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過去作まとめ

Happy Birthday、そう打たれたメールを見て今日が誕生日であることに気がついた。毎年忘れずに祝ってくれる盟友。私は小さく微笑んだ。私とて嬉しいさ。深夜に打たれたらしいそのメールを見て忙しい中、私のために打ったと思うと幸せ者だと思う。どう返信するか迷っていたらドアがゆっくりと開いた。

「誕生日おめでとう、グラハム。愛する君の誕生日を祝えて嬉しいよ」

「ありがとう、カタギリ」

前までなら気にもしなかっただろう誕生日。近年は必ず休みを取っている。盟友のサプライズが楽しみだからだ。言えば軍内のパーティよりも楽しみである。例年私の部下がパーティを催してくれる。それもとても嬉しいが心のどこかでカタギリに祝われたいと思うのだろう。物足りないとも思う。

「午後はパーティだろう?それまでどうする予定だい?」

「そうだな。愛でも確かめるか」

「朝から大胆だね」

カタギリは上着を脱ぎそっとベッドサイドに来る。ただ二人で居たい。行為など無くていいから感じていたい。愛を、彼を。

「そういう意味ではないよ」

「分かってる」

そっと髪にキスされる。横にそっと入り込んでくる彼に擦り寄り、私は抱擁を求める。それ以上のことは無い。それだけでいい。それだけで。

「甘えんぼかい?」

「子供扱いするな」

少し冷えているか?それとも私が熱いのか。どうせ今の今まで仕事をしていたんだ。冷房で冷えているのだろう。私が温めてやると口でこそ言ってやらんがいつもより強く抱き締めた。

こういった日も悪くないな。






-Happy Birthdayグラハム・エーカー
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