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その後
𝙽𝚊𝚖𝚎
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呼んだタクシーはすぐに来た、皆と一緒に千空を見送って「明日遅刻すんじゃねーぞ。」と休みなしを告げられた。
それは別に構わないし有難い、今までもずっとてを動かすことで辛い事悲しいこと寂しい瞬間を誤魔化してきた。
明日から更に忙しくしないとどうにかなりそうだ。
二次会に行くであろうメンバーで集まって話しているのを横目にほっと一息いつく、これでやっと1人になれる。
誰にも憚られず今日の痛みを涙にして流してしまう事ができる。
輪の中から影の薄い私が抜けたところで誰も…いや、千空がいたら真っ先に気づかれていただろう。
そういう人の管理にも抜けめの無い人だからこそ一緒に仕事をしたいと思ったのだ。
そっと後ろ歩きで私が抜けたことも気づかないほど盛り上がり、お店の前で二次会の場所選びをしている愛おしい人を目に焼き付けながら前を向いた。
「ゲン、大好きだよ。」
それなりの声量で独り言を言っても影の薄い私の声は誰にも聞こえていないんだろうな。
今日は家まで徒歩で時間をかけて帰ることにする。
改めて声に出すと堰を切ったように涙が溢れて家に着くまでずっと視界が歪んでいる。
空耳かもしれないクシャリと紙を丸めたような音が耳元で聞こえてそれはまるで元に戻る事のない私の心臓を握り潰すトドメを刺した音に聞こえた。
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