高橋が姉貴の家に泊まり始めて、数週間。高橋は、賃貸を探し出した。

「いやー、この道を歩くのもあと数日ですねー。」と寂しそうな声で言う。

「いや、別に賃貸が見つかったところで、ここに来ちゃいけないって訳じゃないやろ。」と促す。

「あ、そうですかね！お姉様もそんなこと言ってくれますかね。」と聞いてくるので、

「もちろんやで。」と応えてやった。

姉貴の家の玄関につき、ドアを開けようと、鞄から鍵を取り出そうとする。

ん？鍵がねぇ。

鞄の中をごそごそといじっていると、「え、シャオロンさんどうしたんですか？」と聞いてくる。

記憶を辿ると、今日の昼にロッカーの鍵をかけて、鍵束をそのまま机の上に投げた記憶が…

「あーいやー、鍵、職場に置いて来ちゃったみたい…。」と苦笑いしながら言う。

「えっ…」と高橋は驚いた顔をし、「お姉さん今日は遅いって行ってましたよ？」と言ってきたので、

「そうなん！！どないしよ。」と、焦り始める。

女の子をココに置いてきぼりにする訳にもいかないので、「うーん、とりあえず、飯を食べにでも行くか。」と伝える。

「そうですね！」と、高橋は提案に乗ってくれた。