第2章

約束した場所の町の入り口でセディルを待つユーリス。

ふと見ると、誰かが早足で真っすぐこちらに歩いて来るのが見えた。
帽子を被りスカートをはいている少女だ。

(えっ?お、おれ!)
ユーリスは周りを見回すが自分の近くに人はいない。

(女の子が急いでおれの所に来るなんて…これはチャンス到来か!)
目を閉じて自意識過剰になるユーリス。

「どうしました?僕に何かご用でしょうか?困ったことがあるなら力になりますよ」
ユーリスはカッコつけた口調で少女に声をかけた。

「何かしこまってるんだ?ぼくだよユーリス」
よく見るとその少女は見覚えのある顔、セディルだった。

「セ、セディル!?何女装してんだよ!?わからなかったじゃないか!」
ユーリスは、昨日とは全然違う格好をしているセディルを見て目を丸くしていた。

「女装じゃないよ。気分転換に服装を変えてみたんだ」
「どう見てもその格好は女装だろう。それにしても胸に少し詰めすぎじゃないのか」
ユーリスは、ピッタリした服を来て膝上のスカートを履いているセディルの姿を見てそう思った。

「失礼だなあ。この胸は本物だしぼくは女だぞ」
セディルはあっさりと口にした。

「そうかそうか女か……って……えーーっ!!??」
衝撃な真実に驚きの声をあげるユーリス。

「しっ!声が大きいって…!」
セディルはユーリスを静かにさせる。

「え?何!?女!?セディルが女だって!?」
ユーリスの頭は混乱していた。
まさかセディルが女だとは思ってもいなかった。

「そうだよ。もしかして気付かなかった?」
セディルはあっけらかんとして聞く。

「気付くも何も、年下か同い年くらいの男かと思ってたぞ」
驚きの顔のままのユーリスが答えた。

「あはは!まあ、あの格好じゃ間違えられるかもね」
「あははじゃないよ~おれ、ホントにビックリしてんだぞっ」
笑いながら答えるセディルに対し、ユーリスの動揺はまだ収まっていないようだった。

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