第2章
その夜―
街の中にある教会のような屋敷。
その中の広い部屋で、二人の人物が椅子に座ってテーブル越しに話をしていた。
一人は可愛い顔をした少年ユーリス。
もう一人は、中年の高僧侶レハラルドだ。
闇の組織シュヴァという、正体不明の集団。
その怪しい者達の姿がちらほらと目撃されている。
しかも光属性の力を持つ者を狙っているという情報があった。
「シュヴァの一員という確かな証拠はないが、あの少年も我々を狙って町に侵入してきた可能性も考えられなくはない」
レハラルドはセディルのことをずっと考えて込んでいたのだ。
「もう、これ以上黙って見てはいられません。僕達に危機が訪れるのも時間の問題ではないでしょうか」
レハラルドの話を聞いたユーリスはいてもたってもいられなくなる。
「お前の言うとおりだ。このままシュヴァをのさばらせておくわけにはいかん。奴らに対抗するため、光属性の力を持つ者に呼び掛けて協力を求めよう」
こちらも結成しようとレハラルドは考えた。
「そうですね。そこで気になっていることがあるのです。光の一族の生き残りの血を引く者が存在するかもしれないという話です」
ユーリスが本題を切り出した。
「ああ、だがあくまで噂だ。はっきりとした確信ではないだろう」
「ですが、僕はいる可能性に掛けたいのです。そこで、お願いがあります」
ユーリスは真っすぐレハラルドを見た。
「僕はその光の力を持つ女性を探す旅に出たいのです」
真剣に頼むユーリス。
「旅とは決して楽ではない。書物で得た旅の知識だけで通るほど甘くはないのだぞ」
「覚悟はできています」
ユーリスの決心は揺らがない。
レハラルドはユーリスを見たまましばらく黙っていた。
「…わかった。お前がそこまで言うのなら仕方がない。旅にでることを許そう。…ただし」
レハラルドは更に続けてこう言った。
「途中で諦めて逃げ帰ることは許さん。自分で言いだしたからには責任を持て。わかったな」
レハラルドはユーリスに厳しく忠告した。
「はい。お許しをいただきありがとうございます」
ユーリスは頭を下げて礼を言った。
――
街の中にある教会のような屋敷。
その中の広い部屋で、二人の人物が椅子に座ってテーブル越しに話をしていた。
一人は可愛い顔をした少年ユーリス。
もう一人は、中年の高僧侶レハラルドだ。
闇の組織シュヴァという、正体不明の集団。
その怪しい者達の姿がちらほらと目撃されている。
しかも光属性の力を持つ者を狙っているという情報があった。
「シュヴァの一員という確かな証拠はないが、あの少年も我々を狙って町に侵入してきた可能性も考えられなくはない」
レハラルドはセディルのことをずっと考えて込んでいたのだ。
「もう、これ以上黙って見てはいられません。僕達に危機が訪れるのも時間の問題ではないでしょうか」
レハラルドの話を聞いたユーリスはいてもたってもいられなくなる。
「お前の言うとおりだ。このままシュヴァをのさばらせておくわけにはいかん。奴らに対抗するため、光属性の力を持つ者に呼び掛けて協力を求めよう」
こちらも結成しようとレハラルドは考えた。
「そうですね。そこで気になっていることがあるのです。光の一族の生き残りの血を引く者が存在するかもしれないという話です」
ユーリスが本題を切り出した。
「ああ、だがあくまで噂だ。はっきりとした確信ではないだろう」
「ですが、僕はいる可能性に掛けたいのです。そこで、お願いがあります」
ユーリスは真っすぐレハラルドを見た。
「僕はその光の力を持つ女性を探す旅に出たいのです」
真剣に頼むユーリス。
「旅とは決して楽ではない。書物で得た旅の知識だけで通るほど甘くはないのだぞ」
「覚悟はできています」
ユーリスの決心は揺らがない。
レハラルドはユーリスを見たまましばらく黙っていた。
「…わかった。お前がそこまで言うのなら仕方がない。旅にでることを許そう。…ただし」
レハラルドは更に続けてこう言った。
「途中で諦めて逃げ帰ることは許さん。自分で言いだしたからには責任を持て。わかったな」
レハラルドはユーリスに厳しく忠告した。
「はい。お許しをいただきありがとうございます」
ユーリスは頭を下げて礼を言った。
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