その年の夏は地球全体がおかしかった。

　東南アジアでは全く雨が降らず水田が枯れ、中東では大雨による洪水が発生、アメリカでは記録的な冷夏となっていた。

　サマーキャンプに居た8人は何も知らずにいた。

　それが誰でも知らない世界での冒険の始まりになる事を……。





　私はキオナ・ベローネ、小学校2年生。

　今日は8月1日でサマーキャンプの日！

　本当は友達のヒカリちゃんと来る予定だったけど、ヒカリちゃんは風邪をひいて奥多摩のキャンプ場にはいない。

　でもその代わりに、ヒカリちゃんのお兄さんの太一さんが一緒に居てくれるの！

　本当はもう1人友達が居るんだけど別行動してるんだ！

　太一さんは木の上でお昼寝中、私はその下でスケッチブックに景色を描いてる。その時、私の目の前に雪がチラついた。

　太一さんが気がつき、私達は雪が強くなる中、近くの祠に避難した。

　祠の中には私と太一さん以外にも居た、全員で8人。

　太一さんと同い年の空さん、ヤマトさん。

　6年生の丈さん、4年生の光子郎さん、ミミさん。

　もう1人は誰だろう？

　『ねぇ、お名前はなんて言うの？』

　私はその子の近くまで行った。

　「僕は高石タケル。君は？」

　『私はキオナ・ベローネ、2年生だよ』

　「じゃあ僕と同い年だね、よろしくね」

　『うん、よろしくね！』

　タケルくんともっと仲良く出来たらいいな。





　「やっとやんだみたいだな」

　暫くして、太一さんが扉を開くと、そこは一面の銀世界だった。

　「うわー雪だ！すごーい！キオナちゃんも行こ！」

　『うん！』

　「おいタケル！気をつけろ」

　皆も祠から出てきた。

　私は積もった雪を触っていると。

　「うわー、きれーい、ロマンチック」

　ミミさんの言葉に、私は上を向いた。

　『あれって……』

　「オーロラよ」

　私は初めて見たオーロラを口を開けて見ていた。

　「そんな！変ですよ、日本でオーロラなんて」

　「そうなんだよね」

　『これも怪奇現象？』

　各々オーロラを見ていたら、空に不思議な事が起こった。

　「おい、あれ！」

　その空から光りが8個、私達の方に飛んできた。

　「「「うわ！/きゃあ！」」」

　私達は屈んでなんを逃れた。

　「皆！怪我はない？」

　「なんとかなー」

　「吃驚したー」

　その飛んできた物は何かの機械だった。

　「い、隕石？」

　『何これ……？』

　その機械はみたいなのは浮かんで私達の手の中に納まった。

　その時なぜか突然、津波が来て私達を飲み込んだ。





　『……う、ん……？』

　目を覚ますと見たことない景色が目に飛び込んできた。

　ガバッと起き上がると、そこは見た事もない木や花が咲いているジャングルみたいな所。

　わお！

　未知の世界ネ！

　『じゃない！　ここどこ！　皆は⁉︎』

　周りを見渡しても誰も居ない。

　『とりあえず適当に歩いてみよう！』

　暫く歩いていると太一さん達の後ろ姿が見えた。

　そして、太一さん達がいる所まで走った。

　『太一さーん！』

　「あ、キオナ！無事だったんだよかった……キオナには居ないんだな？」

　『居ないって何が？』

　「ほら、あれよ」

　空さんが見せてくれたのは、色んな形のぬいぐるみ？が居た。

　「この子達はデジタルモンスターなんだって」

　『喋るの⁉︎』

　その後名前を教えてもらった。

　ピンク色の耳があって丸いのはコロモン、角が生えてるのがツノモン、ピンクの植物みたいなのがピョコモン、ピンクで楕円形の手があるのがモチモン、浮いてるのがプカモン、薄ピンクで四足歩行なのがトコモン。

　『私はキオナ、よろしくね』

　「「「よろしく！」」」

　「これで全員だっけ？」

　「待ってたしかもう1人」

　あれ、本当だ、もう1人居ない。

　「ミミさんが、太刀川ミミさんが居ません」

　「きゃー！」

　その時、悲鳴が聞こえた。

　皆で声がした方に向かったら、ミミさんが居た。

　「クワガーモンだ！」

　大っきなクワガタが来た。

　一度過ぎ去ったが。

　「また来るぞ！」

　「さ、立って」

　空さんはミミさんに立つ様に言い、私達は逃げた。

　暫く走っていると、ヤマトさんに伏せる様に言われ伏せた。

　伏せたはいいがまた襲ってきた。

　「くそー！あんなやつに、やられてたまるか！」

　「太一無理よ！」

　「そうだ、俺達は何の武器もないんだぞ」

　太一さんが勇敢？無謀？にも立ち向かおうとしたが、私は逃げた方がいいと思う。

　そしてまた皆で走り出した。

　だけどすぐに行き止まりになった。

　「こっちは駄目だ！別の道を探すんだ！」

　「べ、別の道って……」

　だけどすぐにクワガーモンが追いついてきた。

　「「「うわぁっ！」」」

　私達はその場で伏せた。

　コロモンが急に飛び出して口から泡みたいなのを出したが、クワガーモンには効かなかった。

　コロモンはクワガーモンにぶつかった。

　「うわぁ！」

　「コロモン！」

　クワガーモンは私達のいる方に立った時に、他の子達も立ち向かった。

　クワガーモンは森の中に突っ込んでいった。

　その後またクワガーモンの声が聞こえた。

　私達は崖の先の方に避難した。

　「あいつ、まだ生きてやがった、くそ……このままじゃ……」

　「行かないと！」

　コロモン達がクワガーモンに立ち向かおうとしている。

　私はそれをただ見てるしかなかった……。

　その時、空から光りがそれぞれに降り注いだ。

　「コロモン進化アグモン！」

　「ピョコモン進化ピヨモン！」

　「モチモン進化テントモン！」

　「ツノモン進化ガブモン！」

　「プカモン進化ゴマモン！」

　「トコモン進化パタモン！」

　「タネモン進化パルモン！」

　光りがやむと、コロモン達の姿が変わっていた。

　コロモン……ううん、アグモン達はクワガーモンに攻撃しだした。

　皆で力を合わせてクワガーモンを倒した。

　その時またクワガーモンが現れた。

　クワガーモンは私達の居る場所にハサミを突き刺した。

　私達は崖の下に落ちていく。

　そう、これが私達のとても長くてとても短い夏休みの始まりだった。