1章
ラスレンはいつものように兵隊長ソルゴに剣を教わっていた。
「お願いですソルゴ隊長。そろそろ聖剣を使わせてくれませんか?」
『聖剣レクレヴァス』
―それは英雄が使用していた伝説の聖剣―。
ラスレンは聖剣レクレヴァスを手に取りたくて、今か今かと待ちきれないでいた。
「今はその時ではない」
ソルゴは、間を置かず答えを返した。
「ソルゴ隊長はいっつもそればかりだ!もう俺はずっと待ち続けているんです!その時っていつですか?教えて下さい!」
感情的になってしまうラスレン。性格もあるが幼いが故に表に出てしまうのだろう。
ラスレンはまだ13歳だが、基礎訓練も腕前も他の兵達に引けを取らなかった。
実技試験に何度も合格しており、実戦経験もあった。
「お前は確かに実力はある。だが、英雄の血だけでは聖剣を使いこなすことはできない」
ソルゴは今までラスレンには言っていない事を話しだす。
「えっ?それはどう意味ですか?」
ソルゴの言葉に疑問を持つラスレン。
「真の心がなければ、聖剣レクレヴァスの聖なる力が引き出されることはない。今のお前が持っていても、ただの飾りだ」
ソルゴはラスレンを真っすぐ見、ゆっくりと諭すように言う。
「真の心…?」
ラスレンは静かに口にした。
「答えは自分で探せ。見つけられなければ、お前に聖剣を持つ資格はない」
ソルゴは厳しい口調で言い切った。
「…わかりました!必ず真の心を見付けてみせます!」
ラスレンは躊躇わず答えた。
――
「…とは言ったものの、真の心ってなんだろうなぁ」
ラスレンは考え事をしながら歩いていた。
「!?」
急にラスレンの左足に何かが当たり、視界が暗くなった。
「!」
どうやらラスレンは、つまづいて転んでしまったようだ。
左腕を擦り剥き少し出血していた。
「あ~くそっ!なんでこうなるんだよ~!」
文句を言いながらラスレンは起き上がる。
「やあラスレン。相変わらずドジだねぇ」
柱の影からラスレンと同い年の少年が出てきた。
少年は派手な服装で高貴な印象を受ける。
「モーリム王子…」
会いたくない人物に今の転びを見られてしまったのかと思うと、ラスレンは嫌な気分になった。
「お前、まだ聖剣レクレヴァスを使うことを許されてないんだな」
モーリムはからかうような目付きをして言う。
「ハイ、そーですね」
モーリムの態度が気に入らず、ラスレンはトゲトゲしい口調で返す。
「まあ、結局お前は認められていないってことだな。所詮お前なんてその程度さ」
モーリムはバカにするように鼻で笑う。
「何っ!?」
ラスレンの怒りに火がついてしまった。
「何か言いたいことでもあるのか?聖剣も持てない英雄の子孫気取りのラスレンくん」
モーリムは、わざとラスレンを煽るような言い方をする。
「うるさいっ!部下達を盾にして自分で剣を取って戦おうとしない弱虫なんかよりはずっとマシですよ!」
ラスレンも負けずに言い返す。
「なんだと貴様っ!よくもこの私をバカにしてくれたな!」
今度はモーリムが怒りだした。
「あなたのことだとは言ってませんよ。モーリム王子」
ラスレンもモーリムを煽る。
「く~っ!お、覚えておけ!私をバカにしたことを後悔させてやるからな~っ!」
モーリムは負け惜しみを言って逃げ出した。
――
「お願いですソルゴ隊長。そろそろ聖剣を使わせてくれませんか?」
『聖剣レクレヴァス』
―それは英雄が使用していた伝説の聖剣―。
ラスレンは聖剣レクレヴァスを手に取りたくて、今か今かと待ちきれないでいた。
「今はその時ではない」
ソルゴは、間を置かず答えを返した。
「ソルゴ隊長はいっつもそればかりだ!もう俺はずっと待ち続けているんです!その時っていつですか?教えて下さい!」
感情的になってしまうラスレン。性格もあるが幼いが故に表に出てしまうのだろう。
ラスレンはまだ13歳だが、基礎訓練も腕前も他の兵達に引けを取らなかった。
実技試験に何度も合格しており、実戦経験もあった。
「お前は確かに実力はある。だが、英雄の血だけでは聖剣を使いこなすことはできない」
ソルゴは今までラスレンには言っていない事を話しだす。
「えっ?それはどう意味ですか?」
ソルゴの言葉に疑問を持つラスレン。
「真の心がなければ、聖剣レクレヴァスの聖なる力が引き出されることはない。今のお前が持っていても、ただの飾りだ」
ソルゴはラスレンを真っすぐ見、ゆっくりと諭すように言う。
「真の心…?」
ラスレンは静かに口にした。
「答えは自分で探せ。見つけられなければ、お前に聖剣を持つ資格はない」
ソルゴは厳しい口調で言い切った。
「…わかりました!必ず真の心を見付けてみせます!」
ラスレンは躊躇わず答えた。
――
「…とは言ったものの、真の心ってなんだろうなぁ」
ラスレンは考え事をしながら歩いていた。
「!?」
急にラスレンの左足に何かが当たり、視界が暗くなった。
「!」
どうやらラスレンは、つまづいて転んでしまったようだ。
左腕を擦り剥き少し出血していた。
「あ~くそっ!なんでこうなるんだよ~!」
文句を言いながらラスレンは起き上がる。
「やあラスレン。相変わらずドジだねぇ」
柱の影からラスレンと同い年の少年が出てきた。
少年は派手な服装で高貴な印象を受ける。
「モーリム王子…」
会いたくない人物に今の転びを見られてしまったのかと思うと、ラスレンは嫌な気分になった。
「お前、まだ聖剣レクレヴァスを使うことを許されてないんだな」
モーリムはからかうような目付きをして言う。
「ハイ、そーですね」
モーリムの態度が気に入らず、ラスレンはトゲトゲしい口調で返す。
「まあ、結局お前は認められていないってことだな。所詮お前なんてその程度さ」
モーリムはバカにするように鼻で笑う。
「何っ!?」
ラスレンの怒りに火がついてしまった。
「何か言いたいことでもあるのか?聖剣も持てない英雄の子孫気取りのラスレンくん」
モーリムは、わざとラスレンを煽るような言い方をする。
「うるさいっ!部下達を盾にして自分で剣を取って戦おうとしない弱虫なんかよりはずっとマシですよ!」
ラスレンも負けずに言い返す。
「なんだと貴様っ!よくもこの私をバカにしてくれたな!」
今度はモーリムが怒りだした。
「あなたのことだとは言ってませんよ。モーリム王子」
ラスレンもモーリムを煽る。
「く~っ!お、覚えておけ!私をバカにしたことを後悔させてやるからな~っ!」
モーリムは負け惜しみを言って逃げ出した。
――