1章
ラスレンとルディクは城へと向かっていた。
「おい後ろ!」
ラスレンが叫んだ。
背後に魔物がいることに気付いたルディクは振り返りざまに剣で斬り付けようとした。
しかし、巨大蝙の魔物は羽をはばたかせ素早い動きでかわした。
「チッ、こいつは今までのヤツとは違うな」
先程の敏捷さといい、ルディクは魔物の鋭い気迫を感じ取った。
「中にはこういうヤツもいるってことか」
ラスレンも剣を構える。
「ラスレン!コイツの相手はオレにまかせろ!」
「えっ?何言ってんだよルディク!」
ラスレンはルディクと一緒に戦う気でいた。
「城の状況を把握するのが先決だろ。オレはコイツを倒してから行く!」
ルディクはラスレンを先に行かせようとした。
「わかった!早く来いよ!」
ラスレンはルディクの強さを信用していた。
(急ごう!)
ラスレンは走っていった。
ーー
城に近づくにつれ徘徊している魔物の数も減っていった。
「この辺りはもう倒したのかな?」
ラスレンの周りの魔物達は全滅していた。
巡回している兵達が倒したのだろう。
「ラスレンおにいちゃん!」
子供の声が聞こえた。
声のした方へ振り向くと、紫の長めの髪に大きな瞳をした可愛らしい女の子がいた。
8歳の義理の妹ヴィリーだった。
「ヴィリー!」
ラスレンが名前を呼ぶと、ヴィリーが走ってきてしがみついた。
「よかった。わたし、心配したのよ」
ヴィリーは喜んでいた。
「ヴィリー!」
ラスレンの養母と何人かの兵士がヴィリーを探しに来ていた。
「母さん」
ラスレンは養母の姿を見て安心する。
「ラスレン、無事だったのね」
養母はラスレンの所まで駆け寄ってきた。
「シャークはどうしたの?」
「シャークなら安全な所に逃げるように言ったよ」
養母が尋ねるとラスレンが落ち着いた様子で答えた。
「さあヴィリー。この辺りは危ないわ。戻りましょう」
養母が実の娘ヴィリーに声をかける。
「やだ。わたし、ラスレンおにいちゃんといる!」
ヴィリーはラスレンにしがみ付いたまま離れようとしない。
「あのな、ヴィリー。まだ魔物がいるかもしれないんだ。母さんも心配してるだろう」
ラスレンはゆっくりと柔らかに言った。
「ラスレンおにいちゃんは…わたしたちと行かないの?」
ヴィリーは寂しそうな顔でラスレンを見る。
「俺にはやらなければならないことがあるから行けないんだ」
ラスレンはヴィリーに言い聞かせるように話した。
「やだ!ラスレンおにいちゃんも一緒がいい!」
ヴィリーはラスレンと離れたくないようだ。
「ヴィリー。ラスレンは私たちを助けるために戦っているの。この戦いが終わったらまた一緒にいられるわ。今は、お母さん達と行きましょう。ね、ヴィリー」
養母が優しく手を伸ばす。
「お母さん…」
ヴィリーはしょんぼりしていた。
「ラスレン。必ず帰ってきてね」
養母がラスレンをまっすぐに見る。
「わかってるよ母さん」
ラスレンは力強い表情で答えた。
ーー
「おい後ろ!」
ラスレンが叫んだ。
背後に魔物がいることに気付いたルディクは振り返りざまに剣で斬り付けようとした。
しかし、巨大蝙の魔物は羽をはばたかせ素早い動きでかわした。
「チッ、こいつは今までのヤツとは違うな」
先程の敏捷さといい、ルディクは魔物の鋭い気迫を感じ取った。
「中にはこういうヤツもいるってことか」
ラスレンも剣を構える。
「ラスレン!コイツの相手はオレにまかせろ!」
「えっ?何言ってんだよルディク!」
ラスレンはルディクと一緒に戦う気でいた。
「城の状況を把握するのが先決だろ。オレはコイツを倒してから行く!」
ルディクはラスレンを先に行かせようとした。
「わかった!早く来いよ!」
ラスレンはルディクの強さを信用していた。
(急ごう!)
ラスレンは走っていった。
ーー
城に近づくにつれ徘徊している魔物の数も減っていった。
「この辺りはもう倒したのかな?」
ラスレンの周りの魔物達は全滅していた。
巡回している兵達が倒したのだろう。
「ラスレンおにいちゃん!」
子供の声が聞こえた。
声のした方へ振り向くと、紫の長めの髪に大きな瞳をした可愛らしい女の子がいた。
8歳の義理の妹ヴィリーだった。
「ヴィリー!」
ラスレンが名前を呼ぶと、ヴィリーが走ってきてしがみついた。
「よかった。わたし、心配したのよ」
ヴィリーは喜んでいた。
「ヴィリー!」
ラスレンの養母と何人かの兵士がヴィリーを探しに来ていた。
「母さん」
ラスレンは養母の姿を見て安心する。
「ラスレン、無事だったのね」
養母はラスレンの所まで駆け寄ってきた。
「シャークはどうしたの?」
「シャークなら安全な所に逃げるように言ったよ」
養母が尋ねるとラスレンが落ち着いた様子で答えた。
「さあヴィリー。この辺りは危ないわ。戻りましょう」
養母が実の娘ヴィリーに声をかける。
「やだ。わたし、ラスレンおにいちゃんといる!」
ヴィリーはラスレンにしがみ付いたまま離れようとしない。
「あのな、ヴィリー。まだ魔物がいるかもしれないんだ。母さんも心配してるだろう」
ラスレンはゆっくりと柔らかに言った。
「ラスレンおにいちゃんは…わたしたちと行かないの?」
ヴィリーは寂しそうな顔でラスレンを見る。
「俺にはやらなければならないことがあるから行けないんだ」
ラスレンはヴィリーに言い聞かせるように話した。
「やだ!ラスレンおにいちゃんも一緒がいい!」
ヴィリーはラスレンと離れたくないようだ。
「ヴィリー。ラスレンは私たちを助けるために戦っているの。この戦いが終わったらまた一緒にいられるわ。今は、お母さん達と行きましょう。ね、ヴィリー」
養母が優しく手を伸ばす。
「お母さん…」
ヴィリーはしょんぼりしていた。
「ラスレン。必ず帰ってきてね」
養母がラスレンをまっすぐに見る。
「わかってるよ母さん」
ラスレンは力強い表情で答えた。
ーー