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氷龍の巣

「貴方は遠回りが嫌いでしょうから結論から言います」

発行された診断結果を一通り読んだディードリッヒは立ち上がってそう言った。

「体に大きな異常はありません。ただ、疲労でしょうか?胃腸が弱っているようですが…………」

「………」

「そして貴方が苦しい原因は魔力にあります。貴方の体にあの方の魔力は不適合だということです」

「……………は?」

どういうことだ……?

「…魔族は契約すると契約主に魔力的援助をするのです。意図的にしなければ基本は魔力は流れないのですが、彼……………いえ、魔王様は違います。あの方は魔力が膨大すぎて捌け口があれば意図せずとも流れてしまうのです。その魔力により貴方は苦しいのでしょう」

そういえばそうだった。あいつと契約してから魔力が増えたのは自分でも自覚してる。でもそれがなければ今の俺は………………。

「解決策は二つです。契約を破棄するか、彼に魔力を抜いてもらうか……ですね」

「どうしたら抜ける………?」

「はぁ……………私に言わせますか……?」

「………?」

どういうことなのか。ディードリッヒは口を噤んだまま喋らない。医者なんだからいえと言おうとした時、病室の部屋が空いた。

「レオが倒れたというのは本当か……!?大丈夫か……!?」

入ってきたのはグレンだった。

「私は言いませんから契約者本人に聞いてください。私はそれが嫌なので契約しないんです」

全く意味が分からない。契約主、つまりはグレンである。

「何だってんだ・・・・・」

「魔王様、説明していないんですか?こんなに苦しんでいるのは貴方のせいでしょう?」
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