第1章
ヴィシャス王国。
世界の中でも有名な国で多くの旅人が集まる場所だった。
この国には、はるか昔に世界の危機を救った英雄の話が伝えられている。
英雄セインレスと聖剣レクレヴァスの伝説だ。
ヴィシャス城の敷地内の訓練広場。
その中央で中年の兵士と少年が試合をしていた。
その周りには剣や槍などの武器を持った人々が集まっている。
戦っている中年の兵士の方は、鍛え上げられた体格といい、的確で素早い剣技といい並の腕ではない。
一方、少年の方は17くらいで、濃い茶色の髪に紅い瞳。
武器は斧…というより鎌に近い形をしていた。
周りの人々は二人の戦いに見入っていた。
剣と斧のぶつかり合う音が響いている。
中年兵士は剣を素早く振り下ろす。
その強力な一撃を少年は受け止めようとするが、
力に押されて少年の斧が吹っ飛ばされた。
「さすが王国一の剣士。ソルゴ兵士長は強いな~」
戦いを見ていた兵士のうちの一人が、ソルゴを尊敬の眼差しで見ていた。
ソルゴと呼ばれる中年の兵士は、この城の兵士たちを束ねる長だった。
「両者、そこまで!」
審判が試合を終了させた。
「よし、お前は合格だ。傭兵の証明書を授けよう」
ソルゴは証明書を少年に渡す。
少年は無言で証明書を受け取った。
「お前はなかなかの腕だな。名はなんという?」
ソルゴが少年に名を尋ねる。
「アシェド」
少年は無愛想に一言名乗った。
「もし正式に兵となれば上級兵士に昇格できるかもしれん。お前にはそれだけの腕がある。城の兵士として働く気はないか?」
ソルゴはアシェドの腕を見込んで聞いてみた。
「俺は金が目的です。十分な金さえ手に入ればここに用はありません」
アシェドは冷淡に断った。
――
世界の中でも有名な国で多くの旅人が集まる場所だった。
この国には、はるか昔に世界の危機を救った英雄の話が伝えられている。
英雄セインレスと聖剣レクレヴァスの伝説だ。
ヴィシャス城の敷地内の訓練広場。
その中央で中年の兵士と少年が試合をしていた。
その周りには剣や槍などの武器を持った人々が集まっている。
戦っている中年の兵士の方は、鍛え上げられた体格といい、的確で素早い剣技といい並の腕ではない。
一方、少年の方は17くらいで、濃い茶色の髪に紅い瞳。
武器は斧…というより鎌に近い形をしていた。
周りの人々は二人の戦いに見入っていた。
剣と斧のぶつかり合う音が響いている。
中年兵士は剣を素早く振り下ろす。
その強力な一撃を少年は受け止めようとするが、
力に押されて少年の斧が吹っ飛ばされた。
「さすが王国一の剣士。ソルゴ兵士長は強いな~」
戦いを見ていた兵士のうちの一人が、ソルゴを尊敬の眼差しで見ていた。
ソルゴと呼ばれる中年の兵士は、この城の兵士たちを束ねる長だった。
「両者、そこまで!」
審判が試合を終了させた。
「よし、お前は合格だ。傭兵の証明書を授けよう」
ソルゴは証明書を少年に渡す。
少年は無言で証明書を受け取った。
「お前はなかなかの腕だな。名はなんという?」
ソルゴが少年に名を尋ねる。
「アシェド」
少年は無愛想に一言名乗った。
「もし正式に兵となれば上級兵士に昇格できるかもしれん。お前にはそれだけの腕がある。城の兵士として働く気はないか?」
ソルゴはアシェドの腕を見込んで聞いてみた。
「俺は金が目的です。十分な金さえ手に入ればここに用はありません」
アシェドは冷淡に断った。
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