短編
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「・・・ソラ?」
ただ訳もなく会いたくなって訪れたソラの部屋
だけどその部屋にソラは居なくて・・・
「・・・あ、」
諦めて別の部屋を探そうとしたキラの目に入ったのは
ヒラヒラと風に揺れるカーテンの向こう
サラサラと風に髪を遊ばれているソラの姿。
(・・・見つけた)
フッと優しく微笑むと、キラは少しのイタズラ心か
ソロリとソラの背後まで足音を潜ませた。
ソラの髪がキラの頬をくすぐる程に二人の距離が縮まると、キラは、背後からそっと優しくソラを抱きしめた・・・
「び、っくりしたぁ・・・」
大きく目を見開いきながらも、ソラの腰に回した僕の腕に、
そっと自分の手を重ねてくれるソラが
とても愛しいよ。
「何、してたの?」
そしてソラの肩に頭を預けて、軽く首に口付ける・・・
背後からピタリと密着しているせいか、ソラが少しピクリと反応するのが分かった。
「桜がね、綺麗だな~って」
そう言うソラは、きっと優しく微笑んでるんだと思う。
だけど・・・
「ソラ、中に入ろう?身体が冷たい・・・」
一体いつからこうやって桜を眺めていたんだろう?
春っていっても、まだ風はこんなに冷たいのに・・・
「うん。だけど大丈夫だから、もう少しだけ・・・」
「ソラ、お願いだから、言う事を聞いて・・・」
ソラの言葉を聞きたくない訳じゃないんだよ
「もう、一人だけの身体じゃないんだから・・・」
キミのお腹の中には、新しい生命が宿ってるんだから
そう言った時に向けたキミのその優しい笑顔は
僕だけが知ってる
僕だけのソラ
「愛してるわ、キラ。」
(06.03.18)