第3章

「お前たち光属性の弱点は闇の属性だったな」
アシェドの右手から黒い魔力の塊が現われた。

(…!こんな力を隠していたとは…!)
ルインは、思っていた以上の闇の魔力の高さに驚いた。

「俺の得意の闇魔法をたっぷりとお前に浴びせたらどうなるのかなぁ」
恐い笑顏を見せるアシェド。

「ククク…」
アシェドが笑いながら闇の魔法を発動しようとした。

その瞬間に閃光が走り、アシェドはその場から後退る。

そこに現れたのはリューエル家の大僧正。

「レハラルド様…!」
ルインが主君の名前を呼んだ。

「おや、ターゲットが自ら出てきてくれるとは好都合だなぁ」
アシェドは喜んでいる。

すぐにアシェドは、レハラルドに攻撃をしかける。

しかし、レハラルドが作った魔法壁に妨害され近づけなかった。

「レハラルド様…お逃げ下さい…!ここは私が…ぐっ…」
動こうとするルインの体に痛みが走る。

「すまん。お前に治癒魔法をかけてやることができん」
レハラルドは魔法壁でアシェドの攻撃を防御するのが精一杯で、回復魔法を使う余裕がなかった。

「…いいのです。命に代えてもレハラルド様をお守りするのが…私の役目ですから…」
ルインは静かに答えた。

「お前はまだ若い…ここで命を落としてはならん。ルインよ…ユーリスを頼んだぞ!」
レハラルドは意を決したかのように伝えた。

「レハラルド様…!?何を…おっしゃっているのですか…!」
体の激痛で思うように動けないルイン。

レハラルドがアシェドの方を向いて魔力を高め、最大限の力を使って戦おうとしていた。

ルインはもどかしかった…。

動け…!
動いてくれ…!

このままではレハラルド様が…!

なぜだ…!
なぜ私は動けない…!

「レハラルド様ー!」
ルインは力の限り叫ぶことしかできなかった。


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