新たなる旅路へ、
「というわけで、オレは一旦魔人族の土地に行って、向こうの迷宮の神代魔法がオレ達以外の奴らが会得できない様に封印してくる」
序でに先行しての偵察と、試練の事前情報の調査だ。此処で情報を会得し、予め互いの回った迷宮の試練の内容、或いはヒントを得ておけば楽であろうと言う考えもある。
そんな訳で魔人族の領域への偵察も兼ねて京矢は其方の迷宮を攻略する事を選択した。
そんな京矢の意見に対して、待ったをかけたのはシアだった。
「えっ、でもそれって二手に分かれる意味ありますか? そりゃハジメさんが目的にしている空間魔法ではありませんけど、もう向こうに習得してる人がいるんですし、後でみんなで攻略すればいいんじゃ……」
シアの疑問にハジメが続く。
「ああ、お前の剣で一時的に機能停止させる事が出来るなら、一緒に攻略して一つずつ封印した方がいいんじゃ無いのか?」
確かに、それはもっともな意見だ。上手くすれば幾つかの神代魔法は独占することが出来る。
「理由は先行偵察も兼ねて魔人族側の迷宮の情報の入手、それが一つ目で、重要度は低い。二つ目は第二、第三の神代魔法の使い手を増やさない事」
魔物を生み出せるであろう神代魔法は使い手が増えれば増える程脅威度が増す。
例え、仮面ライダーや戦隊の力を使って一騎当千の力を得たとしても、かつてザンギャックの軍勢に対してゴーカイジャー以前の戦士達が力を失った様に、多い兵力はそれだけで力だ。
「敵の数が増えるのは避けたいからな。最悪、オレ達が神代魔法を集めるまでに人間族が数の暴力で押し負ける危険がある」
付け加えるなら亜人族までそれに飲み込まれないため、と言うのもある。人間族が壁になる程度に拮抗してくれる状況が続くのは色々と都合がいい。
「そして、これが一番の理由だ」
そう、敵側の仮面ライダーと、ウルトラマン世界の怪獣であるEXタイラント デスボーンの召喚。
あれがその様子から戦闘中に突然呼び出された可能性が高いが、ある程度の数を確保する手段は、
「成る程、つまりお前は」
「ああ、他の世界、あの怪獣達が呼ばれた世界から一々呼んで来るってのは考えずらい。制御しにくい個体は兎も角、ある程度は扱いやすい個体は|こっち《トータス》で飼ってる可能性が高い」
そもそも、トータスの軍事力では怪獣や巨大ロボットに対抗する手段は存在しない。どれだけチートを持った異世界人でも、怪獣相手には踏み潰されるだけなのは、他ならぬ光輝が証明してしまっている。
デスボーンが強力な個体なのは認めるが、この世界の人間が相手では並の怪獣相手でも結果は変わりそうに無い。いや、寧ろ人間族の領域を蹂躙するなら行動に指向性さえ与えられれば、質より量だろう。
そして、そんな怪獣達を飼っているとすれば魔人族の領域しかない。
そんな訳で魔人族側の様子の偵察も兼ねてという訳だ。
……序でに移動手段についてはあえて問わない。京矢ならヨクリュウオーで飛んでいく事も簡単だろうし。
「分かった。んじゃ、鳳凰寺、あっちの迷宮の情報頼むぜ」
「おう、俺の方も空間魔法の情報頼むぜ」
実際、空間魔法は京矢の中では会得順位は低いのだ。恐らく、異世界への移動にはそれだけでは無理と考えている。
理由は単純に出力不足、と言った所だろう。光達マジックナイトがセフィーロに召喚された経緯を考えると神代魔法でも、だ。
……そう考えると、技術的に次元世界を移動できる時空管理局の技術は素直にすごいと思えてしまう。
「分かった。正直、お前にはついて来てもらいたいけどな」
「悪いな、南雲。それと、ベルファスト、お前はミュウちゃんの護衛に残ってくれ」
「……畏まりました、京矢さま」
京矢の元から離れると言うのには思うところがある様子だが、ミュウの面倒を見る役は必要だろう。……誰とは言わないが、変な影響を受けない様に。
