第1章
人気のない城の裏側――
ラスレンは斜めに剣を振り下ろす。
それをアシェドは鎌のような斧で受け止めた。
――二人は戦っている――
ラスレンの喋ったことを聞いてアシェドが理解できたのは、
闇の組織『シュヴァ』という集団がどこかに存在しているということ。
その集団シュヴァには闇の力を持つ者が集まっているようだ。
伝説の剣レクレヴァスと英雄セインレスの子孫を狙い、使者を送っているらしい。
詳しい話はラスレンの口から語られなかったため、アシェドにはよくわからなかった。
ラスレンはアシェドを闇の力を持つ集団組織シュヴァの一員ではないかと疑っていたのだ。
アシェドはラスレンの言動から心情を読み取り、うまく挑発して、戦う状況へと持っていった。
「なるほど…英雄の子孫という名誉だけで通っているわけではないんだな」
アシェドはやや嫌味混じりに言った。
「お前は一体何者なんだ?」
ラスレンは問いただす。
「さあ、なんでしょう?」
クイズを出すような軽い口調で答えるアシェド。
「さっきお前から感じた魔力は間違いなく闇の力だ!」
ラスレンは言いきった。
「へぇ。今ごろ気付いたのか」
薄笑いを浮かべ、わざとらしく言うアシェド。
英雄の子孫であるラスレンは聖なる光の力を持っている。
光の力を持つ者は闇の力に対して感覚が鋭く察知しやすい。
(初めて会った時は気付かないフリをしていたのか?そうは見えなかったけどなぁ)
アシェドはラスレンとの初対面を思い出す。
あの時のラスレンが、アシェドの闇の力に気付いている様子は見られなかった。
ラスレンなら、高い闇の力を持つアシェドの魔力にもすぐに気付きそうなはずなので、不思議に思っていた。
「シュヴァめ!覚悟しろ!」
ラスレンは再び剣を構える。
(どうやら、こいつは俺のことを勘違いしているようだな…でも戦いが面白くなりそうだから黙ってようっと)
アシェドは戦いを楽しんでいた。
それは…
憂さ晴らししたいからである。
戦う理由などどうでもいい。
戦いそのものがアシェドの楽しみであった。
ーー
ラスレンは斜めに剣を振り下ろす。
それをアシェドは鎌のような斧で受け止めた。
――二人は戦っている――
ラスレンの喋ったことを聞いてアシェドが理解できたのは、
闇の組織『シュヴァ』という集団がどこかに存在しているということ。
その集団シュヴァには闇の力を持つ者が集まっているようだ。
伝説の剣レクレヴァスと英雄セインレスの子孫を狙い、使者を送っているらしい。
詳しい話はラスレンの口から語られなかったため、アシェドにはよくわからなかった。
ラスレンはアシェドを闇の力を持つ集団組織シュヴァの一員ではないかと疑っていたのだ。
アシェドはラスレンの言動から心情を読み取り、うまく挑発して、戦う状況へと持っていった。
「なるほど…英雄の子孫という名誉だけで通っているわけではないんだな」
アシェドはやや嫌味混じりに言った。
「お前は一体何者なんだ?」
ラスレンは問いただす。
「さあ、なんでしょう?」
クイズを出すような軽い口調で答えるアシェド。
「さっきお前から感じた魔力は間違いなく闇の力だ!」
ラスレンは言いきった。
「へぇ。今ごろ気付いたのか」
薄笑いを浮かべ、わざとらしく言うアシェド。
英雄の子孫であるラスレンは聖なる光の力を持っている。
光の力を持つ者は闇の力に対して感覚が鋭く察知しやすい。
(初めて会った時は気付かないフリをしていたのか?そうは見えなかったけどなぁ)
アシェドはラスレンとの初対面を思い出す。
あの時のラスレンが、アシェドの闇の力に気付いている様子は見られなかった。
ラスレンなら、高い闇の力を持つアシェドの魔力にもすぐに気付きそうなはずなので、不思議に思っていた。
「シュヴァめ!覚悟しろ!」
ラスレンは再び剣を構える。
(どうやら、こいつは俺のことを勘違いしているようだな…でも戦いが面白くなりそうだから黙ってようっと)
アシェドは戦いを楽しんでいた。
それは…
憂さ晴らししたいからである。
戦う理由などどうでもいい。
戦いそのものがアシェドの楽しみであった。
ーー