デジモンアドベンチャー タケル
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「やったー!おい、皆起きろ、大陸だ、サーバ大陸についたんだ!」
「なんだよ騒々しい」
私達は太一さんの声に起きて、太一さんが指差す方を見た。
「ついに着いたんですね!」
「わーい、着いたんだ!」
『よかったー』
私達はそれぞれ喜んだ。
「キオナしっかり捕まってろよ」
『うん』
私はインプモンと手を繋ぎ、勢いよくジャンプし、無事ホエーモンの頭から降りられた。
「さあ、ミミちゃん勇気を出して!」
「なんでこんな所から上陸しなきゃいけないの!もっとマシな場所なかったの?」
「確かに、ここから少し北の方に、上陸しやすそうな入り江はあるんですが」
「だから皆で相談して、ここから上陸する事に決めたんだ、君は寝てたけど」
「もう! そんな大事な事、勝手に決めないでよーっ! ……いやー!」
ホエーモンは焦れたのか、ミミさんを押しやり上陸させた。
「ではみな様、お元気で!」
「「「グラッチェ!/ありがとう! さようなら!」」」
私達はホエーモンを見送る。
「で、これからどこ行くの?」
「ホエーモンが教えてくれたの、ここから半日ぐらい歩いた、森の中にコロモンの村があるって」
「コロモンやったら、ウチらにも協力してくれるはずや」
「よし!じゃ出発しようぜ!」
「本当に大陸に来たんだ……」
「たく、何分かりきった事言ってんだよ」
「だってこんなに歩いてるのに、全然代わり映えのない景色ばっかりじゃないか」
確かに丈さんの言う通りかも、歩いても歩いても全然変わり映えがない。
「あーあ、陸に上がったら、お風呂に入れると思ってたのに」
「村に着いたら入れるわよ」
その時アグモンが何かに気づいた。
「アグモンどうした?」
「こっちからコロモンの匂いがするんだ」
「なんだって?……森だ」
太一さんはアグモンにそう言われ、単眼鏡で確認した。
「「「えっ! 森?」」」
「コロモンの村がある森か?」
「多分な!」
太一さんはそう言って走り出してしまった、私達も後から追いかける。
「待って、太一」
「太一さーん」
「あっ」
そこには。
「コロモンの村だ」
があった。
「お風呂! キオナちゃんも行きましょ!」
『わわっ』
私はミミさんにコロモンの村まで引っ張られた。
「ちょっとミミ待って」
「キオナ!」
「お風呂、お風呂、お風呂ーっ! ねぇ、お風呂どこ? あれ? コロモンってこんなのだっけ?」
『コロモンはピンク色だよ? ミミさん』
「違うわ、こいつらパグモンよ」
私とミミさんはパグモン達に連れていかれた。
「ミミ」
「キオナ」
「キャー!」
『あ、お風呂!』
「やったー、お風呂だわ、ありがとうパグモン」
『グラッチェ!』
「どういたしまして」
パグモン達はすぐに出ていた。
「さっ、キオナちゃん入りましょ?」
『うーん……ま、いっか!』
私とミミさんはお風呂に入った。
「はぁー、極楽、極楽」
『んー、気持ちーい!』
その時カーテンが開けられた。
「いやー! 何覗いてんのよ、レディが入浴中なのよ!」
『あ、太一さんと光子郎さん……』
「い……いや、そんなつもりは……うわっ!」
太一さんと光子郎さんはミミさんが投げつけた物によって撃退された。
『あーあ』
暫くして私達がお風呂から上がると、パグモン達から歓迎されご飯まで出してもらえた。
「ようこそ、ハイハイ、ようこそ、ハイ! ここはパグモンの村」
私達はご飯を食べていると突然ポヨモンから光りが出た。
「あ、トコモンだ」
「進化したんですね」
「よかったな、タケル」
『よかったね! タケルくん』
私もポヨモンが進化した事に対して喜んだ。
「次に進化したらパタモンだ」
「タケル一緒に頑張ろうね」
「うん!」
「はーい、拍手」
私達はミミの言葉に従い、喜ばしい事に対して拍手した。
そして夜になり私達は眠りについた。
翌朝、私達はトコモンが居ない事に気づいた。
「トコモンが居ない!」
私達は手分けしてトコモンを探す事にした。
「もう、せっかくのんびり出来るかと思ったのに、手間かけさせないでほしいわ」
