未来編
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「ん?何だろう、これ…」
今朝、いつものように郵便受けの中を覗けば、
新聞以外にも2通の同じ封筒でキラ宛とソラ宛に…
ソラはカサカサと封筒を開けながら玄関のドアを閉めたと同時、
「い、いやぁぁぁぁぁぁ!!///」
手紙の中身を見て大絶叫した。
「?!」
そんな愛しい妻の悲鳴を聞けば、
さすがのキラも夢の世界から一気に覚醒するわけで、
カバッと勢いよく起きれば、ダダダダダ!と効果音につけてもいいくらい
ソラの元へと走ったのだった。
「っソラ?!」
「あ、キ、キラ…、お、 おはよう」
キラがソラの元へ駆けつけた時、
それによってソラが何かをサッと自分の背後に隠したのを
キラは見逃さなかった・・・。
「悲鳴聞こえたんだけど、何かあった?」
「ううううん?何もないの!本当にな~んにも!」
そう答えるソラの顔は心なしか赤く染まっていて、
しかもこの慌て様から、キラは何かあったんだな、と
あえて言葉には出さずにいた。
(どうせその「何か」はソラの背後に隠れてるんだろうしね)
言わないのなら調べるまでだ。
キラは、ソラとの距離をぐんと縮めると
そのまま強引に口付けソラに迫った。
「んんっ、ぁ…キラ…っはぁ、ん・・」
玄関先でもお構いなしに、キラの舌はソラを捕らえる。
次第にその濃厚なキスに足元から力が抜けてその場に崩れそうになる…
そんなソラの腰をしっかりと支えたキラは、
待ってましたと言わんばかりに銀糸をちらつかせながらソラの唇を解放し、
ソラの持っていた封筒をひょいと抜き取ると、
くったりと呼吸を整えるソラを胸に預けたまま、器用にキラ宛の封筒を開けた・・・。
「・・・え、」
何となくさっきのソラの悲鳴の理由が分かったような…
そんな封筒の中身に、キラは大きな瞳をぱちくりさせながら、
腕の中のソラを見た。
「あのさ、つかぬ事を聞いちゃうけどさ、これって、ソラの?」
「…っ、そう」
「で、ソラの方には、もしかして僕の…が?」
「・・・そう!//」
二人、それぞれの封筒に入っていたもの、それは
少し前に答えたキラとソラのそれぞれの質問回答だった。
キラ宛の封筒の中にはソラの回答が、
ソラ宛の封筒の中にはキラの回答が、
互いに知られる事はないとバカ正直に書いたものが入っていたのだった。
ソラは恥かしすぎてそのまま思わずキラの胸に顔を埋めてしまい
キラもそれをすんなりよしよしと受け入れ、そのままソラの腰に
手を回しながらも読み始めるのはソラの回答。
「ねぇ、キラ・・・」
「ん?」
キラがソラの回答を読んでいると、
自分の中にいるソラがもごもごと話はじめた。
「キラの書いた事、本当?」
「へ?」
確かに嘘は一つも書いていない。
しかし回答と一言でいっても100はある。
キラはソラのさす回答が分からず、続きを求めた。
「女の子、欲しいって・・・」
「あ、・・・うん、ホントだけど…」
言われて自分の書いた事を思い出したキラは
どこかバツの悪そうな気分になった。
嘘は書いていない。むしろ本心だ。
だけどそれと同時に襲ってくるのはあの時と同じ「不安」。
ハルがお腹に居る時に、担当医から言われた言葉…
(また、ソラもお腹の子も失うかもしれない可能性ができるなら…)
「ソラとハルが元気ならそれで僕は…幸せだから」
ソラを抱きしめるキラの力が強くなった…。
そんなキラに、ソラは「バカだなぁ」と困ったように微笑んで
キラの背中に手を回し、まるで子供をあやすようにポン、ポンとリズムを刻んだ。
「あのね、キラ、私は大丈夫だよ。ハルがお腹に居た時だってね、
ストレスなんか全然感じなかったからね!それにね、キラ・・・」
「?」
「私、キラとの子供なら産みたいの。でもね、今はハルの事でいっぱいだから、
ハルがもうちょっと大きくなったらその時は、きっと私も望んじゃうかもしれない」
「・・・うん、うん」
お互いに顔を上げれば優しい視線はぶつかり合って、
二人は、さっきとはまた違う優しい口付けを交わした・・・
そんな二人の甘い空気をぶち壊したのは他でもない、
見ていた大好きなテレビ番組が終わり、退屈になったので
お気に入りの玩具を片手に、
そしてハロとトリィを率いて家の中を歩き回っていた
ヤマト家の王子様、ハルであった・・・。
「もしもハルに兄弟が欲しいって言われたらソラ、どうする?」
「うわ…現実的な事を;」
「だって子供の頃、僕、多分親に言ったよ?」
「わ、私もだけど・・・」
「僕もハルといっしょにお願いしてもいい?」
「だめ。絶対にだめ!私、二人のキラ相手じゃ勝てない!」
(06.08.12)