短編
ギュスターヴとリゼット
ギュスターヴが記憶を得た時 彼は手にレ・ミゼラブルの本を持っていた
自分の生きた過去がフィクションになっていたため ピレリやトビーはこの世界にはいないのかもしれないと落胆した
二度目の人生だが 両親と暮らすのは初めてだった その幸せを改めて噛み締め ふとゼロがこれを作ったのかどうかを考えるようになった
転生しているのは自分に関わる人たちだけ
記憶があったのは今のところフュベールとファリエールだけ リゼットには会えていない
きっとゼロだろう もう一度やり直して 今度こそ全てを幸せな展開にしようとするあたり彼女の発想の感じがした
幸せが続いていたら というもしもの世界を見ていた
やがてモンパルナス駅へと戻ってきた彼は デイビーとトビーと再会する
その話を聞かされた前世からの友人であるレナルド・ファリエール
今世で再会を果たしてからは時々会っていた
ファリ「前世の友人?前の時言ってたロンドンの?」
ダステ「あぁそうだ」
ファリ「写真ないのか?」
ダステ「ないぞ」
ファリ「歳上って聞いてたから気になるんだが…」
ダステ「…そのあたりのことは話すとややこしくなるが 今は歳はそう変わらない」
よくわからないがまぁいいか と思ったファリエールは なんとなく聞きたかったことを思い切って言ってみた
ファリ「…で リゼットは」
その名前を言われると ギュスターヴはため息をつく ファリエールはすでに知っていたが 彼はリゼットのことも見かけてはいた 家からそう遠く無い場所にある花屋にいた
話しかけて確認してみたいが 記憶がないとしたら初対面になる どう話しかけるのが正解か どう探るべきなのか
トビー「記憶あると思いますよ 僕の周りは基本みんなありましたから」
幸い両親に前世の記憶が無く健やかに育ったトビーの経験上 覚えていない方が幸福である人に記憶は無く また覚えていても乗り越えられる人には一部の記憶もしくはほとんどの過去の記憶がある
当時生きていた頃より鮮明に蘇る記憶は 思い出してくれというゼロの思いがこもっている気がする
となれば リゼットにギュスターヴの記憶がないということはないだろうと トビーは彼の背中を押した
遠巻きに見守るデイビー トビー ファリエールは リゼットが話しかけてきたギュスターヴを見て抱きしめたのを見てガッツポーズをした後 顔を見合わせる
ファリ「…似てるというか 同じだよな」
デイビー「話すとややこしくなる」
ファリ「言うことも同じか…」
店の奥からリゼットの兄 アンドレ=ギュスターヴが出てくる リゼットがいるなら もしかしたらとどこかで思っていた
妹が突然店に来た客に抱きついたので驚いていたが ただなんとなく 本当に少しだけ 目の前の男性に懐かしさのようなものを感じた 彼の方は事情を理解しているらしく 話を聞くと恋人らしい
初耳なのでまじまじ見ていると 初対面の彼はアンドレを見て気まずそうな顔をしている 緊張なのかわからないが アンドレは笑顔で接してみる
すると背後からこちらに向かって走ってくる別の男性の姿 すごい表情
記憶の無いアンドレだったが この後3人は親友となっていく
知らないことの方が多い あの時知ることもなかった一面を見るたびに なんだか嬉しくなった
リゼット「今度は あなたのお友達に会っていいかしら」
ダステ「誰に?」
リゼット「あなたと…当時なかったカラーの写真に写っていた人たち」
ダステ「なんで写真のことを!?」
そしてリゼットが彼らと会う日も近い
END
ギュスターヴが記憶を得た時 彼は手にレ・ミゼラブルの本を持っていた
自分の生きた過去がフィクションになっていたため ピレリやトビーはこの世界にはいないのかもしれないと落胆した
二度目の人生だが 両親と暮らすのは初めてだった その幸せを改めて噛み締め ふとゼロがこれを作ったのかどうかを考えるようになった
転生しているのは自分に関わる人たちだけ
記憶があったのは今のところフュベールとファリエールだけ リゼットには会えていない
きっとゼロだろう もう一度やり直して 今度こそ全てを幸せな展開にしようとするあたり彼女の発想の感じがした
幸せが続いていたら というもしもの世界を見ていた
やがてモンパルナス駅へと戻ってきた彼は デイビーとトビーと再会する
その話を聞かされた前世からの友人であるレナルド・ファリエール
今世で再会を果たしてからは時々会っていた
ファリ「前世の友人?前の時言ってたロンドンの?」
ダステ「あぁそうだ」
ファリ「写真ないのか?」
ダステ「ないぞ」
ファリ「歳上って聞いてたから気になるんだが…」
ダステ「…そのあたりのことは話すとややこしくなるが 今は歳はそう変わらない」
よくわからないがまぁいいか と思ったファリエールは なんとなく聞きたかったことを思い切って言ってみた
ファリ「…で リゼットは」
その名前を言われると ギュスターヴはため息をつく ファリエールはすでに知っていたが 彼はリゼットのことも見かけてはいた 家からそう遠く無い場所にある花屋にいた
話しかけて確認してみたいが 記憶がないとしたら初対面になる どう話しかけるのが正解か どう探るべきなのか
トビー「記憶あると思いますよ 僕の周りは基本みんなありましたから」
幸い両親に前世の記憶が無く健やかに育ったトビーの経験上 覚えていない方が幸福である人に記憶は無く また覚えていても乗り越えられる人には一部の記憶もしくはほとんどの過去の記憶がある
当時生きていた頃より鮮明に蘇る記憶は 思い出してくれというゼロの思いがこもっている気がする
となれば リゼットにギュスターヴの記憶がないということはないだろうと トビーは彼の背中を押した
遠巻きに見守るデイビー トビー ファリエールは リゼットが話しかけてきたギュスターヴを見て抱きしめたのを見てガッツポーズをした後 顔を見合わせる
ファリ「…似てるというか 同じだよな」
デイビー「話すとややこしくなる」
ファリ「言うことも同じか…」
店の奥からリゼットの兄 アンドレ=ギュスターヴが出てくる リゼットがいるなら もしかしたらとどこかで思っていた
妹が突然店に来た客に抱きついたので驚いていたが ただなんとなく 本当に少しだけ 目の前の男性に懐かしさのようなものを感じた 彼の方は事情を理解しているらしく 話を聞くと恋人らしい
初耳なのでまじまじ見ていると 初対面の彼はアンドレを見て気まずそうな顔をしている 緊張なのかわからないが アンドレは笑顔で接してみる
すると背後からこちらに向かって走ってくる別の男性の姿 すごい表情
記憶の無いアンドレだったが この後3人は親友となっていく
知らないことの方が多い あの時知ることもなかった一面を見るたびに なんだか嬉しくなった
リゼット「今度は あなたのお友達に会っていいかしら」
ダステ「誰に?」
リゼット「あなたと…当時なかったカラーの写真に写っていた人たち」
ダステ「なんで写真のことを!?」
そしてリゼットが彼らと会う日も近い
END