未来編
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大きな瞳から零れる大粒の涙
小さな手をきゅっと握り締め
不安そうにこちらを見つめるアメジスト
――私はこの瞳にとても弱い
【アメジストのお願い】
事の始まりは
とある平和なヤマト家に突然訪れた。
ガシャンッ・・・バキッ―――
何かが壊れる音と共に聞こえたのは
ヤマト家の王子 ハルの大きな泣き声であった―――
「ハルっ!どうし・・・あーぁ・・」
慌ててハルの部屋まで行ったソラが見たものとは、
片羽が折れ、片羽でバサバサと羽ばたこうとする
無残なトリィの姿であった・・・
「ひっく、ひっく…トリィ、ごめんねぇー」
「ハルーもう泣かないの!ね?」
「だってぇー…ふえぇぇ、、」
「もうすぐお父さんから通信くるから、そしたらハル」
「うん、」
「アスランにトリィ直してってお願いしてもらおう?」
P-----P-----
そうこうしている間に
何というタイミングでしょう
キラからの通信を知らせる電子音
「ぼ、ぼくがでるっ!!!」
先ほどまで眉をハの字にポロポロ涙を零していたハルとは打って変わって
眉をキリっと強気にパタパタと通信機まで走って行くではないか・・・
(か、かわいい・・・(笑))
ソラはそんなハルの後ろ姿を見ながら微笑んだ。
_______________
「お、おとーさん!!!」
「ハル?!どうしたの・・・?何かあったの?!」
応答した途端に画面いっぱいに愛息子の顔
おまけに泣きはらした顔
必死の表情に、ソラの身に何かあったのでは?!と緊張が走った…が、
「アスランにごめんなさいして!!!」
「・・・は?・・・え?アスラン?」
「そう!アスラン、なおすの!!」
一瞬で緊張は消え去った。
開口一番に「アスランにごめんなさい」とは何事か
むしろこの子は一体何を言っているのか理解不能。
しかし画面の向こうの子供は大きな瞳に涙を浮かべて必死…
「ぷっ、…ふふっ!!」
そんな時、画面の向こうから聞こえたのは
愛する妻、ソラの笑い声だった
「あははっ、ハル、落ち着いて。」
「おかぁさん!なんで笑ったの!」
「はいはい、ごめんねっ」
自分が笑われた事にむっと母親を怒り出すハル。
軽く謝り、画面にぴったりくっつくハルを自分の方へ引き寄せた
「キラ、お疲れ様」
そして画面に映ったソラの姿に
キラはたまらなく安心感を抱くのだ。
「体調は?顔色、あんまり良くないみたいだけど」
「大丈夫、それよりハルの話だけど」
「…そうやって話を逸らす…」
「私よりもハルの一大事なんだよ、お父さん(笑)」
「・・・で、どうしたのさ」
普段から”父親”として頼られる事に弱いキラ
まんまとソラの思惑に嵌められる自分に改めて自分の妻には勝てないと思い知る。
「ほら、ハル。落ち着いたでしょ?もう言える?」
「あ、あのね!アスランにトリィなおしてって、お願いするの!」
「!――あぁ、そういう事。なに、トリィ壊れたの?」
「まぁ、こんな感じに」
スッと画面に映されたトリィの無残な姿
「うわぁ、見事にバキっといっちゃったね!」
モニター越しに見えるトリィに苦笑するキラ
「必死にもがく姿が痛々しくてスイッチ切っちゃったよ」
「おとーさん、トリィ、げんきになる・・・?」
「ハル、大丈夫だよ。僕からアスランに言っておくから」
「ほんとっ?!」
「うん。だからもう泣かないで?」
「うん!ぼく、お顔拭いてくる!」
ソラの膝から降りてパタパタと部屋から出ていくハル
「ありがとう、お父さん♪」
「またそうやって…」
「ほんとはね、地球までトリィ持って行こうかと思ってたんだけど、」
「却下!」
「って言うと思ったから、お願いしてみました」
「当たり前だろっ、それより体調は?!」
「もう、大丈夫だってば。キラは心配しすぎー」
ここまでキラが心配するのはもちろん、
先日家族で動物園に行った帰りに立ち寄った病院にて
妻の第二子の妊娠を知ったからである
「それくらいしか出来ない僕の気持ちも分かってよ…、で、熱は?」
「んー、微熱はずっと続いてるけど、怠いだけだよ」
「他は?まだ何か隠してない?」
ソラの事となるとキラは常に必死なのだ。
この行きすぎた心配性も慣れれば可愛く思えてくるのもまた事実
「んー、それはキラにぎゅーってして貰ったら全て解決しそうっ!」
くすくすと笑いながら答えるソラに
「ソラ・・・キミって人は・・・」
思わず呆れ口調で返すキラだったが
「でも、これは本当。キラにぎゅってされて、癒されたい」
「え、」
「久しぶりにキラとイチャイチャしたいな!」
思いもよらぬ妻からの自分を求める声に
「さっさと終わらせてすぐ帰るっ!!!」
妻の返事を待つ事無く通信が途切れたのであった。。。
(キラって、今、戦艦の中じゃなかったっけ・・・?)
自分の記憶が正しければ、今回の任務はひと月ほどかかると言われていたのだが…
「誰だか分からないけど、ごめんなさい(笑)」
今回犠牲になるであろう
キラの周辺の誰か(恐らくイザーク)に
ソラはひっそりと謝罪を向けるのであった…
(18.06.19)
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(おいディアッカ!キラは何処へ行った!!!!?)
(イザーク落ち着けって、)
(あんな戦闘を見せられて落ち着いていられるかぁーーー!)