デジモンアドベンチャー タケル
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はーい、ネガテイブ発言したキオナです!
ネガテイブだったのにテンション高いって?
いいの、いいの!
今、私達は森の中をまだ歩いていた。
「なんの音だ?」
機械音みたいなのが聞こえてきて、歯車みたいなのが頭上を通り過ぎていった。
「歯車みたいだったな」
「空飛ぶ円盤じゃないの?」
「歯車型の隕石だったりして」
「なんにしても、いい感じのするもんじゃないな」
歯車の話をしていると、突然タケルくんが転んでしまった。
「いったた」
「大丈夫か?タケル」
太一さんがタケルくんを持ち上げ立たせた。
「痛い…けど大丈夫我慢する」
『我慢しなくてもいいんだよ?』
私はタケルくんが心配で声をかけた。
「そうよ、痛かったら痛いって、言ってもいいんだから」
「うん、本当はちょっとだけ痛い」
「大丈夫?タケル」
「あんさんに言われたないな」
私達はその言葉で笑った。
でも私も足手まといにならない様に気をつけよう。
「さぁ、行きましょうか」
「そうだ泣き言言ったって始まらないからな」
「そうは言っても、どっちに行ったらいいかなんて誰にも分からないし……」
「それは確かにそうだけど……」
私達は同じ景色の森じゃ、どっちに行けばいいのかなんて分からないから困ってしまった。
「あたしは空が居てくれればそれで安心」
「そんな……100%安心されちゃっても、困るんだけどな責任とれないよ」
「100パー?」
「いい、いい気にしなくて」
「責任とれ……?」
空さんとピヨモン以外歩き出した。
「何じゃれてるんだよ」
「余裕だな」
「好きでじゃれてるんじゃないわよ」
空さんとピヨモンが追いついてきた。
「ピヨモンは人懐っこいデジモンなんや」
「なるほど、デジモンによって性格がそれぞれ違うんですね」
「あっ、森から抜けるぞ」
森から抜けて砂漠みたいな所を歩いている。
「これって、テレビで見たアフリカのサバンナってトコに似てる」
「光子郎の見たサバンナって電柱とか建ってたか?」
「いいえ、立ってませんでしたね」
サバンナに不釣合いの電柱が建っているのがとっても不思議……。
「きっと人間が近くに居るんだ、きっと、そうに違いない!」
「えー、でも海岸の公衆電話とか湖の電車みたいな事だってあるじゃん」
「いや、違う! 絶対絶対、人間が居るんだって!」
『丈さんってばもー……』
ミミさんが何かを持って近づいてくる。
「ここは一体どこでしょう? フフフ、ジャーン!」
ミミさんは方位磁石を持っていたが……。
「いやーん、何よこれー」
「砂みたいに見えるけど、これよく見たら鉄の粉だ磁石にくっ付きますよ」
「やっぱりあたし達とんでもない所に、来ちゃったのかしら」
「あーん! ここは一体どこなのー!」
ミミさんの言葉がこだました。
「暑い」
ジリジリと焼ける様な暑さが私達を襲った。
「やっぱり、森の中に居た方がよかったんだよ」
「このままじゃ、全員干上がっちまうな」
「暑いのかゴマモン」
「氷が欲しい、せめて水」
私はゴマモンに水筒の中の水をあげる事にした。
『ゴマモン、私の水筒の水あげようか?』
「いいのか?ありがとうキオナ」
『どういたしまして』
「ぷはー、生き返った」
ゴマモンから水筒を返してもらったら空だった…。
そして私達は一度歩くのを止めた。
「しかし歩いても歩いても、何も見えてこないな本当に森に戻った方がいいかもしれないな」
「ちょっと、待てよっと、んーん? あー、村だ!」
「ほらほら…村だって! やっぱり人間が居るんだよ!」
「なんにせよ、行ってみる価値はありそうですね」
「よし!あの村へ行こう!」
「「「おう!」」」
私達がついた村はピョコモンの村だった。
「あーあ、人間が居ると思ったのに…」
「何もかも、全てピョコモンサイズだぜ」
「これじゃあ、家に入る事も出来ませんね」
「人間は無理か…」
私達はピョコモンサイズの家で泊まる事を諦めた。
「そーら!ピョコモン達が、皆にご馳走してくれるって!」
「ほんとーっ?」
『わーい!』
「あたしお腹ペコペコ」
「一体どんなご馳走なんでしょうね」
確かに!
