こぼれ話(設定や短編)
元暁のお父さんと大先生(大体寝てる)とおじさんの三人で雑談と酒を楽しむ夜。星の危機が迫る時には話さなかったような身の上話から他愛もない猥談へと会話が転じる。
「旦那、ヴィエラの里はハーレム状態だって噂を聞いたことがあるんだが、本当の所どーなんだ?」
ああ、ハーレムはハーレムだがルールがあってな。そんなに楽しいもんじゃないよ。
「ルール?詳しく聞きたいな」
聞きたい?まあ、良いけど。俺が恥ずかしいからあんまり人に話すなよ。
「勿論だ。なあ大先生」
「………」
ふむ。
氏族によって掟が異なるが、俺の里ではこうだった。
まず、サンクが想像しているような「里に帰ったら女に囲まれて即乱行パーティー」は残念ながら無い。
一応婚姻関係ってものがあってな、族長の血筋に近く、若く美しい女性が妻に選ばれて、独り立ちした男と婚姻の儀を行う。
妻には色々役割があるんだがそれは今は置いておこう。
子作りの為に里に帰った晩、まず妻を満足させる事は絶対だ。
それまで他の女に手を出す事も、女達が妻を差し置いて男に手を出す事もない。
妻を満足させた後もまだヤれる場合は天井から垂れてる紐を引く。
「紐?」
そう紐。
すると屋根裏に仕掛けてある鈴が鳴って、その音を聴いた「子供を授かれる女」が家の前へやってくる。
妻が一人を迎え入れて俺とその女は宜しくやるわけだ。
行為が終わったら女は去る。
まだヤれる場合はまた鈴の紐を引く。
次の女が来る。これを七晩続ける…。
「七晩!?」
妻が子を授かれる期間らしい。
この紐ひきだが、初夜は意地みたいなものがあって、俺も見栄を張って頑張るわけだ。
妻と二回して、他の女を三人呼んだ。
だが流石に最後の方は出なくなってきてな、段々女の方が無理やりになってくる。
え?そう。俺が無理矢理やられる方。仰向けの俺に女が跨って、妻がタマとケツ攻めてきて…ってこんな生々しい話聞きたいか?
いや、照れるから褒めるなよ。若かったから頑張れただけだって。
でも二日目以降はそんなに頑張れない。体力はあっても気疲れが酷い。
妻はいくらでも尽くしてくれるし、他の女も俺と妻を愉しませる為に工夫を凝らしてくれるんだが、とにかく落ち着かないんだ。
何年も男だけで森で過ごしてるから、集落の人の気配も、女の匂いも柔らかさも全てが神経を刺激する。
だから一日を通して妻の他にもう一人、多くて二人くらいとしかやれなかったな。
あんまし男にやる気が無いと、やる気が出る薬湯を呑まされる場合もある。飲み過ぎると廃人になるって噂があるやつな。
女側はもっと呼んで欲しかったかもしれないが、男側からすると軟禁状態で種馬させられてるようなもんだ。
女達は美しいが流石に段々萎えてくる。
「そいつは夢みたいな状況だが、恐ろしいな。その、妻以外の女に子が出来た場合はどうなるんだ?」
妻の役割のひとつだが、女の中で子供を授かった者が出た場合、子供を産んだ女と妻が一緒に子育てをする。
妻しか授からなかった場合は、俺とやった女のうちから数人と妻が一緒に子育てするんだ。
俺の妻は最初の子作りで双子を産んで、二人の女が一緒に子育てしてくれた。
基本的には里の皆で子供を見るんだが、この三人が母の役割を担うんだ。
俺にも母が二人いた記憶があるが、どちらが"産んだ母"なのか思い出せない。
「女達で協力して子育てする訳か。必死に子供を授かろうとしてるように聴こえるが、頻度はどのくらいなんだ?」
子作りの頻度?大体5年足らずだけど、森の声による。色々あって、…本当に色々あって、次に妻に会ったのは10年後だったよ。
「……森の声が子作りをしろと言うのですか?興味深いですね」
「大先生起きてたのか」
らしい。俺には聴こえなかったが。
まあ、これがハーレムの実態だよ。決められた時期と期間に決められた女と子作りをしながら、里全体から搾り取られるわけだ。
羨ましいだろ。
「想像してたハーレムとは違うが、面白い話だった。羨ましいから一晩限りなら俺も参加してみたいね」
俺には森の外の世界の恋愛や家族関係が羨ましいよ。
