第2章
そして朝―
旅支度を整えたユーリスは屋敷を後にした。
ユーリスは町の出口に向かって歩いていた。
「君かわいいねー。この町に住んでるの?」
「オレ達を案内してくれないかなー」
ユーリスは、突然二人組の男に声をかけられる。
格好からして旅人だがガラが悪そうだ。
(コイツら、おれを女だと思ってるな。ハァ~またかよ…)
性別を間違えられることには慣れているユーリスだが、いい気分ではない。
ここは町の中でもよく人が通る場所で、周りには人がいる。
「すみません。僕は男なんです」
ユーリスはあくまで謙虚な態度で断った。
「そんな冗談言わないでよ。つれないじゃないか~」
「そうだよ、退屈させないからさ~」
二人はユーリスの言葉を信じていないようだ。
「だから、おれは男だって言ってるだろーー!!」
しつこいのでユーリスは男達に怒鳴りつけた。
先ほどまでとは一転し、その外見からは想像もできないようなユーリスの態度に男二人はたじろぐ。
(し、しまった!)
怒りで思わず素を出してしまったユーリス。
「あそこにいるの、リューエル家のお坊っちゃんだよな」
「今の声ってユーセリアス様だったのか?」
「あの人って穏やかな方だと思っていたけど…」
いつの間にか周りの人々がユーリスに注目していた。
(やばっ!ど、どーしよ~!もしオヤジにバレたら恐ろしいことになる~)
ユーリスの顔が青くなっていく。
(くそっ!こうなったら一か八か…!)
何かを思いついたユーリス。
「す、少しやりすぎましたが。こ、こんな感じで脅せばよかったんですよね。きっと…」
ユーリスは言葉を付け足してフォローした。
「なるほど。あいつらを怯ませるためにやったんだな」
「すごい演技ね。さすがだわ」
「勇敢でしたよ。ユーセリアス様!」
周りの人々は納得してくれたようだ。
ユーリスの愛らしい容姿に加え、人々が知っているのは物腰柔らかなユーリスなのだ。
更に、良家のお坊っちゃんという身分が幸いしたのだろう。
(あー焦った。なんとかごまかせてよかったー)
ホッとしたユーリスは静かに歩き始めた。
旅支度を整えたユーリスは屋敷を後にした。
ユーリスは町の出口に向かって歩いていた。
「君かわいいねー。この町に住んでるの?」
「オレ達を案内してくれないかなー」
ユーリスは、突然二人組の男に声をかけられる。
格好からして旅人だがガラが悪そうだ。
(コイツら、おれを女だと思ってるな。ハァ~またかよ…)
性別を間違えられることには慣れているユーリスだが、いい気分ではない。
ここは町の中でもよく人が通る場所で、周りには人がいる。
「すみません。僕は男なんです」
ユーリスはあくまで謙虚な態度で断った。
「そんな冗談言わないでよ。つれないじゃないか~」
「そうだよ、退屈させないからさ~」
二人はユーリスの言葉を信じていないようだ。
「だから、おれは男だって言ってるだろーー!!」
しつこいのでユーリスは男達に怒鳴りつけた。
先ほどまでとは一転し、その外見からは想像もできないようなユーリスの態度に男二人はたじろぐ。
(し、しまった!)
怒りで思わず素を出してしまったユーリス。
「あそこにいるの、リューエル家のお坊っちゃんだよな」
「今の声ってユーセリアス様だったのか?」
「あの人って穏やかな方だと思っていたけど…」
いつの間にか周りの人々がユーリスに注目していた。
(やばっ!ど、どーしよ~!もしオヤジにバレたら恐ろしいことになる~)
ユーリスの顔が青くなっていく。
(くそっ!こうなったら一か八か…!)
何かを思いついたユーリス。
「す、少しやりすぎましたが。こ、こんな感じで脅せばよかったんですよね。きっと…」
ユーリスは言葉を付け足してフォローした。
「なるほど。あいつらを怯ませるためにやったんだな」
「すごい演技ね。さすがだわ」
「勇敢でしたよ。ユーセリアス様!」
周りの人々は納得してくれたようだ。
ユーリスの愛らしい容姿に加え、人々が知っているのは物腰柔らかなユーリスなのだ。
更に、良家のお坊っちゃんという身分が幸いしたのだろう。
(あー焦った。なんとかごまかせてよかったー)
ホッとしたユーリスは静かに歩き始めた。