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ハロウィンの王とパンプキンキング

第一話 出会い




あぁ、雪だ・・・相変わらず、白い、綺麗だ、冷たくて、儚い・・・


僕はいつからここにいるんだっけ・・・


何分前から?何時間前から?


もしかすると、もうクリスマスが終わったかもしれないなぁ・・・


サリーが心配するかな・・・


「ゼロ」


近くにいるはずの愛犬に声をかける


だが、返答はない



「ゼロ・・・?」



帰ってしまったのだろうか・・・


僕がずっと動かないから、待ちくたびれたんだろうと思い、戻ることにした


細い腕、脚、身体・・・骨だけの身体、黒い服に身を包む、紳士のようだ(成人男性を表す紳士ではなく、礼儀のただしそうな人物に見えるということだ)


普通にみたら、"恐ろしい"のだが、怖がらせている時以外の彼は本当に紳士的で、いい男だ(純粋すぎるところもある)、とても英雄だ王だみんなが恐怖するだなんて言えない、思えないくらいに(他の人の事がどう思うかはわからないが)、でもやっぱり見た目は人によるが怖い




ジャック・スケリントン、それが彼の名前であった



ジャック「あぁ・・・歩く気がしてこない・・・」


そうとうお疲れの様子で・・・

のろのろと歩く


そんな彼の目の前に、言うならばブラックホールのイメージみたいな感じのグルグル(グルグルって・・・)

ジャックは


危険かどうかなんか関係なく


ゆっくりと手を伸ばしてしまった



真っ黒で真ん中に小さな光


ジャックの心を


掴んだ



なぜかよくわからなかったが


気になって


触れてみた





瞬間彼の体はその渦にのまれた



ジャック「ぅわぁぁぁぁぁぁ!!!?」


ぐにゃぐにゃとした空間を落ちてゆく


クリスマスタウンに始めて行った時もこんな感じだったような・・・


考えているあいだに落ちた


ドン!


硬い地面に


ジャック「いたたた・・・ここは・・・」



キョロキョロ辺りを見回すが奇妙な植物くらいしかない

七つの祝日(こう書いて7ホリデーと読んでください・・・)の扉には入っていない

ならここは一体どこだ?



遠くから、小さな声

ジャック「・・・・これは、歌声・・・」


遠くから、本当に微かだが、歌声・・・


声がする方へジャックは走った


走っている最中に



ジャック「あ、がk」

けまで言えなかった


とにかく走るのに夢中すぎて下を見ていなかった、いや、声しか聞いておらず周りを見ていなかった


運よく(?)下は葉の多い木があったのでそれをクッションにして着地


ジャック「ふぅ・・・しかし本当にここはどこなんだろうか・・・」


歌声がさっきより近くなった


ジャック「灯りが見えるな・・・町か何かあるみたいだな・・・」


今度は周りに注意しながらその場所に向かった


「ラララーラララー、宴だー!宴だー!」


ジャック「(宴・・・?)」



ジャックの視界が一気に明るくなった



夜の世界に広がったとても明るい光
騒がしい声、歌声、笑い声

とても楽しそうだ


でも、ここには門がある、これを抜けないと通れないみたいだ


とりあえず開けてみようと思ったが鍵がかけられているらしい


ジャック「誰かこの門をあけ「何処から来た」あ、すみません、この門を「だから何処からきた?」・・・僕はハロウィンタウンから来ました」


ジャックがそういうと門番かと思われる男が他の者を呼んで何やら話をしている

そんな中ジャックは門の上にあった看板をみて目を細めた


ジャック「・・・・ハロウィン・・・の後が読めないな・・・」


まさか、ここはハロウィンタウン?

だがハロウィンタウンにしては明るい、これじゃあクリスマスタウンだ

・・・それに彼らは見たことがない


まさかあそこで座っている間になにかおきたのか?また?


いや、一度なにかにのみこまれた、ならここは別のハロウィンタウンかどこかなのだろうか

門番らしき男はハロウィンタウンにいてもいいくらいの男だった(つまり容貌が怖い)


門番かな?「入れ」
ジャック「ありがとう・・・ところで一つ聞いていいかな」
門番かなー「なんだ?」
ジャック「ここは・・・ハロウィンタウンなのかい?」
門番・・・?「ハロウィンタウンはお前がいた場所だろう・・・まぁこの星にそんな場所があるなんて知らなかったが、ここはハロウィンウォールド、惑星ハロウィンの国だ」


