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第四章 ゼロ・イストワール

時間の戦い

クロノスフィアが一定の速度以上になると 水の渦の中へ入る 周りの景色が変わり 水を抜けると そこには上下が海の空間が広がる

時を超えるクロノスフィアで来ることができるこの場所は 時間の海と呼ばれる場所
水が隆起している場所には映像が映っている それら全てが過去の内容

ティナ「…行くぞ」

彼らは過去へ向かう しばらく時間が経った先へは向かわない


タイムの城の中では 同じ姿をしたタイムとエターナルが対峙していた
周りをミニッツ数体が囲む

エターナル「分がお前の味方か」
タイム「…時間には誰も勝てない」
エターナル「だがお前にはどうだろうか 時間の化身よ」

エターナルは体から複数本の剣を生み出す それらを操り タイム目掛けて放つ
それら全て動きが止まり ミニッツがエターナルに向かって殴りかかる

エターナル「便利なお仲間だ…人間どもよりよっぽど役に立つ」

エターナルはミニッツたちを殴り 蹴飛ばし 削れるたび セコンズたちはまたミニッツに戻ろうとする

タイムは時間を止めた剣の下から抜け出し 剣は地面に落ちる
王笏の底で地面を叩くと 王笏の砂時計に時間の力が集まる それをエターナルの出した剣に放つと 青く光る電気のような力をまとった剣が浮き上がり エターナルに向かって突撃する

エターナル「あぁそれは全部ゼロの力か!」

エターナルが剣の方へ腕を振ると 剣は元の形を失いただの影になる

王笏には昔ゼロが力を与えていた
本来のタイムの王笏にはない 時間の力を集め より強力な力で戦うためのものだ
時間の力を電気の力に変換し それを操り攻撃する

タイムを攻撃しようとすると ミニッツが盾になる その隙に時間を操り 至近距離まで近づき攻撃し また離れる

タイムはエターナルに決定打を与えられるような能力は持っていなかった
時間を操って動きを遅くしたり体を止めてもしばらくすると解けてしまう
タイムにできるのはテナルディエたちと同様時間稼ぎだった

エターナル「同じことの…繰り返しか!?」

エターナルがタイムを捕まえようと跳び上がり手を伸ばす
間一髪帽子に触れられただけで 逃れる

タイムの帽子が地面に落ちるだけですんだが すでに触れられてしまうような状況になっていた

タイム「そう長くは持ちそうにないか…ゼロはまだか…?」

エターナルの時間をまた止める その間にゼロの状況を確認するために目を閉じ 城の中を視る
まだ水の中に囚われている

ミニッツが攻撃される音が聞こえ 目を開けると 目の前に同じ顔があった

エターナル「私の前で人の心配か ずいぶん余裕だな タイム」

同じ顔 同じ声 真っ黒な目がタイムを睨みつける
腕を掴まれる セカンズは合体しようとするが もう何度も攻撃を受けたせいで なかなか動けない

エターナル「なんならお前の心臓 一思いに破壊してもいいんだぞ」

エターナルはまた体が動かないことに気づく すでにタイムの姿はない 歯車の回る音でようやく背後にいることに気づく

タイム「…私を攻撃できるのか?」
エターナル「お前はタイム 名前は知っている」

タイムは目を閉じる エターナルは手に短剣を持っている 刃はタイムの腹部を貫く
時間が経つほど タイムの力が及ばなくなっている

タイム「あぁ そうか…」

タイムの体は半人間半機械 その機械の部分を攻撃され 血は流れないが 苦しそうにする
エターナルは刃を抜き 再び振り上げる
その時 別の場所の音に気づく

エターナル「やつらが戻ってきた…クロノスフィアが戻ると厄介だな…」

タイムは立てない 力もほとんど効かなくなった 放っておいていいだろう クロノスフィアを優先するためエターナルはそこから立ち去る
傷ついたセコンズたちがタイムの周りに集まる

タイム「大丈夫だ…クロノスフィアさえ戻れば…ぐっ…」

胸に鋭い痛みが走る チョッキを開くと文字盤のヒビが広がっている
痛みに耐えながら力を使ったが 無理をしすぎたようだ 城とタイムの体に残るエネルギーを使いすぎれば 大時計が壊れる時間も早まる