「すまねえ、マジで助かる」
京矢の意図を理解したのであろう、ハジメからの感謝の言葉を聞き、合流地点をミュウの故郷であるエリセンに定め、翌朝には一度別れる事を決めたのだった。
そして、
「つー訳で、別行動前にガチャで戦力強化と行こうぜ!」
「よっしゃー!」
早速、一旦別れる前に、戦力強化も兼ねて夜にやるのはそれであった。京矢がスマホに触れると10個のカプセルが飛び出していく。
『聖剣ソードライバー』
『火炎剣烈火』
『ブレイブドラゴンワンダーライドブック』(仮面ライダーセイバー)
最初に目がついたのは仮面ライダーセイバーの変身システムの一色。京矢としては中々に嬉しい組み合わせだったりする。
既に暗黒剣月闇が手元にはあるが、フォームチェンジ可能なセイバーも良いのだ。
「早速当たりが来たな」
「だな。新しい特撮ヒーローってのは羨ましいな」
そんな会話を交わしながら次のカプセルを手に取る。
『デザイアドライバー+ギーツコアID』
『マグナムレイズバックル』
『仮面ライダーギーツ DVD』(仮面ライダーギーツ)
「新しいライダーシステム! とそのライダーのDVD!?」
「おいおい、マジかよ!」
二人が手に取ったギーツのライダーシステムと、その仮面ライダーギーツのDVDだ。銃がメインウェポンな以上は、
新しい仮面ライダーの変身システムだ。使い方を確認した上で、
「南雲、メインウェポンは銃みたいだし、コイツはお前が使え」
「え? 良いのか、サンキュー!」
迷わずデザイアドライバーはハジメに譲る。残るカプセルは四つ、そのうちの2つにあるのは未加工な無骨な青い石。
『賢者の石』×2(ドラゴンクエスト)
賢者の石とは、化学とオカルトや哲学がごちゃ混ぜになっていたかつての現実世界の【錬金術】において、その最終目標とされていた架空の物質。
卑金属を貴金属に変える触媒となり、万病を癒し不老不死を与える霊薬「エリクシール」(FFシリーズの「エリクサー」が該当)を作る際に必要になるとされていた(あるいはそれと同一視される)。
回復力ではエリクサーには及ばないが、何度でも使える回復アイテムだ。
「……あの女の同行断って早々に手に入るなんてな」
思わずその力を考えるとそう呟きたくなる。二手に分かれるのなら丁度いいと二人で分けて持つことにする。
「まあ、回復アイテムが手に入ったのは有り難いな」
「……ん」
ハジメの言葉にユエも同意する。無限に使える回復手段、しかも魔力由来では無いのはどう考えても強力と言う他はない。
『エリクサー』(ファイナルファンタジー)
そして、神水に匹敵する強力な回復アイテム。
エリクサーを生み出すのに必要なのが賢者の石ならば、そう考えると今はハジメの義眼になっているそれは、トータスに於ける賢者の石と言う事も出来るだろう。
「さーてと、最後の一つは……」
そして、最後に今まで意識から外していた虹色の輝きを放つカプセルを手に取る。
明らかに他のカプセルとは異質なそれを手に取ると、目配せしながら頷き合い、ゆっくりと開く。
虹色の輝きの中から現れるのは
「……凄く大きい」
「これは物凄いものじゃな」
それを見上げながらユエとティオがそんな声を上げる。見上げるほどの巨体を持った鋼の巨人がそこにいた。
「うおおおおおおおおお!!! スゲェー!!!」
思わずハジメも驚きと興奮の困った叫びをあげる。
それは赤き鋼の巨人だった。ある種の竜を模った頭の赤き鋼の巨人、その名は
『ダイナゼノン』(SSSS.DYNAZENON)
「「巨大ロボットきたぁー!!!」」
京矢とハジメが叫び声を上げた瞬間、ダイナゼノンは四つの光に分かれて、京矢の手に収まる。
手のひらにある四つのそれは、
竜人型の人型ロボット、ダイナソルジャー
全翼機型の飛行メカ、ダイナウイング
