原作編
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「キラ…」
「なぁに?」
深海に潜むAAの傍観デッキでキラは
ソラの言葉をただ黙って受け止める覚悟を決めた・・・
「私ね、ラクスと一緒に宇宙へ上がろうと思うの」
「・・・う、ん」
覚悟はしていても、現実は苦しい・・・
ずっと悩んでいた事を知ってるから・・・
ずっと辛い思いをしていた事を知ってるから・・・
だから背中を押してあげたいのに、
少しでもソラの力になってあげたいのに、
そう決めてたのに・・・
「ソラッ、」
気持ちとは逆に
彼女に縋り付いてしまう僕は
とても弱くて汚い。
「困らせて、ゴメン」
『護る』だなんて口だけで
結局はソラに護られてる自分がとても醜い。
そっと背中に手を回して、優しく撫でてくれるソラに
僕は満たされすぎたのかな、
「それは私のセリフ…なんだけどなぁ」
彼女達が宇宙へ上がる当日…
「キラ、見て見て!これ、ラクスの秘書の…っん、んッ!!」
ラクスの秘書に変装したその姿を見せたかっただけなのに、
突然キラからの噛み付くようなキス、
初めは驚いたソラだったが、
そのままキラのキスを受け入れ自らの舌を絡ませる・・・
「…っ、毎日ソラを想ってるから」
キラによって開けられたシャツから覗くソラの素肌には
昨夜、キラによって刻まれた愛の証と
キラリと胸元を飾る、自分と同じシルバーリング…
「・・・ッ」
「毎日、愛してるから」
(本当は忘れていたい…会いたくてたまらなくなるから)
「んっ…私も、ッ」
胸元に新しくつけた痕を撫でると
また深く、深くソラに口付けた…
僅かに残された別れの時間まで
二人は片時も離れる事はなかった・・・
今はただ、彼女に強く、何かを、
自分を思わせる何かを残すことに必死だった…
(だけど本当は僕の心を紛らわせる行為にしかすぎないんだ…)
「こんな事…余計別れが辛くなるだけだって、分かってたのに…」
無事に宇宙へと飛び立った彼女達の乗る船を見詰めながら
フリーダムの中でキラはポツリと呟いた…。
そして
『ソラの進む道を止める権限は、わたくしにはありません。』
これから聞くであろうラクスの言葉を
『ソラは…この艦には、乗っていないのです…』
僕は受け止められるだろうか…。
その答えはまだ、僕にも分からない。
(07.04.16)