第1章
塔の近くまで来た。周りは人だかりができている。
塔が偽物なのではないかと疑い、注意深くじっと見つめた。
古ぼけた壁が何百年もの間建っていたという歴史を感じさせる。
十数年やそこらの年月しか経っていないようには到底思えない。
(間違いない!明らかにこの塔だ!)
強く確信した。
「…なのにこの町は一体…?この人の多さはなんだ…?」
不思議に思いながら塔の入り口の前に立った。
「こんにちは。ご見学ですか?」
近くにいた受け付けの女の人に声をかけられた。
「この中には魔物がいたんですが、どうしたんですか?」
受け付けの人に聞いてみた。
「魔物…?魔物はいませんよ」
受け付けの人は困ったような顔をしている。
確認しようと急いで塔の中に入った。
中には武器や道具などの展示品が置かれてあり、人々が見て廻っている。
「いらっしゃいませ」
案内人と思われる男の人がいた。
「これは…!?どういうことですか!?」
驚きに声が出た。
以前来た時とはあまりにも変わりすぎていたからだ。
「ぼくは、ついこの前までこの塔の中の魔物と戦っていたのに」
思わず口にしてしまった。
案内人や周りの人達に変な目で見られた。
「何言ってるんだ?あいつは?」
「おかしな子ねぇ。大丈夫かしら?」
などという声がざわざわと聞こえてくる。
「お客様。この塔に魔物がいたのは、もう200年ぐらいはるか昔のことですよ」
案内人は笑顔だったが呆れているようだ。
「200年…!?200年と言ったんですか?」
衝撃のあまり聞き返した。
「はい。200年ですが。どうされたのですか?」
案内人が疑問の表情を浮かべる。
「200年…?ウソ…だろ…?」
信じられなかった。
それを見ていた人々は、怪訝な顔をしていた。
「…冗談…ですよね?」
驚きの表情のまま案内人に聞く。
「冗談を言っているのはお前だろ」
いきなり警備員の男が現われ、腕を捕まれた。
「はなして下さい!まだ話が…!」
すっかり変わってしまった周りの様子に納得できない。
「他のお客さんの迷惑だ。さあ帰った帰った」
警備員に塔の外へ追い出された。
――――
塔の最上階まで辿り着いたら、急に光に包まれ、目が覚めたら異変が起こっていた。
塔の周りにあった森が町に変わり、魔物だらけだったはずの塔が観光の場所と化していた。
頭の中が混乱してしまい、何をどう整理したらいいのかわからない。
「200年…200もたったっていうのか…?」
不可解な出来事に、夢を見ているのではないかと疑う。
しかし、これが現実であるということを理解するしかないようだ…
(ぼくはどうして\"ここ\"に来てしまったんだ…?…どうして…?…)
何度も疑問を繰り返す…
今の現状を受け入れることができず、茫然と立ち尽くしていた…
――――
塔が偽物なのではないかと疑い、注意深くじっと見つめた。
古ぼけた壁が何百年もの間建っていたという歴史を感じさせる。
十数年やそこらの年月しか経っていないようには到底思えない。
(間違いない!明らかにこの塔だ!)
強く確信した。
「…なのにこの町は一体…?この人の多さはなんだ…?」
不思議に思いながら塔の入り口の前に立った。
「こんにちは。ご見学ですか?」
近くにいた受け付けの女の人に声をかけられた。
「この中には魔物がいたんですが、どうしたんですか?」
受け付けの人に聞いてみた。
「魔物…?魔物はいませんよ」
受け付けの人は困ったような顔をしている。
確認しようと急いで塔の中に入った。
中には武器や道具などの展示品が置かれてあり、人々が見て廻っている。
「いらっしゃいませ」
案内人と思われる男の人がいた。
「これは…!?どういうことですか!?」
驚きに声が出た。
以前来た時とはあまりにも変わりすぎていたからだ。
「ぼくは、ついこの前までこの塔の中の魔物と戦っていたのに」
思わず口にしてしまった。
案内人や周りの人達に変な目で見られた。
「何言ってるんだ?あいつは?」
「おかしな子ねぇ。大丈夫かしら?」
などという声がざわざわと聞こえてくる。
「お客様。この塔に魔物がいたのは、もう200年ぐらいはるか昔のことですよ」
案内人は笑顔だったが呆れているようだ。
「200年…!?200年と言ったんですか?」
衝撃のあまり聞き返した。
「はい。200年ですが。どうされたのですか?」
案内人が疑問の表情を浮かべる。
「200年…?ウソ…だろ…?」
信じられなかった。
それを見ていた人々は、怪訝な顔をしていた。
「…冗談…ですよね?」
驚きの表情のまま案内人に聞く。
「冗談を言っているのはお前だろ」
いきなり警備員の男が現われ、腕を捕まれた。
「はなして下さい!まだ話が…!」
すっかり変わってしまった周りの様子に納得できない。
「他のお客さんの迷惑だ。さあ帰った帰った」
警備員に塔の外へ追い出された。
――――
塔の最上階まで辿り着いたら、急に光に包まれ、目が覚めたら異変が起こっていた。
塔の周りにあった森が町に変わり、魔物だらけだったはずの塔が観光の場所と化していた。
頭の中が混乱してしまい、何をどう整理したらいいのかわからない。
「200年…200もたったっていうのか…?」
不可解な出来事に、夢を見ているのではないかと疑う。
しかし、これが現実であるということを理解するしかないようだ…
(ぼくはどうして\"ここ\"に来てしまったんだ…?…どうして…?…)
何度も疑問を繰り返す…
今の現状を受け入れることができず、茫然と立ち尽くしていた…
――――