どんなのだろー?
「噴水がある! 水だ、水だー!」
『水筒に入れよーっと!』
私達は噴水の近くまで来た。
「この辺りは皆、ミハラシ山に水源があるの、とっても美味しいんだ」
「この水があの有名なミハラシ山の美味しい水ですわ」
「『ミハラシ山』」
「「「あの山!」」」
「『あの山』」
噴水から目を離したら、噴水から火柱がたった。
「「あー」」
「そんなー、喉渇いてたのにー!」
「まだお水飲んでなーい!」
『水筒に入れてないのに!』
私は目に見えて落胆した。
「どういう事だ」
「だ……大丈夫! あっちに池があるから」
「行ってみよう!」
「「「こっち、こっち」」」
私達はピョコモンに案内されて池の方に行った。
「「「水がない、水がない、ここに池があったのに…」」」
だが池の水は干上がっていた。
太一さんとヤマトさんが井戸から水を汲もうと、バケツを上げたらなぜか、縄の先が焦げていた。
その時井戸から火柱がたった。
「実は……さっき……ミハラシ山に何か落ちるのを見た」
「ああ、俺達が見たアレか…」
「黒い歯車ですね」
「でもミハラシ山に歯車が落ちたからってどうして…?」
「な、何が起こってるんだよ!」
何が原因でこうなってるのか私には分からなかった。
「この辺りは全てミハラシ山の泉が水源なの、だからミハラシ山に何かあったら水は全部干上がっちゃう、でもミハラシ山にはメラモンがいるの、ミハラシ山はメラモンが守ってくれてるはずなの」
「ミハラシ山だな、見てみようぜ!」
太一さんは単眼鏡で、ミハラシ山を見る。
ミハラシ山の頂上から火柱がたった。
「なんだ!あれ?」
「メラモンが山から下りてくる!」
「どうして…?何時ものメラモンじゃない」
肉眼では炎が徐々に下がっているのしか見えない。
私達はそれを見ている事しか出来ない。
「皆ーっ! 逃げろーっ!」
太一さんの言葉に私達は池のあった場所まで逃げて行った。
私達は干上がった池の中にある船の中に避難していた。
太一さんと空さんはピョコモン達をその中に誘導していた。
「ここに隠れるんだ!」
「早く、早く!」
『太一さん!』
「キオナ、いいから先に行け!」
私は後ろ髪を引かれるが、先に中へと入って行った。
「キオナちゃん、平気?」
『うん、大丈夫だよ……あっ』
私はピヨモンがまだ遠くでピョコモン達を誘導しているのが見えた。
それを見た空さんは駆け出して近くまで行った。
「空どうした…」
「戻ってこい空」
『空さん!』
「ピョコモン! 後ろーっ!」
空さんの声もむなしく、ピヨモンはメラモンに振り落とされたが、ギリギリで空さんにキャッチされた。
空さんとピヨモンは少しの間抱きしめあっていたが、途中でピヨモンがメラモンの方へ行き攻撃しだしたが効いていなかった。
デジモン達が攻撃するも、エネルギーを吸収するのがメラモンはどんどん大きくなっていった。
その時ピヨモンが進化した。
「ピヨモン進化バードラモン!」
ピヨモンは大きいオレンジの鳥、バードラモンになった。
「バードラモン!」
バードラモンはメラモンに攻撃しメラモンを倒す事が出来た。
メラモンの身体から黒い歯車が出て壊れた。
「あの黒い歯車が、メラモンの身体の中に入ってたんだ、そのせいで……?」
「バードラモンの勝ちだ!」
『やったー!』
村やミハラシ山から火が消え、水が戻ってきた。
「メラモン! 目が覚めた!」
「オレはどうして……」
「よかったメラモン目が覚めた! どうして暴れた? メラモン何があった?」
「空から歯車が落ちてきて……それから……」
「メラモンにも分からない? メラモンまた元の様にミハラシ山を守って!」
メラモンは暫くしてミハラシ山に戻って言った。
「そうだ! ピョコモン達にご飯ご馳走してもらう約束!」
「僕お腹ペコペコ…」
「「「任せとけー!」」」
出てきたご馳走はお米の様な種の様な物だった。
私は恐る恐る食べてみた。
硬いお米を食べる様な感じだったが、なぜか皆で食べていると美味しく感じた。
もっと贅沢を言うとパートナーデジモンが居ればよかったなって……。