ジャックは首を傾げる


ハロウィンウォールドという国は知らない

惑星ハロウィンとは何なのだろうか


まったくわからない



門番だろう「まぁよろしくな、"新入り"」
ジャック「え」


新入りにされてしまった


ジャックは門番だと思う人物にとある場所まで誘導された


道中いろんな国人に声をかけられた


だが、必ず別れたあとにこう言った



「なんか・・・どこかで見たような・・・」



と、



そのあとすぐに宴を再開していたが


なんの宴なのだろう


不思議だ




「・・・・・新入り?」


「はい、門番のゲッチャから連絡が入りまして」

「どんなやつだ」

「ゲッチャによると・・・黒い服でスケルトンだそうです・・・それと、なんだかどこかで見たことがある人物・・・だそうです」
「そうか、さがれミクリ」
「はい・・・」


痩せ細った老人(紳士服に身を包んでおります)はその者の言葉にしたがった


椅子に座っている者は
片手にはワインの入ったワイングラス
それを揺らして一口・・・



コンコン


大きく美しい扉がノックされた


「ゲッチャか?入れ」
門番の人改めゲッチャ「こちらが新入りでございます」
ジャック「やぁ」

ジャックのその言葉にある者は少し動いた


ゲッチャが入った時薄暗いその部屋に廊下の明るい光が入った


黒い物が多いその部屋の奥に大きな椅子に座っている男

ゲッチャは少しジャックの態度にたいし怯えている様子だった


「・・・なぜだろう・・・君をどこかで見た気がするよ・・・名は?」
ジャック「ジャック・スケリントン」


「ジャック・・・?」



すっとその男は立ち上がった


彼もまたジャックのように細い体をしていた

だが、骨ではない


言うならば・・・骨と皮だけの状態・・・あぁ、顔はまだ肉がついているほうだ、だが目はなく真っ黒で大きな目のようなものはある金の短髪でジャックと似た黒い服

白い肌、頬まで裂けた口・・・縫い跡のような縦線が入っている


ジャックより身長はかなり低いが存在感がすごくある



「すごいね・・・僕の名にもジャックが入ってるんだ、君も僕と同じスケルトンみたいだね」
ジャック「君は・・・骨だけではないけれど・・・?」


「僕はスケルトンであり・・・そしてジャック・オ・ランタン(人型)でもあるから・・・あ、僕に生きていたときはないから」


ジャック「生きていたときはない・・・」



パンパンと手を叩く男


「ゲッチャ、さがれ、僕と彼だけにしてくれ」
ゲッチャ「はっ!」


ギィィィィという音ともに


閉じる扉


月明かりと薄暗い電気しか明かりがないこの部屋


ジャックは黙り込むその男を不思議そうに見る


「・・・・僕の名は、ジャック・オ・スケルトン、僕の名のどれかに僕をつくった父の名がはいっている、でも、さっきまで覚えていたような気がする、それがどれか、でも、なぜか、思い出せない」
ジャック「・・・なぜか?」
スケルトン「・・・・君はどれくらい怖いのかな?」
ジャック「僕はハロウィンタウンの支配者・・・、最恐、恐怖の王そう呼ばれるくらいさ」

スケルトン(ジャックと同じ名なのでこれで呼びます)はジャックを見た

への字だった口が今のジャックのようにニヤリと笑った

スケルトン「僕も王、恐怖の帝王・・・・この国の支配者!!!僕も最恐さ!!」



だったら・・・と言って窓に右手をあてる

サーッと埃をはらう


スケルトン「なら、比べよう、ちょうど昨日七人新入りが来た・・・そいつらが、どっちが恐ろしかったか聞こうじゃないか!!」

ジャックは少し考えた

別にやってもいい


面白そうだ

だが、この国に自分の怖さは伝わるか?いや、自分は、大丈夫だ


ジャック「やろう」
スケルトン「後悔はしないようにね・・・、僕は、絶対に負けない、誰にも・・・ね」




この世界は、怖がらせることが好きな者がたくさんいる、皆そうだ、それが仕事、これならあまりハロウィンタウンと変わりはない



と思っていたかった



スケルトン「やあ、新入り諸君!!!」
新入り1「あれ・・・王、あなたの隣にいるのってもしかして・・・」
スケルトン「知っているのか?」
新入り1「知ってるもなにも有名なあの・・・あれ?なんだっけ・・・」
新入り2「なんの話だ、ん?あんたは・・・すまない、ど忘れだ、あんたをついさっき見たときには覚えていたはずなんだが・・・」


新入り達はジャックを見たときは誰かわかっていた、だが、話をし始めたとき、一瞬にしてジャックに関係すること全てを、忘れてしまった彼は、誰だ?


スケルトン「喋るのをまずやめたやめた!!今からテストをする、そのあとすこし時間をもらうぞ!」

ジャック「テスト・・・?」



スケルトンはジャックを見た、驚いたような目をしていた、まぁ、そう動く目ではないが


スケルトン「君もこのテストを受けてここにいたいんだろう?」
ジャック「いや、僕は帰りたいんだよ・・・」
新入り4「帰りたい?どこに?ここほどいい場所はないのに?」
ジャック「僕のいた町、ハロウィンタウンさ」

新入りは首を傾げる


なにかを知っている顔からなにも思い出せない顔に変わる


次々に質問をしてくる


そこはどんなところかと、なにをやっているのかと、どんな奴がいるんだと、ジャックはそこではなんなのかを


必死に説明を始めるジャック、しかしスケルトンに止められる

スケルトン「・・・そうだ、君はこのテストを手伝ってくれないか?」
ジャック「いいけど、僕はなにをすればいいのか知らない、・・・手伝ったら僕が帰る方法を探すのを手伝ってくれないか?」
スケルトン「ふむ・・・って君は迷子かなんかなのか・・・?」」
ジャック「まぁ・・・異世界に迷い込んだってことには変わりはないかな」

