第四章 ゼロ・イストワール
戦う日のために
出会いから12年
集会所に テナルディエとゼロがいた
何やら深刻そうな顔で椅子に座り 机に紙を広げ話し合いをしている
ゼロが紙を指差し なぞる その動きを見ながらテナルディエは頷き 別の場所を指差し ゼロが首を振る
ゼロ「じゃあ今日のお礼 これで1週間分になるといいけど…」
ティナ「ありがたくいただいてくぜ」
ゼロ「いつも申し訳ないよ…」
ティナ「良い稼ぎになる仕事だ 悪くはねぇよ」
そう言って テナルディエは自分の世界に戻った
紙をしまい ゼロはタイムの城へ向かった
城内のどこにいるか 想像力で調べれば早いが 何にでも力に頼るのはいいことではない
時間は十分にあるから 歩いて探す方を選ぶ
しばらく歩いていると タイムより先にウィルキンズを見つけた
ゼロ「ウィルキンズー」
ウィル「おや ゼロ様 ご主人様をお探しですか?」
ゼロ「うん 今どこにいる?」
ウィル「お部屋で休んでおられます 場所はわかりますか?」
ゼロ「大丈夫!ありがとう」
ウィスキンズと別れ また歩き始める
集会所から彼が普段休憩に使う部屋までの道順は覚えている 何十年もこの城に来ているから 大体は問題なくたどり着ける
扉の前につき ノックをする
タイム「誰だ?」
ゼロ「ゼロだよ」
タイム「あぁ 入って良いぞ」
許可をもらい 扉を開ける
ぼんやりとした青い光に照らされている薄暗い城内と違い ここには蝋燭の暖かな光は揺れ 暖炉もついている
本棚や作業机 ゆっくり休める大きな椅子に チェス盤の置いてある机 タイムのコレクションも置いてある
時計がたくさん置いてあるのはタイムの書斎らしさを感じる
入ってすぐ左手側の作業机で何か作っているタイムは かなり集中した様子だった
机の上には綺麗に整列した道具と いくつもの細かいパーツが入った箱があり 作業の様子を覗き込むと 懐中時計の中の構造が見える
パーツは時計の部品だったらしい
ゼロ「…何してるの?」
タイム「オーバーホール」
ゼロ「あぁメンテナンスね」
分解清掃中らしいので 邪魔しないよう机から離れる いつも被っている背の高い帽子が椅子の上に置いてあったので 机の上に避けて 快適な椅子に座らせてもらうことにする
黙々と作業する彼や暖炉の火を眺め それから部屋の中を見渡す
ここ最近 また少し物が増えた気がする
ゼロ「その時計 誰かの?それか君が作ったやつ?」
一旦分解が終わり 洗浄の準備中の彼に 話しかけてみる
タイム「ピレリのものだ」
ゼロ「…てことは彼の父親の?君が持ってたんだ」
タイム「トビーに渡そうとしたんだが…結局預かった」
ゼロ「なるほど」
また作業に戻るタイムと 作業が終わるまで目的が果たせないゼロ
ただ暇をつぶしに来たわけではなさそうだと思ったのか タイムは手を止める
ゼロ「あ 私の用事は作業終わってからでいいよ」
タイム「今終わらせた」
ゼロ「あぁいつの間に時間…」
出会ってから タイムの強大な力を感じることは多々あったが 全く気づかないうちに行われるから 時間操作の能力とは恐ろしい
ゼロ「そろそろ…決めてくれたかな と思って」
タイム「物語が終わるまで待つと言っていたのはどうした」
ゼロ「うん…そうだけど どうしたらいいのかわからなくて」
時計をしまうタイム ゼロは彼が座るだろうからと立ち上がり 暖炉の前に移動する
どうぞ と手で椅子を指す 誘導されるまま タイムは座った
ゼロが机に置いた帽子をかぶり 彼女の言葉を待った
ゼロ「自信がなくなってきた 君たちを守りきれるのか この世界を ちゃんと最後まで…」
タイム「君が1人で守るわけではない テンプスも私もいるだろう」
ゼロ「…今の私が バグと戦うのは初めてなんだよ」
タイム「知っている テンプスから何度も言われている だが諦めれば 次こそ全て失う…君ならできるだろ?」