「………」
22.09.25
「旦那、ヴィエラの里はハーレム状態だって噂を聞いたことがあるんだが、本当の所どーなんだ?」
ああ、ハーレムはハーレムだがルールがあってな。そんなに楽しいもんじゃないよ。
「ルール?詳しく聞きたいな」
聞きたい?まあ、良いけど。俺が恥ずかしいからあんまり人に話すなよ。
「勿論だ。なあ大先生」
「………」
ふむ。
氏族によって掟が異なるが、俺の里ではこうだった。
まず、サンクが想像しているような「里に帰ったら女に囲まれて即乱行パーティー」は残念ながら無い。
一応婚姻関係ってものがあってな、族長の血筋に近く、若く美しい女性が妻に選ばれて、独り立ちした男と婚姻の儀を行う。
妻には色々役割があるんだがそれは今は置いておこう。
子作りの為に里に帰った晩、まず妻を満足させる事は絶対だ。
それまで他の女に手を出す事も、女達が妻を差し置いて男に手を出す事もない。
妻を満足させた後もまだヤれる場合は天井から垂れてる紐を引く。
「紐?」
そう紐。
すると屋根裏に仕掛けてある鈴が鳴って、その音を聴いた「子供を授かれる女」が家の前へやってくる。
妻が一人を迎え入れて俺とその女は宜しくやるわけだ。
行為が終わったら女は去る。
まだヤれる場合はまた鈴の紐を引く。
次の女が来る。これを七晩続ける…。
「七晩!?」
妻が子を授かれる期間らしい。
この紐ひきだが、初夜は意地みたいなものがあって、俺も見栄を張って頑張るわけだ。
妻と二回して、他の女を三人呼んだ。
だが流石に最後の方は出なくなってきてな、段々女の方が無理やりになってくる。
え?そう。俺が無理矢理やられる方。仰向けの俺に女が跨って、妻がタマとケツ攻めてきて…ってこんな生々しい話聞きたいか?
いや、照れるから褒めるなよ。若かったから頑張れただけだって。
でも二日目以降はそんなに頑張れない。体力はあっても気疲れが酷い。
妻はいくらでも尽くしてくれるし、他の女も俺と妻を愉しませる為に工夫を凝らしてくれるんだが、とにかく落ち着かないんだ。
何年も男だけで森で過ごしてるから、集落の人の気配も、女の匂いも柔らかさも全てが神経を刺激する。
だから一日を通して妻の他にもう一人、多くて二人くらいとしかやれなかったな。
あんまし男にやる気が無いと、やる気が出る薬湯を呑まされる場合もある。飲み過ぎると廃人になるって噂があるやつな。
女側はもっと呼んで欲しかったかもしれないが、男側からすると軟禁状態で種馬させられてるようなもんだ。
女達は美しいが流石に段々萎えてくる。
「そいつは夢みたいな状況だが、恐ろしいな。その、妻以外の女に子が出来た場合はどうなるんだ?」
妻の役割のひとつだが、女の中で子供を授かった者が出た場合、子供を産んだ女と妻が一緒に子育てをする。
妻しか授からなかった場合は、俺とやった女のうちから数人と妻が一緒に子育てするんだ。
俺の妻は最初の子作りで双子を産んで、二人の女が一緒に子育てしてくれた。
基本的には里の皆で子供を見るんだが、この三人が母の役割を担うんだ。
俺にも母が二人いた記憶があるが、どちらが"産んだ母"なのか思い出せない。
「女達で協力して子育てする訳か。必死に子供を授かろうとしてるように聴こえるが、頻度はどのくらいなんだ?」
子作りの頻度?大体5年足らずだけど、森の声による。色々あって、…本当に色々あって、次に妻に会ったのは10年後だったよ。
「……森の声が子作りをしろと言うのですか?興味深いですね」
「大先生起きてたのか」
らしい。俺には聴こえなかったが。
まあ、これがハーレムの実態だよ。決められた時期と期間に決められた女と子作りをしながら、里全体から搾り取られるわけだ。
羨ましいだろ。
「想像してたハーレムとは違うが、面白い話だった。羨ましいから一晩限りなら俺も参加してみたいね」
俺には森の外の世界の恋愛や家族関係が羨ましいよ。
「………」
22.09.25
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