デジモンアドベンチャー タケル

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キオナ
02で出る女の子


 「これが?」

 「ええ、エテモンが僕達の居場所を知る為のネットワークに違いありません」

 至る所にあったケーブルは、エテモンが使っている物らしかった。

 「そ、それじゃ僕達がここでこうしてるのも、探知されてるんじゃないのか?」

 「えー! じゃ早く逃げなきゃ」

 「逃げましょ、逃げましょ」

 「まあまあ、落ち着いて」

 「此処で逃げても、すぐまた感知されるだけだ」

 私達は光子郎さんがパソコンを使っているのを見ていた。

 「何してまんのや?」

 「やっぱり! エテモンのネットワークの情報です、他にも何かつかめるかもしれない」

 「なあに? このマーク」

 タケルくんが光子郎さんのパソコンの画面を見て言った。

 「ん……メール? でも誰から?」

 「まさか、敵からじゃ!」

 「開けてみろよ、光子郎」

 「はい」

 光子郎さんはメールを開く事にした、そこには大きく”助けて”の文字があった。

 「助けて?」

 「私を助けてくれたら紋章のありかを教えよう」

 「紋章だって?」

 「何者なんだ一体……」

 私達は話合いの結果、メールに書いてある場所に行ってみる事にした。




 「どうするんだ? それがもし敵の罠だったら」

 「でもゲンナイさんみたいに味方かもしれないし」

 「見捨てるわけにもいかねーだろ」

 丈さんの心配そうな声に、ミミさんと太一さんが言葉を返す。

 光子郎さんは、パソコンから顔を上げ、私を見てきた。

 「キオナさんはいいんですか?」

 『え?』

 良いんですかって……何が?

 私は首を傾げていると光子郎さんはこう言ってきた。

 「だって、キオナさんの紋章かもしれないんですよ?」

 「そうだよ、紋章が見つかってないのは、キオナもじゃんか!」

 光子郎さんとの会話が太一さんにも聞こえていたみたいで、太一さんも不思議そうに私の方に目線を向けた。

 あれ?言ってなかったけ……?