ゼロは不安そうな顔だった タイムは立ち上がり 彼女の右肩に手を置き 2度軽く叩く
タイムは彼女をまっすぐ見ていた 期待に応えられる自信がないゼロは 下を向く
ゼロ「みんなを危険にさらす…でもやらないといけない」
タイム「わかっているならやるんだ 最後まで」
ゼロ「…わかった よし やっぱり答えは物語が終わるまで待つよ 悩むのはやめだ 始めた以上 最後までやりきるよ」
ゼロに笑顔が戻る 一旦は良さそうだと安心したタイムは また椅子に座る
ゼロはタイムの前でいろいろと書き込まれた紙を広げ 話し始める
ゼロ「とりあえず防壁は作った 他の世界の守りは完璧…あとはここだけど」
タイム「無理なんだな」
ゼロ「やらない方がいい」
タイム「私たち以外いないこの場所なら まだ安全か…」
ゼロ「一番危険でもあるけどね…」
数日後 集会所
テンプスを除く全員が 集会所にいた
机に広げた紙を前に 真剣な面持ちでゼロの話を聞いていた
ゼロ「とりあえず整理するとこういうことだよね…」
ティナ「本当に大丈夫なのか?」
ゼロ「信じてよ 備えは十分にするからさ」
ダステ「そこは任せるしかないが…」
ゼロはいつかバグが再び襲来した時のために テンプスと防壁など対策をしてきた
完璧とは言い切れないため 彼らにもその話をしていていた
全ての話し合いが終わる頃 テンプスが合流した
テンプス「いざとなったら戦う必要があることはわかっただろう」
テンプスは指輪の入った箱を彼らの前に出す
それぞれに埋め込まれた石は 見たこともない輝きを内側に封じ込めていた
テンプス「ただの人間でも 能力を変化させることが物語の進行上できずとも…一時的な変化ならば修正が可能 つまり使うべきはこれだ」
ダステ「この指輪が なんなんだ」
テンプス「この指輪の石の中に魔法を封じてある 短い呪文を唱え 指で擦ると発動できる 一時的な身体能力強化や 武器をしまっておいたり…」
試しに…とテンプスがひとつ取り出し 指輪を擦る 呪文は声に出す必要はないようで 彼の手の中に軍用小銃が現れる
ゼロ「なんでそんな古い銃にしたの」
テンプス「彼らが知りうるライフルにしたんです…1886年製ですけど ダステの時代にだってフランス軍の主力小銃だったんですよ?」
ゼロ「でも自動小銃の開発もされてたよね…?」
テンプス「どのみち気休めですから せめてダステが使い慣れている方がいいでしょう とにかく!それぞれに1つ 武器は渡す ダステは小銃 テナルディエとトビーは拳銃!」
ゼロ「ルベル1886かぁ…」
また指輪を擦ると 銃が消える
テンプス「弾は特殊なものを使って……弾を作り出して装填されるように改良してますから そんな顔しないでくださいよ主…そうしないと弾切れ起こしますし…」
テンプスはそれぞれの前に指輪を置いた
呪文や使い方を詳しく説明し また指輪はしまわれた
テンプス「多少の助けになるだろう力だが お前たちは普通の人間だ 戦うためというより 身を守るためのものになる」
ティナ「わかったよ」
テンプス「本当か…?絶対過信するなよ」
敵は想造者の作る世界を破壊することを目的とする存在 バグ…エターナル
テンプス「私はお前たちを守る余裕はない 優先するのはゼロ様とタイムだ だからこれでなんとかしてくれ」
8年前 一度この場所は襲撃を受けている それ以前にもあったらしいが それ含め2回
3回目は起こる その日のためにも ゼロは最大限対策しておきたかった
ゼロ「君たちのことは 私の力で守る」
ギュスターヴも テナルディエも トビーも 今は彼女を信じてみるしかなかった
相手はゼロたちのような 人間ではない存在 どんな力を使うのかもほとんどわからない
テンプス「…じゃあ3人とも 指輪 つけるか?」
3人は頷きゼロがそれぞれ用に作った指輪をテンプスから渡され 込められた魔法の説明をされる
ゼロ「ギュスターヴの小指の指輪は…最終手段 もしもの時のためのもの…強力な魔法だからできれば使わないほうがいいけど…」