タイム「…行くか」

後頭部の歯車から火花が散る
目の光が少し弱くなる

明らかにタイムは弱ってきていた



時間の海をまた戻ってきていた彼らは 現在の方面へ向かっていると 現れた渦に呑まれ 今現在の城の中へ戻される

ダステ「タイムがやったのか…?」
ティナ「助かった!適当に突っ込まないといけないところだった」

クロノスフィアから降りると小さくなる それを手に取り大時計へ向かう

ティナ「トビー 話した通りだ タイムを探して集会所へ向かえ」
トビー「分かりました お気をつけて…」

途中トビーと別れ テナルディエとギュスターヴの2人行動になる

テンプスがどうなったのか タイムはまだ大丈夫なのか 何もわからないが 今はクロノスフィアを戻さなければならない
テナルディエは今度は落とさないよう しっかりと手に握る

エターナル「私のためにクロノスフィアを持ってきてくれたかテナルディエ」

彼らの前にエターナルが立ちはだかる
クロノスフィアを寄越せと手を伸ばすエターナルだが 渡すはずもない

エターナル「なぜ渡さない タイムは傷を負い力も失いつつある ゼロは捕まえた テンプスはもう死ぬだろう もう諦めろ お前たちに何ができる ただの人間 ただの悪役 何の力もない乞食が」
ティナ「なんだと?」
エターナル「私に従えば お前たちの世界は助けてもいい 協力者は我々バグには重要だ 私は運命を変える力を手にするんだ お前の運命を変えてもいいんだぞ」

だがテナルディエもギュスターヴも それ以上エターナルには近づかない
信用ならない すでに一度殺意は向けられている

エターナル「…そうか」
タイム「ギュスターヴ!テナルディエ!早く離れろ!」

タイムの言葉はすでに遅く エターナルは影を伸ばす 横殴りの攻撃を受け2人の体は吹き飛ばされる ほとんど手すりのない通路から そのまま何メートルも先の闇に向かって落ちていく

ティナ「うわああああ!!」

攻撃を受けた衝撃でギュスターヴは気を失い パニックになったテナルディエも指輪を使うことができない

ウィル「ご主人様ーー!?」

ウィルキンズの叫び声がする
タイムも通路から飛び降りたのだ
思いもよらない行動にエターナルは驚いたが この高さだ

エターナル「ついでにクロノスフィアが壊れてくれでもすれば…しかし…」

急いで彼らが落下してそうな場所へ向かう


まだ落ちるテナルディエたちをタイムはなんとか空中で捕まえる 手に持っていた王笏を横へ投げる
王笏は壁にあたり そこで火花が散る

彼らの周りの時間の流れを遅くし 落ちる速度を緩める

タイム「まだかウィルキンズ…!」

タイムの後頭部の歯車からは火花が散り 煙があがる これだけでもかなりのエネルギーを使うことになってしまう

ガシャガシャと大きな機械が向かってくる足音が下の方からする 時間操作に限界がきて また落下スピードが戻ると 横の通路から跳びあがったミニッツが彼らを捕まえ 隣の通路に無事着地する

走って向かってきたミニッツの肩にはウィルキンズが乗っていた

ウィル「なんて無茶を!どうしてあなたはそう躊躇なく飛び降りれるんですか!!…テナルディエ様ダステ様!クロノスフィアは…!?」
ティナ「…だ…大丈夫だ…ちゃんと掴んでる」

テナルディエはしっかりとクロノスフィアを握りしめたまま落ちていた


タイムが苦しそうに胸を抑え 苦しそうな声をあげる
バチバチと火花の音も聞こえる 様子がおかしい エターナルの攻撃を酷く受けたのかと思い見ると 腹部に刺された痕がある

ティナ「刺されたのか?まずいだろ…!」
ウィル「こ…これくらいご主人なら大丈夫です それよりも力の使いすぎです クロノスフィアを早く戻さないと 全てのエネルギーを使い切って 死んでしまいます!」

タイムが苦しんでいる原因は戦ったこととテナルディエたちを救うために力を使いすぎたせいだとわかり テナルディエは焦る
ギュスターヴもなんとか目を覚まし 状況を把握する

ティナ「なんで助けたんだ…!指輪の力がかかっているから最悪大怪我だろうと助かったはずだってのに!」
タイム「…見捨てられる…はずがない…君たちは大切な友だ」
ダステ「タイム…すまない…」
タイム「クロノスフィアが戻れば…問題ない…先に行ってくれ…お前たちならできる 信じているぞ…」

