リヒシャーンを出た、セディル、ユーリス、リファラの３人は目的の街に向かって進んでいた。

遠くの草むらから何かが出てきた。

丸っこい体型に真ん丸な耳、目がクリっとした動物…に見える。

「かわいい！なんの動物だろう？」
セディルが近づいて行こうと足を踏み出す。

「油断するな！あいつは魔物だぞ！外見に騙されて近づいた冒険者が襲われてるんだ！」
ユーリスが声をあげてセディルを止めた。

「ええっ！あんな魔物初めて見たぞ！」
セディルが魔物を見ながら目を丸くする。

200年前には見たことも聞いたこともない魔物だった。

「ここは、わたしにまかせて！」
リファラが前に進み出た。

「リファラ！」
ユーリスが不安気に見る。

「光よ我に力を…！」
リファラの手が光った。
魔物に向かって光を放つと、その光は矢となって魔物の体を貫いた。

それを見たユーリスは、すぐにリファラの正面に立った。

「その力は…！光の力じゃないか！」
ユーリスが喜びに満ちた顔をしていた。

「光の力…？これがそうなの？」
リファラが目をパチクリさせる。

「そうだよ！間違いない！もしかしたらリファラは光の一族に関係があるのかもしれない！そうなら記憶の手がかりも見つかるんじゃないか」
ユーリスは希望に満ちた目をしていた。

「わたし、初めてユーリスと会った時、どこか懐かしくて不思議な感じがしたの。だからユーリスといれば何かわかるかもしれない」
リファラが、真剣な眼差しをユーリスに向ける。

「おれは。君が記憶を取り戻すためならずっと一緒にいる。君を一人にさせたりなんかしない。約束するよ」
ユーリスは緊張しながらも頑張って伝えた。

「ありがとうユーリス」
リファラが嬉しそうに微笑んだ。

ーー