ゼロはギュスターヴの耳元で こっそりとその力を伝えた テナルディエとトビーには伝えられないようなものなのかと思いながら その指輪を見た
全員が右手にはめ終わり 説明も終えられた
トビー「未来を変えられないように 頑張ります」
ゼロ「無理のない程度に…逃げ延びてくれるのが一番だから…じゃあ 城に行こうか」
魔法を試すためか全員タイムの扉を通り城の中へ行くことのなった
夜の集会なので まだ朝までは時間がある
ゼロを先頭に 全員が外へ出た
…その瞬間 地面に黒く動く影が現れ 広がり ゼロの体を足元から黒く染め その黒い部分が腕に向かっていった
ゼロ「テレポート……!!」
ゼロが想造力発動の動作をすると 全員の姿が集会所前から消え 集会所の空いていた扉は勝手に閉まった
「…全員バラバラにテレポートか 慌てた証拠だな」
影の正体は…バグ エターナル
その姿は不安定に揺れる真っ黒な人型の塊
ゼロのテレポート先を突き止め すぐ近くだったために追いついた
ゼロ「エターナル…」
「残念だがお前さえおさえれば勝てるのでな」
ゼロは黒く染まった両腕が動かないのか だらりと下ろし 膝をついてエターナルを睨みつける
エタ「お前を直接殺せなくても 想造力を使えないようにすることぐらいできる 何重にもした封印の呪いだ あとは…」
エターナルが分裂し もう一つ 同じような黒い人型が現れる その人型の腕が透明な黒っぽい水のように変化し それが増え ゼロの体を包み捕える
エタ「動けない方が都合がいい そこで大人しくしていろ 私が全てを奪うまで…」
水の中で ゼロは目を閉じ 動かなくなってしまった
一方で彼らは それぞれ別の場所に移動していることに気づいた
突然の出来事だったが とにかく今どこにいるのかを把握するために 走り出した
テンプス「主…!」
テンプスは急いでゼロを探し始めた
バグによる襲撃
戦いの時が来てしまった
END
出会いから12年
集会所に テナルディエとゼロがいた
何やら深刻そうな顔で椅子に座り 机に紙を広げ話し合いをしている
ゼロが紙を指差し なぞる その動きを見ながらテナルディエは頷き 別の場所を指差し ゼロが首を振る
ゼロ「じゃあ今日のお礼 これで1週間分になるといいけど…」
ティナ「ありがたくいただいてくぜ」
ゼロ「いつも申し訳ないよ…」
ティナ「良い稼ぎになる仕事だ 悪くはねぇよ」
そう言って テナルディエは自分の世界に戻った
紙をしまい ゼロはタイムの城へ向かった
城内のどこにいるか 想像力で調べれば早いが 何にでも力に頼るのはいいことではない
時間は十分にあるから 歩いて探す方を選ぶ
しばらく歩いていると タイムより先にウィルキンズを見つけた
ゼロ「ウィルキンズー」
ウィル「おや ゼロ様 ご主人様をお探しですか?」
ゼロ「うん 今どこにいる?」
ウィル「お部屋で休んでおられます 場所はわかりますか?」
ゼロ「大丈夫!ありがとう」
ウィスキンズと別れ また歩き始める
集会所から彼が普段休憩に使う部屋までの道順は覚えている 何十年もこの城に来ているから 大体は問題なくたどり着ける
扉の前につき ノックをする
タイム「誰だ?」
ゼロ「ゼロだよ」
タイム「あぁ 入って良いぞ」
許可をもらい 扉を開ける
ぼんやりとした青い光に照らされている薄暗い城内と違い ここには蝋燭の暖かな光は揺れ 暖炉もついている
本棚や作業机 ゆっくり休める大きな椅子に チェス盤の置いてある机 タイムのコレクションも置いてある
時計がたくさん置いてあるのはタイムの書斎らしさを感じる
入ってすぐ左手側の作業机で何か作っているタイムは かなり集中した様子だった
机の上には綺麗に整列した道具と いくつもの細かいパーツが入った箱があり 作業の様子を覗き込むと 懐中時計の中の構造が見える
パーツは時計の部品だったらしい
