第1章
アシェドは城の兵士と二人で城の中を歩いている。
隣にいる兵士はまだ若く、アシェドより少し年上のようだ。
黒い短髪に茶色の瞳で真面目そうな外見をしている。
(あーあ、こんな頼りなさそうな兵士と組んで任務を遂行することになるとはな…)
アシェドはあまりやる気がなさそうな顔だ。
「おい。お前、ホントに戦えるんだろうな?」
アシェドは疑いぎみに兵士を見た。
「失礼な言い方だな。僕は合格したから兵士としてここにいるのだぞ」
兵士は少し怒ったように答える。
そして、証明書を出してアシェドに見せた。
「これだ証拠だ。僕の名前もある」
「もっとよく見せろ」
アシェドは証明書をひょいと取り上げ、じっと見た。
「これでわかっただろう。それは僕にとって大事な物なのだ」
真剣に兵士が言う。
「へぇ、そうなのか」
アシェドの口の端がつり上がる。
アシェドは片手で証明書を持ち、窓の外へその手を出した。
町並みが写る窓からの景色を見て、ここは三階ぐらいの高さだろう。
「この手を離したらどうなるかなぁ?」
意地悪な表情で証明書をヒラヒラさせるアシェド。
「こらっ!何をするんだっ!早く返すのだ!」
兵士はアシェドから証明書を取り返そうと手をのばす。
しかしその手はアシェドの手首にぶつかり、その勢いで証明書はアシェドの手から離れてしまった。
「あっ!まてっ!」
兵士は証明書をつかもうとするが風にのって飛んでいってしまった。
「あ~あ、大変だ」
アシェドは明らかに他人事のような態度だ。
「アシェド!お前がふざけているからこうなったのだ!だいたいお前は人に対する礼儀というものが…」
「証明書、早く探さなくていいのか?大事な物なんだろ」
怒る兵士の声を遮り淡々と言うアシェド。
「そ、そうだった!」
兵士は慌てて走りだす。
「頑張れよ、エリレオ君」
アシェドはからかうように兵士エリレオの後ろ姿を見ていた。
エリレオは焦っているためか転びそうになっていた。
――――
隣にいる兵士はまだ若く、アシェドより少し年上のようだ。
黒い短髪に茶色の瞳で真面目そうな外見をしている。
(あーあ、こんな頼りなさそうな兵士と組んで任務を遂行することになるとはな…)
アシェドはあまりやる気がなさそうな顔だ。
「おい。お前、ホントに戦えるんだろうな?」
アシェドは疑いぎみに兵士を見た。
「失礼な言い方だな。僕は合格したから兵士としてここにいるのだぞ」
兵士は少し怒ったように答える。
そして、証明書を出してアシェドに見せた。
「これだ証拠だ。僕の名前もある」
「もっとよく見せろ」
アシェドは証明書をひょいと取り上げ、じっと見た。
「これでわかっただろう。それは僕にとって大事な物なのだ」
真剣に兵士が言う。
「へぇ、そうなのか」
アシェドの口の端がつり上がる。
アシェドは片手で証明書を持ち、窓の外へその手を出した。
町並みが写る窓からの景色を見て、ここは三階ぐらいの高さだろう。
「この手を離したらどうなるかなぁ?」
意地悪な表情で証明書をヒラヒラさせるアシェド。
「こらっ!何をするんだっ!早く返すのだ!」
兵士はアシェドから証明書を取り返そうと手をのばす。
しかしその手はアシェドの手首にぶつかり、その勢いで証明書はアシェドの手から離れてしまった。
「あっ!まてっ!」
兵士は証明書をつかもうとするが風にのって飛んでいってしまった。
「あ~あ、大変だ」
アシェドは明らかに他人事のような態度だ。
「アシェド!お前がふざけているからこうなったのだ!だいたいお前は人に対する礼儀というものが…」
「証明書、早く探さなくていいのか?大事な物なんだろ」
怒る兵士の声を遮り淡々と言うアシェド。
「そ、そうだった!」
兵士は慌てて走りだす。
「頑張れよ、エリレオ君」
アシェドはからかうように兵士エリレオの後ろ姿を見ていた。
エリレオは焦っているためか転びそうになっていた。
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