「今まで1番、手間かけさせてたのは誰だっけ?」
「……丈先輩?」
「君だよ、君!」
私は落ち込むタケルくんに声をかける事にした。
『タケルくん、きっとすぐに見つかるよ、私達見たいにね! だから元気だして?』
「うん、きっとどこかに居るよね……」
「タケルが元気ないと、きっとトコモンも元気なくなるぜ」
「トコモンはまだ小さいですからね、遠くまでは行けるはずないんですが」
「なんだありゃ」
その時、建物の上の方で周りを見ていた太一さんが何かを見つけた様だ。
「どうした太一」
「あっちの方から煙があがってる」
「え?」
太一さんの指差す方に私達が顔を向けると、本当に煙があがっていた。
「なんだ、なんだ?」
「トコモンだ!」
『きっとそうね!』
「そ……そんなはずないよ、あそこの滝はさっき探したから」
「でも、探し終わった後に、あそこに移動した可能性もありますよ」
「俺が見てくるよ」
太一さんが下に降りて来てそう言ったら。
「ダメダメダメ!」
パグモン達に否定された。
「どうして駄目なの? ちょっと見てくるだけよ」
『そうよ』
「うわぁー!」
突然ミミさんの叫び声が聞こえた。
「な……何よこれ?」
「ボタモンや」
「どうしてボタモンがここに?」
「どう言う事だ?」
「ボタモンはコロモンに進化する前のデジモン、パグモンの村に居るはずない」
「それじゃ、ここはやっぱり……」
私は太一さんの言葉を聞いて下を見た。
「ようこそ、ハイハイ、ようこそ、ハイ! ここはパグモンの村じゃないですよ、ハイハイハイ」
「逃げたわ」
「騙しやがったんだな」
『サイッテー!』
私達は皆で急いで滝の方に走って行った。
私達は到着するとアグモンはグレイモンに進化していた。
無事トコモンとコロモン達を助ける事が出来た。
「あー、もしもし」
「なんだこの声は?」
「選ばれし子ども達聞こえる?」
「エテモンだ!」
エテモンって言うデジモンの映像が空に現れた。
「よくもアチキをコケにしてくれたわね! 腹が立っちゃったからこの村ごと消滅させてあげちゃうわ」
「村ごとだって?」
「そんな事出来るわけが……」
「ダークネットワーク!」
その言葉に反応する様に地面からいくつもの、黒いケーブルが浮き上がり、そこから電気が発生し私達の周りを襲った。
「皆、進化よ!」
空さんに言われて、ガブモンが進化したが……。
「そうはさせないわよラブセレナーデ! イエーイ! ラブラブラブラブ」
『ひっどい、歌!』
エテモンの演奏が始まると、グレイモンとガルルモンの進化が解けてしまった。
「どうしたんだよ、皆」
「ち……力が出ないんだ」
「あのラブセレナーデは戦う気力を奪ってしまうんや」
「何か対策はないんですか?」
「今のままやと無理や、もっと進化せな」
「ガルルモン以上に進化しろって事か」
インプモンもバアルモン以上に進化しないとって事なのね……。
「だからゲンナイさんはタグと紋章を手に入れろって言ったのね」
「今更そんな事分かっても遅いよ!」
その時、黒いケーブルから発せられる電気が、私達に襲いかかった。
「皆こっち」
コロモン達の案内で洞窟の奥の方へと行った。
「ここは」
「村に何かあった時はここから逃げろって言い伝えがあるんだ」
「この模様は?」
『なんだろ……⁉︎』
私達の目の前にある模様の入った岩が、どんどん小さくなって、太一さんのタグの中に入った。
「これは……紋章だ!」
「なんだと?」
「紋章が手に入ったんだ!」
「やった」
『やったね、太一さん!』
「見て」
空さんの言葉に前を向くとそこは外に通じていた。
「こ……ここは……」
「僕達の村からずーっとずーっと遠くにある山の中だ」
「じゃあ助かったんだ」
「そうみたいだな」
「よかった!」
「紋章だ、ついに手に入れたんだ、こいつさえあればエテモンなんか怖くないぜ!」
私は太一さんの言葉に少し疑問に思った。
『ねぇ、インプモン。なんか何時もの太一さんじゃない気がするの……』
「……きっと紋章が手に入ってはしゃいでるだけだぜ、大丈夫だ、な? キオナ」
『うん、だといいけど……』