ゼロ「…何してるの?」
タイム「オーバーホール」
ゼロ「あぁメンテナンスね」
分解清掃中らしいので 邪魔しないよう机から離れる いつも被っている背の高い帽子が椅子の上に置いてあったので 机の上に避けて 快適な椅子に座らせてもらうことにする
黙々と作業する彼や暖炉の火を眺め それから部屋の中を見渡す
ここ最近 また少し物が増えた気がする
ゼロ「その時計 誰かの?それか君が作ったやつ?」
一旦分解が終わり 洗浄の準備中の彼に 話しかけてみる
タイム「ピレリのものだ」
ゼロ「…てことは彼の父親の?君が持ってたんだ」
タイム「トビーに渡そうとしたんだが…結局預かった」
ゼロ「なるほど」
また作業に戻るタイムと 作業が終わるまで目的が果たせないゼロ
ただ暇をつぶしに来たわけではなさそうだと思ったのか タイムは手を止める
ゼロ「あ 私の用事は作業終わってからでいいよ」
タイム「今終わらせた」
ゼロ「あぁいつの間に時間…」
出会ってから タイムの強大な力を感じることは多々あったが 全く気づかないうちに行われるから 時間操作の能力とは恐ろしい
ゼロ「そろそろ…決めてくれたかな と思って」
タイム「物語が終わるまで待つと言っていたのはどうした」
ゼロ「うん…そうだけど どうしたらいいのかわからなくて」
時計をしまうタイム ゼロは彼が座るだろうからと立ち上がり 暖炉の前に移動する
どうぞ と手で椅子を指す 誘導されるまま タイムは座った
ゼロが机に置いた帽子をかぶり 彼女の言葉を待った
ゼロ「自信がなくなってきた 君たちを守りきれるのか この世界を ちゃんと最後まで…」
タイム「君が1人で守るわけではない テンプスも私もいるだろう」
ゼロ「…今の私が バグと戦うのは初めてなんだよ」
タイム「知っている テンプスから何度も言われている だが諦めれば 次こそ全て失う…君ならできるだろ?」
ゼロは不安そうな顔だった タイムは立ち上がり 彼女の右肩に手を置き 2度軽く叩く
タイムは彼女をまっすぐ見ていた 期待に応えられる自信がないゼロは 下を向く
ゼロ「みんなを危険にさらす…でもやらないといけない」
タイム「わかっているならやるんだ 最後まで」
ゼロ「…わかった よし やっぱり答えは物語が終わるまで待つよ 悩むのはやめだ 始めた以上 最後までやりきるよ」
ゼロに笑顔が戻る 一旦は良さそうだと安心したタイムは また椅子に座る
ゼロはタイムの前でいろいろと書き込まれた紙を広げ 話し始める
ゼロ「とりあえず防壁は作った 他の世界の守りは完璧…あとはここだけど」
タイム「無理なんだな」
ゼロ「やらない方がいい」
タイム「私たち以外いないこの場所なら まだ安全か…」
ゼロ「一番危険でもあるけどね…」
数日後 集会所
テンプスを除く全員が 集会所にいた
机に広げた紙を前に 真剣な面持ちでゼロの話を聞いていた
ゼロ「とりあえず整理するとこういうことだよね…」
ティナ「本当に大丈夫なのか?」
ゼロ「信じてよ 備えは十分にするからさ」
ダステ「そこは任せるしかないが…」
ゼロはいつかバグが再び襲来した時のために テンプスと防壁など対策をしてきた
完璧とは言い切れないため 彼らにもその話をしていていた
全ての話し合いが終わる頃 テンプスが合流した
テンプス「いざとなったら戦う必要があることはわかっただろう」
テンプスは指輪の入った箱を彼らの前に出す
それぞれに埋め込まれた石は 見たこともない輝きを内側に封じ込めていた
テンプス「ただの人間でも 能力を変化させることが物語の進行上できずとも…一時的な変化ならば修正が可能 つまり使うべきはこれだ」
ダステ「この指輪が なんなんだ」
テンプス「この指輪の石の中に魔法を封じてある 短い呪文を唱え 指で擦ると発動できる 一時的な身体能力強化や 武器をしまっておいたり…」
試しに…とテンプスがひとつ取り出し 指輪を擦る 呪文は声に出す必要はないようで 彼の手の中に軍用小銃が現れる
