未来編
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「ただいまー」
そう言えば、いつもはひょっこり玄関まで来てくれるソラ。
だけど今日はいつもと違ってそれがない。
「あれ、…ソラ?」
おかしいな、と思いながらも
何か他事で手が離せないのかもしれない。
そんな事を思いつつ、リビングへと足を運べば
キラは今までに見たことのないソラを目の当たりにしたのだった…。
「ソラ?」
「ん~?あ、キラー!遅いー!」
いつもの柔らかい表情は何処へいったのやら…
キラの姿を捉えるや否や、
頬をぷくりと膨らませ、どうやら不機嫌さMAXのようだ。
「えーと…遅くなって、ごめん?」
ソラの「遅い」という事に一応謝ってはみるものの、
(そこらへんは、強気な女性に弱いキラの性格。)
帰宅時間はいつもと同じ。気持ち、少し遅いくらい。
キラはソラが怒る理由など知る訳がない。
ただ、分かる事はただ一つ。
「ソラ…お酒飲んだ?」
明らかに空のボトルがテーブルにある今、
それを聞くのはおかしい事かも知れない。
「む、飲んでないよ!それ、ジュースだもん」
もはや、酔ってる人に「酔ってる?」と聞いて
「酔ってない!」と返ってくるソレと、今のソラは同じ。
今はあまり怒らせないようにと、キラは言葉を選んだ。
(てか、この状況って、もうそれしか心当たりないし…)
「ミリィ、来たでしょ。」
まさにビンゴ。いや、もう分りきっていた事だけれども。
その言葉を聞いたソラはピコンと表情を変えた。
「すごーい!よく分かったねキラ!」
さっきまでの怒りはどうした。なんてキラが聞けるはずもなく、
ソラはニッコリとキラに微笑めば、
キラもキラでドキリと一瞬我を忘れる溺愛っぷり。
だけどそれもそこまで。
「聞いてよキラー!ミリィったらね、話の途中で帰っちゃって…」
今の今の笑顔は一瞬でまた怒りへと変わるお酒の恐ろしさ。
「~だから私、キラが帰って来るまでずっと一人で寂しくて…」
怒っていたかと思えば泣き出すのもお酒の恐ろしさ。
(いくら僕でも酔ってるソラに手を出すなんてダメだ…我慢)
妙に彼女が色っぽく襲いたくなるのもお酒の恐ろしさ。
これ以上はキラの我慢も限界に近いと自ら察知したのだろう。
「ソラ、もう寝よ?ほら」
「まだキラと一緒にいたいのにー…!」
「はいはい、ずっと一緒にいるから、ね?」
そう言って強引にソラを横抱きにして寝室まで運ぶキラ。
ベッドにソラを降ろした頃には彼女は既に夢の中。
そんなソラには何の罪もない。
(そう思うのはやっぱりソラに弱いキラの性格)
それ故にキラの怒りの矛先は、もちろん。
学生時代から仲も良く、コーディネイターの自分を受け入れてくれた彼女、
だが、今ではすっかりソラを使って振り回される毎日の原因の人物。
「…ミリィ…やっぱり…敵だ」
キラも最後にそう言い残し、ばふんっとソラの横に倒れこんだのだった。
(キラごめん!昨日は夕飯も食べてないんだよね…)
(ソラのせいじゃないってば、ね?!)
(09.05.05)