水陸両用の巨大装甲バギーカー型メカ、ダイナストライカー
潜水艦型メカ、ダイナダイバー
「…………」
「…………」
「しかも、合体メカかよー!!!」
「マジでか! 四体合体の合体メカ! おい、俺にも乗せろよ!」
「良いぜ、四人乗りだしな」
「ホントだな! 約束だぞ!」
ただただその強靭な鋼の体を持つ巨体を前に圧倒されるトータス出身の女性陣を他所に、ティラノサウルスの本体に二体の小型メカが合体するキシリュウジンや、プテラノドンが変形するヨクリュウオーとは違う合体ロボであるダイナゼノンを前にハジメのテンションは爆上がりだったりする。
合体ロボは敵であるマグナスファイブと対峙したが、敵である為に過剰に反応しなかったが、流石に自分が乗れるともなればテンションは爆上がりである。
問題はどのメカに乗るかだが、
「んじゃ、その時はダイナファイターに乗っていいぜ」
「マジか! 本当にいいのか!?」
明らかにダイナゼノンへの合体時のコアになるダイナファイターを譲ってもらってさらにテンションが上がるハジメであった。
誰がどれに乗るか、と新たに手に入れた仮面ライダーギーツの視聴で分かれる前の一同の夜は更けて行ったのだった。
翌朝、
「これを出すのも久しぶりだよな」
感慨深げに京矢が出したのは『チフォージュ・シャトー』、夜ごと悪徳に耽った忌城の名を冠した巨大装置だ。
「……いや、お前のすることに驚かないようにしようと思ってたけどよ……どれどけ度肝抜いてくれるんだよ、お前は?」
「そうか?」
巨大な城を見上げながら呟くハジメにそう返す。
一時的にプレシアとアリシアを匿っていた、時空管理局には次元犯罪者としてのガイソーグの居城と言われている物だ。
京矢達の移動拠点であり、ライダーシステムやシンフォギアなどのシステムのオートメンテナンス機能も持つ。
「まっ、兎も角、必ずまた会おうぜ、南雲」
「ああ、鳳凰寺」
そう言い合い拳をぶつけると一時、二人の旅路は別れるのだった。
序でに先行しての偵察と、試練の事前情報の調査だ。此処で情報を会得し、予め互いの回った迷宮の試練の内容、或いはヒントを得ておけば楽であろうと言う考えもある。
そんな訳で魔人族の領域への偵察も兼ねて京矢は其方の迷宮を攻略する事を選択した。
そんな京矢の意見に対して、待ったをかけたのはシアだった。
「えっ、でもそれって二手に分かれる意味ありますか? そりゃハジメさんが目的にしている空間魔法ではありませんけど、もう向こうに習得してる人がいるんですし、後でみんなで攻略すればいいんじゃ……」
シアの疑問にハジメが続く。
「ああ、お前の剣で一時的に機能停止させる事が出来るなら、一緒に攻略して一つずつ封印した方がいいんじゃ無いのか?」
確かに、それはもっともな意見だ。上手くすれば幾つかの神代魔法は独占することが出来る。
「理由は先行偵察も兼ねて魔人族側の迷宮の情報の入手、それが一つ目で、重要度は低い。二つ目は第二、第三の神代魔法の使い手を増やさない事」
魔物を生み出せるであろう神代魔法は使い手が増えれば増える程脅威度が増す。
例え、仮面ライダーや戦隊の力を使って一騎当千の力を得たとしても、かつてザンギャックの軍勢に対してゴーカイジャー以前の戦士達が力を失った様に、多い兵力はそれだけで力だ。
「敵の数が増えるのは避けたいからな。最悪、オレ達が神代魔法を集めるまでに人間族が数の暴力で押し負ける危険がある」
付け加えるなら亜人族までそれに飲み込まれないため、と言うのもある。人間族が壁になる程度に拮抗してくれる状況が続くのは色々と都合がいい。
「そして、これが一番の理由だ」
そう、敵側の仮面ライダーと、ウルトラマン世界の怪獣であるEXタイラント デスボーンの召喚。
あれがその様子から戦闘中に突然呼び出された可能性が高いが、ある程度の数を確保する手段は、