ゼロ「なんでそんな古い銃にしたの」
テンプス「彼らが知りうるライフルにしたんです…1886年製ですけど ダステの時代にだってフランス軍の主力小銃だったんですよ?」
ゼロ「でも自動小銃の開発もされてたよね…?」
テンプス「どのみち気休めですから せめてダステが使い慣れている方がいいでしょう とにかく!それぞれに1つ 武器は渡す ダステは小銃 テナルディエとトビーは拳銃!」
ゼロ「ルベル1886かぁ…」
また指輪を擦ると 銃が消える
テンプス「弾は特殊なものを使って……弾を作り出して装填されるように改良してますから そんな顔しないでくださいよ主…そうしないと弾切れ起こしますし…」
テンプスはそれぞれの前に指輪を置いた
呪文や使い方を詳しく説明し また指輪はしまわれた
テンプス「多少の助けになるだろう力だが お前たちは普通の人間だ 戦うためというより 身を守るためのものになる」
ティナ「わかったよ」
テンプス「本当か…?絶対過信するなよ」
敵は想造者の作る世界を破壊することを目的とする存在 バグ…エターナル
テンプス「私はお前たちを守る余裕はない 優先するのはゼロ様とタイムだ だからこれでなんとかしてくれ」
8年前 一度この場所は襲撃を受けている それ以前にもあったらしいが それ含め2回
3回目は起こる その日のためにも ゼロは最大限対策しておきたかった
ゼロ「君たちのことは 私の力で守る」
ギュスターヴも テナルディエも トビーも 今は彼女を信じてみるしかなかった
相手はゼロたちのような 人間ではない存在 どんな力を使うのかもほとんどわからない
テンプス「…じゃあ3人とも 指輪 つけるか?」
3人は頷きゼロがそれぞれ用に作った指輪をテンプスから渡され 込められた魔法の説明をされる
ゼロ「ギュスターヴの小指の指輪は…最終手段 もしもの時のためのもの…強力な魔法だからできれば使わないほうがいいけど…」
ゼロはギュスターヴの耳元で こっそりとその力を伝えた テナルディエとトビーには伝えられないようなものなのかと思いながら その指輪を見た
全員が右手にはめ終わり 説明も終えられた
トビー「未来を変えられないように 頑張ります」
ゼロ「無理のない程度に…逃げ延びてくれるのが一番だから…じゃあ 城に行こうか」
魔法を試すためか全員タイムの扉を通り城の中へ行くことのなった
夜の集会なので まだ朝までは時間がある
ゼロを先頭に 全員が外へ出た
…その瞬間 地面に黒く動く影が現れ 広がり ゼロの体を足元から黒く染め その黒い部分が腕に向かっていった
ゼロ「テレポート……!!」
ゼロが想造力発動の動作をすると 全員の姿が集会所前から消え 集会所の空いていた扉は勝手に閉まった
「…全員バラバラにテレポートか 慌てた証拠だな」
影の正体は…バグ エターナル
その姿は不安定に揺れる真っ黒な人型の塊
ゼロのテレポート先を突き止め すぐ近くだったために追いついた
ゼロ「エターナル…」
「残念だがお前さえおさえれば勝てるのでな」
ゼロは黒く染まった両腕が動かないのか だらりと下ろし 膝をついてエターナルを睨みつける
エタ「お前を直接殺せなくても 想造力を使えないようにすることぐらいできる 何重にもした封印の呪いだ あとは…」
エターナルが分裂し もう一つ 同じような黒い人型が現れる その人型の腕が透明な黒っぽい水のように変化し それが増え ゼロの体を包み捕える
エタ「動けない方が都合がいい そこで大人しくしていろ 私が全てを奪うまで…」
水の中で ゼロは目を閉じ 動かなくなってしまった
一方で彼らは それぞれ別の場所に移動していることに気づいた
突然の出来事だったが とにかく今どこにいるのかを把握するために 走り出した
テンプス「主…!」
テンプスは急いでゼロを探し始めた
バグによる襲撃
戦いの時が来てしまった
END