第2章
ユーリスと、父レハラルドの従者ルインが城の廊下で会って話をしていた。
ユーリスは、エリレオはルインの弟であるという話は聞いていた。
(エリレオと会った時には気付かなかったけど、言われてみると目元や顔つきがルインと似ていたなあ)
ユーリスはエリレオの顔を思い出していた。
「ルイン。エリレオに会わなくてもいいのかい?」
「お言葉ですが、その事はもう私には関係ありません」
ユーリスの言葉を聞いて、ルインは冷めた目で返す。
「エリレオはルインのことを気にしているかもしれないだろ」
ユーリスは、ルインが父親とは縁を切っていても、弟であるエリレオに対する感情は違うのではないかと思っていた。
「私は10年前に家を…家族を捨てました。関わるつもりはありません」
ルインは冷たい雰囲気で返した。
「ルイン…」
ユーリスは、これ以上何も言わない方がいいだろうと思い口を閉じた。
しばらくした後、ルインが口を開く。
「昔、私が15の時。魔導師の道を進むために家を出て行ったころ、レハラルド様と出会いました」
ルインは昔のことを話し出した。
「レハラルド様は私の魔力に気付かれ、魔法を学ぶ機会を与えて下さりました。その時からリューエル家に住まわせていただくことになったのです」
ルインは珍しく自分のことを語っている。
「レハラルド様は私にとって父のような存在でもあります。居場所を下さったあの方に感謝しているのです。私は、何があろうともレハラルド様に仕えていきます」
普段はあまり表情を変えないルインに微かな笑みが見えた。
「ありがとうルイン。これからも父上のことをよろしく頼むよ」
ユーリスは嬉しく思った。
ーー
ユーリスは、エリレオはルインの弟であるという話は聞いていた。
(エリレオと会った時には気付かなかったけど、言われてみると目元や顔つきがルインと似ていたなあ)
ユーリスはエリレオの顔を思い出していた。
「ルイン。エリレオに会わなくてもいいのかい?」
「お言葉ですが、その事はもう私には関係ありません」
ユーリスの言葉を聞いて、ルインは冷めた目で返す。
「エリレオはルインのことを気にしているかもしれないだろ」
ユーリスは、ルインが父親とは縁を切っていても、弟であるエリレオに対する感情は違うのではないかと思っていた。
「私は10年前に家を…家族を捨てました。関わるつもりはありません」
ルインは冷たい雰囲気で返した。
「ルイン…」
ユーリスは、これ以上何も言わない方がいいだろうと思い口を閉じた。
しばらくした後、ルインが口を開く。
「昔、私が15の時。魔導師の道を進むために家を出て行ったころ、レハラルド様と出会いました」
ルインは昔のことを話し出した。
「レハラルド様は私の魔力に気付かれ、魔法を学ぶ機会を与えて下さりました。その時からリューエル家に住まわせていただくことになったのです」
ルインは珍しく自分のことを語っている。
「レハラルド様は私にとって父のような存在でもあります。居場所を下さったあの方に感謝しているのです。私は、何があろうともレハラルド様に仕えていきます」
普段はあまり表情を変えないルインに微かな笑みが見えた。
「ありがとうルイン。これからも父上のことをよろしく頼むよ」
ユーリスは嬉しく思った。
ーー