「成る程、つまりお前は」
「ああ、他の世界、あの怪獣達が呼ばれた世界から一々呼んで来るってのは考えずらい。制御しにくい個体は兎も角、ある程度は扱いやすい個体は|こっち《トータス》で飼ってる可能性が高い」
そもそも、トータスの軍事力では怪獣や巨大ロボットに対抗する手段は存在しない。どれだけチートを持った異世界人でも、怪獣相手には踏み潰されるだけなのは、他ならぬ光輝が証明してしまっている。
デスボーンが強力な個体なのは認めるが、この世界の人間が相手では並の怪獣相手でも結果は変わりそうに無い。いや、寧ろ人間族の領域を蹂躙するなら行動に指向性さえ与えられれば、質より量だろう。
そして、そんな怪獣達を飼っているとすれば魔人族の領域しかない。
そんな訳で魔人族側の様子の偵察も兼ねてという訳だ。
……序でに移動手段についてはあえて問わない。京矢ならヨクリュウオーで飛んでいく事も簡単だろうし。
「分かった。んじゃ、鳳凰寺、あっちの迷宮の情報頼むぜ」
「おう、俺の方も空間魔法の情報頼むぜ」
実際、空間魔法は京矢の中では会得順位は低いのだ。恐らく、異世界への移動にはそれだけでは無理と考えている。
理由は単純に出力不足、と言った所だろう。光達マジックナイトがセフィーロに召喚された経緯を考えると神代魔法でも、だ。
……そう考えると、技術的に次元世界を移動できる時空管理局の技術は素直にすごいと思えてしまう。
「分かった。正直、お前にはついて来てもらいたいけどな」
「悪いな、南雲。それと、ベルファスト、お前はミュウちゃんの護衛に残ってくれ」
「……畏まりました、京矢さま」
京矢の元から離れると言うのには思うところがある様子だが、ミュウの面倒を見る役は必要だろう。……誰とは言わないが、変な影響を受けない様に。
「すまねえ、マジで助かる」
京矢の意図を理解したのであろう、ハジメからの感謝の言葉を聞き、合流地点をミュウの故郷であるエリセンに定め、翌朝には一度別れる事を決めたのだった。
そして、
「つー訳で、別行動前にガチャで戦力強化と行こうぜ!」
「よっしゃー!」
早速、一旦別れる前に、戦力強化も兼ねて夜にやるのはそれであった。京矢がスマホに触れると10個のカプセルが飛び出していく。
『聖剣ソードライバー』
『火炎剣烈火』
『ブレイブドラゴンワンダーライドブック』(仮面ライダーセイバー)
最初に目がついたのは仮面ライダーセイバーの変身システムの一色。京矢としては中々に嬉しい組み合わせだったりする。
既に暗黒剣月闇が手元にはあるが、フォームチェンジ可能なセイバーも良いのだ。
「早速当たりが来たな」
「だな。新しい特撮ヒーローってのは羨ましいな」
そんな会話を交わしながら次のカプセルを手に取る。
『デザイアドライバー+ギーツコアID』
『マグナムレイズバックル』
『仮面ライダーギーツ DVD』(仮面ライダーギーツ)
「新しいライダーシステム! とそのライダーのDVD!?」
「おいおい、マジかよ!」
二人が手に取ったギーツのライダーシステムと、その仮面ライダーギーツのDVDだ。銃がメインウェポンな以上は、
新しい仮面ライダーの変身システムだ。使い方を確認した上で、
「南雲、メインウェポンは銃みたいだし、コイツはお前が使え」
「え? 良いのか、サンキュー!」
迷わずデザイアドライバーはハジメに譲る。残るカプセルは四つ、そのうちの2つにあるのは未加工な無骨な青い石。
『賢者の石』×2(ドラゴンクエスト)
賢者の石とは、化学とオカルトや哲学がごちゃ混ぜになっていたかつての現実世界の【錬金術】において、その最終目標とされていた架空の物質。
卑金属を貴金属に変える触媒となり、万病を癒し不老不死を与える霊薬「エリクシール」(FFシリーズの「エリクサー」が該当)を作る際に必要になるとされていた(あるいはそれと同一視される)。