テナルディエとギュスターヴはもう一度と立ち上がり 再び大時計を目指すしかなかった
ゼロはまだ戻らない

残ったウィルキンズはうずくまるタイムに寄り添う

ウィル「ご主人…これが終わればきっと二度とこんなにも苦しむことはないですから 頑張ってください…」
タイム「このくらい…すぐにおさまる…すぐに追いかけるぞ」
ウィル「そ そんなにすぐ立っては…」
タイム「万物の大時計は…無敵の機械だ そうだろう?急げウィルキンズ!」

青い光はまだ消えていない
タイムとウィルキンズも 大時計の元へ向かい始める

トビーは途中タイムとすれ違い そのまま集会所へは向かうよう言われる
本当は力が弱っているであろうタイムを避難させるようテナルディエとギュスターヴに頼まれていたが タイムは使命のためだと断った


…先に向かっていたテナルディエたち
しかし地面から伸びた影がギュスターヴの左足を掴み動きを止め 離れた場所からバグのエネルギーが放たれ ギュスターヴの装具を破壊する
それによりギュスターヴは倒れこんでしまう

ティナ「ギュスターヴ…!」
ダステ「…エターナルが来る 先に行け 私は…名前を知られている」
ティナ「1人で行けってのか?無理だたどり着けるかどうか…」
ダステ「だがどうする 指輪の力があるとして 私を担いで時計へ向かうのか?私はもう戦力にならない わかるだろう…こうなったら立つこともできないんだ!」

テナルディエはまだ迷う 危険な状況だが この状態のギュスターヴを見捨てるのは後味が悪くなる
何よりクロノスフィアを持ち 残り1人で台座まで行かなければならない

ダステ「お前がやるしかない…信じているぞ」
ティナ「俺がどんな人間かお前なら知ってるだろ なぜ信じられるんだ」
ダステ「友だからだ」

テナルディエはクロノスフィアを強く握る
誰もが彼に信じるという言葉を言う 彼は 彼らの力を信じず真っ先に一度逃げることを選んだというのに
エターナル側につかないとなぜ言い切れるのか ゼロもテンプスもタイムも 知っているはずだ 今までの所業全て

友だから 信じるのか?
そんなにも…強いものなのか?

ティナ「…なら」

話しているうちにエターナルはすぐそこまできていた テナルディエはギュスターヴから離れ 大時計へ向かう

ギュスターヴは足を引きずる 手すりも柱も側にない通路の真ん中 バラバラにされた大切な補装具 もう立ち上がることはできない

エターナル「物語は終わったお前の運命がここで終わる 物語自体変えられなくて残念だが 1人でも多く消し去ってやる…手間取らせやがって…」

エターナルは剣を振り下ろした
嫌な音が 響く


一方で大時計から少し離れた別の場所
エターナルの分裂したバグに捕らえられたゼロ
彼女の体を包み封じた力が僅かに弱まる…次の瞬間に液体は弾け消える

ゼロはようやく解放され ようやく息が吸えるようになり 咳き込む
封印が解け焦る分裂体がまだ万全でない彼女を狙うが その前に一太刀で切り裂かれ消え去る

ゼロ「…テンプス ごめんね 辛い思いをさせて」

テンプスは剣で体を支えるが それでも膝をついて体を起こすので精一杯だった 顔を上げられず 肩で息をする
まだ腕の呪いの封印が解けないゼロは腕をダラリと下にしたまま なんとか立ち上がる

ゼロ「君を治せたらいいんだけれど…まだ無理そうなんだ…」

血まみれの彼に近づき 優しく声をかける
いつもの声は聞けない これ以上無理をさせるわけにもいかない

ゼロ「今はゆっくり休んで…どうか死なないで テンプス」

顔が見えないのが心配だが もう行かなければ
彼らを助けると約束した いつまでも助けられてばかりいるわけにはいかない
腕の封印をなんとか対処しながら 大時計へ向かう


タイム「テナルディエ…私たちを裏切るのか!?」

中へ入ると タイムの悲痛な叫び声が聞こえる

ゼロ「クロノスフィアが…エターナルの手に…ある…?」

テナルディエとエターナルが台座の側に立ち
タイムが胸を抑えながら ウィルキンズと彼らの前に立つ
テナルディエが…クロノスフィアをエターナルに渡した…?
ギュスターヴの姿が見当たらない トビーは集会所だろうか



…状況は最悪のようだった

未だゼロの腕は元に戻らない

ゼロ「急がないと…!」



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