スケルトンは一瞬驚くがすぐに笑った

指でジャックと新入りに来るように合図すると部屋に入れた


スケルトン「さぁ、どんなふうでもいい、僕と彼・・・ジャックを怖がらせてくれ、テストだから僕らが怖がらなくても他の者が怖がるであろうと思ったら合格だから」
ジャック「ふむ、この採点基準通り彼らを見ればいいんだね」
スケルトン「あぁ、頼んだ」


そして新入り七人のテストが始まった



どうやらこの町は住むのに最低限の恐ろしさがなくてはいけないらしい

しかし、この国以外にも小国が少しあるくらいらしい

そこから来る者がここにきてそして最恐目指してやってゆくらしい


採点基準が高いが、ジャックなら普通に大丈夫だろう


そして、全員ジャックとスケルトンの表情を"怖い"に変えることはできなかった



スケルトン「ん?君のはやけに厳しいな」
ジャック「僕が思ったままの採点だけど・・・問題があったかい?」
スケルトン「・・・いや、レベルが少しあがった程度だ」
ジャック「(問題じゃないのか・・・?)」


そして全員の点数をつけ終わったスケルトンは新入りの元に向かった


スケルトンが入るまでざわざわしていたが
彼が扉を開けた時すぐにシン…となった


スケルトン「・・・合格者は・・・・・全員だ」
新入り2「・・・・・や」
新入り達は「やったぞーーーーー!!!!」


全員声を揃えて喜んだ


ジャックは優しく笑っていた


そしてここで忘れてはいけないことを忘れかけていたジャックはスケルトンにすぐに言った


ジャック「じゃあ、僕が帰る方法を探すのを手伝ってくれるんだね」
スケルトン「・・・・まぁ、まぁ・・・僕に、勝ったら、ね」
ジャック「・・・!!話が違うじゃないか!」
スケルトン「勝てばいいんだよ、僕に、さぁ!合格した君たちに手伝ってもらおう!!!僕と彼でどっちが怖いかを君らに見てもらう!!」

新入り達は頷いた

スケルトンはジャックを見てニヤリと笑った


僕が勝つに決まっている


そう思いを込めて


帰る方法を探すのを手伝ってもらえるなら本気でやろうか


ジャックはそう思った(最初は適当にやっておこうかなんて思っていた時もあった)

まず最初にスケルトンが怖がらせる

最初にやる理由は


自分の恐ろしさを見せつけるため
だいたいこれで諦めるやつが10割をしめている、僕の中では、だが




ジャック「・・・・」




余裕かな





スケルトンは




少し手を抜いて、新入りを震え上がらせた



お化けたちでさえも恐怖に震えるほどの恐ろしさはそうそう誰もが持っているものではない

特別な者達だけだろう


ましてや手を抜いてあそこまでとは


声と姿で、人間なら、心臓が止まるのではないだろうか


さすがに、説明したくない


リングみたいに文だけで恐ろしさを伝えるなんてことは、したくない、本当に恐ろしいから、やろうと思えばやれる、だが、やめておこう


ジャックの場合はまだ説明してもいいと思うが、書く気はしない




でも、新入りで本当の恐怖をあまり見たことがない彼らが、それでも対抗くらいできる彼らが


ジャックの恐ろしさで



スケルトンに気をつかうなんてまねもできないくらいの、絶叫を、恐怖をあじわった




スケルトン「(まさか・・・あそこまでやれるのか・・・!!?)」


手を抜かずやったほうがよかったかもしれんな・・・・



手を抜かずやっても・・・勝てないかもしれない・・・


ジャック「さぁ新入りさん、僕と彼、どっちが恐ろしかったかい?」


スケルトン「回答はこないよ、彼らは気絶してるから」
ジャック「あぁ、本気でやりすぎたか・・・いつものハロウィンのときくらいのがよかったかな・・・」

今更そんなことを言っても無理だから

しかし彼らが目覚めるまで待たなければいけなくなった

スケルトン「・・・・彼らの回答はいらないさ、僕の負けだ、君が本気でやったからこそ僕に勝てたんだ」
ジャック「・・・・それでいいのかい?」

スケルトンは頷く


スケルトンはジャックが元の世界に帰る方法を探すの手伝いをすることを約束した



「・・・・ここだったはずだ」
ゲッチャ「何処からきた?」
「・・・・・ウィーンタウンから」
ゲッチャ「ウィーンタウン・・・聞いたことないな・・・まぁ入りな」
「新入りではないから、少し、観光に来たんだ」
ゲッチャ「そうか、ゆっくりしていきな」
「あぁ、そうさせてもらうよ、ゲッチャ」
ゲッチャ「おう」



その謎の者はゆっくりと国の中に入って行った


ゲッチャはそれを見送り門を閉める


ゲッチャ「ん?待てよ、なんであいつ俺の名前を知っているんだ?あったこともないってのに」


この国の詳しい情報は他国には流れていない

じゃあなぜ・・・
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