 『あの、言い忘れてたみたいだけど……』

 「キオナの紋章はもう手に入ってんぞ」

 言おうとしていたのをインプモンが言ってくれた。

 インプモンのその言葉に、皆一瞬固まった。

 そして皆一斉に身体ごと向きを変え大きな声を上げた。

 「「「えええー!」」」

 『うわぁ』

 「うるせえ‼︎」

 その後、私の元に詰め寄る。

 「い、いつ手に入れたんだ⁉︎」

 「ど、どこで⁉︎」

 ヤマトさんと光子郎さんが、私に少し近づいたから、思わず後ずさる。

 その間にインプモンが入ってきてくれた。

 「この前ヤマトと光子郎が紋章を探しに行ってた時だよ!」

 『ピッコロモンの所に居たベアモンがくれたの……』

 「見せて、見せてー」

 私は服の中に入れてたタグを出してミミさんに見せた。

 「本当だー!」

 その時、タケルくんのタグが光った。

 「光った!」

 「近いな」

 「あ! タケルこっち! あれだよ紋章!」

 トコモンが見ている方を見ると、紋章らしき大きい石版があった。

 私達はその石版に走って近づいた。

 すると眩い光りをはっし、紋章がタケルくんの持つタグへと入って行った。

 「僕の紋章だ!」

 「やったねタケル」

 「どうやら罠じゃなかったみたいだな」

 「残り一つの紋章は助けてくれた後に、場所を教えてくれるそうです」

 空さんのは助けたら教えてもらえるらしい。

 「よし! じゃあ、早速助けに行こうぜ」

 「あっ、あれ!」

 ミミさんが見ている方を向くと、ちょっとした洞窟になっていて、しかも壁一面に不思議な文字が書かれていた。

 私達はその中に入って行った。

 「間違いありません、アンドロモンの町やケンタルモンの遺跡で見たのと同じ文字です、違うのはこの文字だけ」

 光子郎さんはそう言って、壁の一文字を手の平で消したら、洞窟の中が明るくなった。

 「やはり……ここではエネルギーがプログラムによって発生してるんです」

 「え?どういうこと?」

 「つまり、こうやって壁に書いてあるだけのプログラムを書き換えるだけで、電気を付けたり消したり出来るんです、多分此処もこうすると…この付近の地図ですね」

 光子郎さんがまた、壁の文字を触ったら空中に地図が出てきた。

 「そんな壁に書いたプログラムでそんな事が出来るなんて、コンピューターの中じゃあるまいし」

 「分かりませんよ、ここは……この世界全体はデータやプログラムが、実体化した世界なんじゃないかって、僕は思ってるんですよ」

 「そう言えば前にも、そんな事言ってたな」

 私は首を傾げながら聞いていた。

 「ここがデータの世界って事はあたし達自身も?」

 「ええ、実体の無いデータのみの存在です」

 「実体がない? 生身の肉体じゃないって事か?」

 「それって幽霊みたいなもの?」

 「近いかもしれません」

 わたしはさっきから難しい話で頭が混乱しそうになる。

 その間にも話は進んでいた、本当の自分はまだキャンプ場に居るかもしれないとの事だった。

 「デジモン達は、まさにデジタルモンスター、データ上の存在だったというわけです」

 「じゃここは、ゲームの中みたいなものなの?」

 「そこまで簡単じゃあないけど…」

 「メールの差出人もデータなのかな」

 「さあ、どうでしょう、え? ちょ……ちょっと待ってください、今皆にわかる様にします」

 光子郎さんはそう言ってパソコンを弄りだした。

 その時、空中にあった地図が球体になった。

 「全体が見えるように調整しました、これにアンドロモンの町で見たプログラム、それにゲンナイさんから貰った地図を合わせると……」

 「広い世界だな地球と同じくらいある」

 「むしろ、まったく同じなんです、さっきのメールのアドレス、つまりメールを出したコンピューターの場所は……あそこです、そこは僕がよく見に行っていたインターネットのホームページのある場所です」

 球体の地図に赤い点がでる。

 「え? どういう事だ」

 「メールはあたし達の世界から、きたって事?」

 「それだけじゃありません、あれが僕達の地球、そしてそのネットワーク、この世界の物と重ねると……」

 「ネットワークの形がまったく同じ……」

 「ここはデータだけの世界……つまりゲームやコンピューターの中と同じ世界なんですが、地球から遠く離れたどこかという訳じゃなく、僕達の地球のコンピューターネットワークそのものなんです、つまりこのデジモンワールドは僕達の世界と同じ場所にある、地球の影と言ってもいい世界なんです」

 『地球の……影』

 私はポカンと口を開けた。

 「ここは……地球だったのか!」

 「え?じゃあすぐに元のうちに帰れるの?」

 「いや、そういうわけじゃないんだ、すごく近いけど、ここは地球その物じゃない」

 「ますます、どうしらいいのか分からなくなった……」

 丈さんが座り込みながら言った。

 「もう、なに言ってんだよおいらがついてるじゃないか」

 「空よく分かんなかったけどすぐに戻っちゃうの?」

 「ううん、あたし達がこの世界でやらなきゃいけない事があるみたいだらか、それが終わるまでは戻れないわ」

 「そうだな、とにかくメールの差出人を助ける事が先だ! 次は何処に行くんだ光子郎?」

 「それは……メールについてきたプログラムを実行すると……」

 光子郎さんがまたパソコンを弄りだした、すると空中の地図が消え、奥の壁が無くなりそこには外の景色が見えていた。

 「今度はなにが起きたんだ」

 「あの外に差出人がいるはずです」

 「え?こんな近くに?」

 「いえさっきのプログラムで空間を繋いだらしいんです」

 私達はその外を見る為近づいて行った。

 そこには一面が砂で砂漠が広がっていた、近くには逆さまのピラミットがあった。

 「あ、あれはエテモンだ!」

 太一さんが単眼鏡で遠くを見た。

 私達はタケルくんの紋章があった場所で夜をすごした。




 翌朝、私達は砂漠の方に行く出口で話ていた。

 「ピラミッドには、普通は見えない隠し通路があるそうです」

 「今回はあくまでも差出人を助けて、空くんの紋章を手に入れる事が目的だからな、余計な戦闘は絶対しない様に」

 「分かってるって」

 「皆気をつけてね」

 『無理しないでね……』

 「じゃ、行ってくるぜ」

 太一さん、丈さん、光子郎さん、空さんがピラミッドの方に向かって行った。

 「『いってらっしゃーい』」

 私とタケルくんは太一さん達に手を振った。





 暫くするとピラミッドの方が騒がしくなった。

 「戦闘だ!」

 『じゃあ助けに行かないと!』

 「行きましょう!」

 私達はピラミッドの方に走っていた。

 「こっちだ」

 ヤマトさんが場所を突き止め、ガブモンとパルモンが進化して太一さん達の方にいった。

 私とタケルくんが待っていると空さん以外が戻ってきた。

 「そうか……空とピヨモンは攫われたのか」

 「ちっくしょう……!」

 太一さんは座り込み涙を流していた。
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