い洞窟を進むと奥の方に、コンビニらしき建物を発見した。
「あ! あれは?」
「コンビニだ!」
するとその手前で黒い歯車をつけたドリモゲモンが現れ子ども達は足を止めた。
「はっ、黒い歯車だわ!」
「やっぱりまだあったじゃないか!」
「デビモン様の命により、ここには誰も立ち入らせん、出て行け!」
「太一ここは僕達に任せて、タグを探して!」
「分かった」
ゴマモンがイッカクモンに進化したその隙にタグを探す為コンビニへ入った。
「皆今のうちだ!」
ナツキ達はコンビニの中をくまなく探した。
タケルとポヨモンがタグを見つけた。
「タグだ」
「ゲンナイさんが映し出したのと同じです」
「素敵!」
「きれーい!」
子ども達はまたホエーモンの背中に乗った。
「紋章はサーバ大陸のあちこちにばら撒かれたって言ってたな」
「うん、タグと紋章が合わされば……」
「僕達はさらに進化出来るんだ」
「ああ! 紋章も必ず探し出す!」
子ども達の胸元には輝くタグが揺らめいたのだった。