第2章

話し合いの結果、力を合わせて闇の組織シュヴァと戦うという結論になり、
レハラルドのリューエル家とヴィシャス王家との同盟が結束された。


その夜、セディルとユーリスは、ラスレンが手配してくれた街の宿に泊まることになった。

「リファラ。今日は目を覚まさなかったな」
ユーリスが言いだす。

「うん…」
セディルの力ない返事が聞こえた。
先程から様子がおかしいのだ。

「そんなに心配することないよ。悪い病気じゃないんだからいつか目を覚ますって!」
ユーリスは励ますように言う。

「そうだね」
どこか元気がないセディル。
ユーリスはそれに気付いていた。

「セディルもさ、いろいろあって疲れただろ。だから、君もあまり無理するなよ」
ユーリスが元気づける。

「うん。ありがとう」
セディルはぎこちない笑顔で返した。


セディルの心には不安と罪悪感があった。

隠し事をして、嘘をついていること…

“おれは闇の力を持つヤツなんて信じない!”

闇の力を真っ向から否定するユーリスの言葉。

もし、闇の力を持っていることがユーリスに知られてしまったら…?

考えると怖くなる…


“闇の力を持つ者全てが敵ではありません。悪意はなくても闇の力を持つ者はいます”

セディルはラスレンが言ったこの言葉が頭からはなれなかった。

あの人なら自分をわかってくれるかもしれない…

いや、わかってほしい…

セディルの心の中には、今日出会った金髪青年の姿が浮かんでいた――

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