回復力ではエリクサーには及ばないが、何度でも使える回復アイテムだ。
「……あの女の同行断って早々に手に入るなんてな」
思わずその力を考えるとそう呟きたくなる。二手に分かれるのなら丁度いいと二人で分けて持つことにする。
「まあ、回復アイテムが手に入ったのは有り難いな」
「……ん」
ハジメの言葉にユエも同意する。無限に使える回復手段、しかも魔力由来では無いのはどう考えても強力と言う他はない。
『エリクサー』(ファイナルファンタジー)
そして、神水に匹敵する強力な回復アイテム。
エリクサーを生み出すのに必要なのが賢者の石ならば、そう考えると今はハジメの義眼になっているそれは、トータスに於ける賢者の石と言う事も出来るだろう。
「さーてと、最後の一つは……」
そして、最後に今まで意識から外していた虹色の輝きを放つカプセルを手に取る。
明らかに他のカプセルとは異質なそれを手に取ると、目配せしながら頷き合い、ゆっくりと開く。
虹色の輝きの中から現れるのは
「……凄く大きい」
「これは物凄いものじゃな」
それを見上げながらユエとティオがそんな声を上げる。見上げるほどの巨体を持った鋼の巨人がそこにいた。
「うおおおおおおおおお!!! スゲェー!!!」
思わずハジメも驚きと興奮の困った叫びをあげる。
それは赤き鋼の巨人だった。ある種の竜を模った頭の赤き鋼の巨人、その名は
『ダイナゼノン』(SSSS.DYNAZENON)
「「巨大ロボットきたぁー!!!」」
京矢とハジメが叫び声を上げた瞬間、ダイナゼノンは四つの光に分かれて、京矢の手に収まる。
手のひらにある四つのそれは、
竜人型の人型ロボット、ダイナソルジャー
全翼機型の飛行メカ、ダイナウイング
水陸両用の巨大装甲バギーカー型メカ、ダイナストライカー
潜水艦型メカ、ダイナダイバー
「…………」
「…………」
「しかも、合体メカかよー!!!」
「マジでか! 四体合体の合体メカ! おい、俺にも乗せろよ!」
「良いぜ、四人乗りだしな」
「ホントだな! 約束だぞ!」
ただただその強靭な鋼の体を持つ巨体を前に圧倒されるトータス出身の女性陣を他所に、ティラノサウルスの本体に二体の小型メカが合体するキシリュウジンや、プテラノドンが変形するヨクリュウオーとは違う合体ロボであるダイナゼノンを前にハジメのテンションは爆上がりだったりする。
合体ロボは敵であるマグナスファイブと対峙したが、敵である為に過剰に反応しなかったが、流石に自分が乗れるともなればテンションは爆上がりである。
問題はどのメカに乗るかだが、
「んじゃ、その時はダイナファイターに乗っていいぜ」
「マジか! 本当にいいのか!?」
明らかにダイナゼノンへの合体時のコアになるダイナファイターを譲ってもらってさらにテンションが上がるハジメであった。
誰がどれに乗るか、と新たに手に入れた仮面ライダーギーツの視聴で分かれる前の一同の夜は更けて行ったのだった。
翌朝、
「これを出すのも久しぶりだよな」
感慨深げに京矢が出したのは『チフォージュ・シャトー』、夜ごと悪徳に耽った忌城の名を冠した巨大装置だ。
「……いや、お前のすることに驚かないようにしようと思ってたけどよ……どれどけ度肝抜いてくれるんだよ、お前は?」
「そうか?」
巨大な城を見上げながら呟くハジメにそう返す。
一時的にプレシアとアリシアを匿っていた、時空管理局には次元犯罪者としてのガイソーグの居城と言われている物だ。
京矢達の移動拠点であり、ライダーシステムやシンフォギアなどのシステムのオートメンテナンス機能も持つ。
「まっ、兎も角、必ずまた会おうぜ、南雲」
「ああ、鳳凰寺」
そう言い合い拳をぶつけると一時、二人の旅路は別れるのだった。