第2章
ヴィシャス国王ネルスは病を患っていた。
最近は、床に伏せることが多くなったため、ネルス王は息子のモーリムに自分の代わりを任せていた。
今回は重要な話であったため、ネルス王は病体に無理して玉座に座ったのだった。
王はやつれていたが、その目には王としての威厳があった。
――
あの一件以来、モーリムはアシェドの顔を覚えていた。
アシェドがラスレンと敵対していたのを見て、同志だと勝手に思ってしまっていた。
そして、アシェドはモーリムにこっそりと謁見をお願いした。
広い部屋にアシェドとモーリムはテーブルを挟んで椅子に座っている。
「それで、私に話とは何だ?」
モーリムが尋ねる。
「モーリム様、俺と取引をしませんか?」
アシェドは営業スマイルをみせた。
「取引だと?」
モーリムが不思議そうな顔になる。
アシェドは一瞬怪しげに目を光らせ、話をし続けた。
――話が終わり。
「おお。この魔法石の魔力は大したものだな」
話を聞いたモーリムの左手には透明な石が握られていた。
「どうですか?モーリム様」
アシェドは偽りの笑みを浮かべている。
「わかった。では、この紙にサインしてくれ」
モーリムは書類とペンをアシェドの前に置く。
取引したという証拠を残すためだ。
アシェドは躊躇いもなくペンで名前を書いた。
「これで契約成立だ。金をお前にやろう」
モーリムは満足気な表情でニヤリとした。
――
アシェドは大金との引き替え券を手に入れ、賑やかな街を歩いている。
(なんだか、面白くなりそうだねぇ…ククク)
アシェドは薄笑いしていた。
アシェドにとっては、闇の組織シュヴァも、英雄も、聖剣も、国の行く末にも興味はない。
ただ、自分が面白いものを求めているだけだった。
――
最近は、床に伏せることが多くなったため、ネルス王は息子のモーリムに自分の代わりを任せていた。
今回は重要な話であったため、ネルス王は病体に無理して玉座に座ったのだった。
王はやつれていたが、その目には王としての威厳があった。
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あの一件以来、モーリムはアシェドの顔を覚えていた。
アシェドがラスレンと敵対していたのを見て、同志だと勝手に思ってしまっていた。
そして、アシェドはモーリムにこっそりと謁見をお願いした。
広い部屋にアシェドとモーリムはテーブルを挟んで椅子に座っている。
「それで、私に話とは何だ?」
モーリムが尋ねる。
「モーリム様、俺と取引をしませんか?」
アシェドは営業スマイルをみせた。
「取引だと?」
モーリムが不思議そうな顔になる。
アシェドは一瞬怪しげに目を光らせ、話をし続けた。
――話が終わり。
「おお。この魔法石の魔力は大したものだな」
話を聞いたモーリムの左手には透明な石が握られていた。
「どうですか?モーリム様」
アシェドは偽りの笑みを浮かべている。
「わかった。では、この紙にサインしてくれ」
モーリムは書類とペンをアシェドの前に置く。
取引したという証拠を残すためだ。
アシェドは躊躇いもなくペンで名前を書いた。
「これで契約成立だ。金をお前にやろう」
モーリムは満足気な表情でニヤリとした。
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アシェドは大金との引き替え券を手に入れ、賑やかな街を歩いている。
(なんだか、面白くなりそうだねぇ…ククク)
アシェドは薄笑いしていた。
アシェドにとっては、闇の組織シュヴァも、英雄も、聖剣も、国の行く末にも興味はない。
ただ、自分が面白いものを求めているだけだった。
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