序章
面倒臭い、そう思いながら放課後のチャイムを聞いてさっさと教室を出ようとする。
俺と同じように帰宅する者、授業から解放されて友人同士で雑談をしている者、部活に向かう者、と多種多様だ。
高校に入ってから帰宅部でテガソードの里でのアルバイトに勤しんでいる身としては、買い物を頼まれてる以上、早めに帰る必要もあるだろうし。
(……今更部活なんかやる気もないしな)
我ながら集団生活に嫌な思い出が多い、と思いながら鞄を手に取る。
集団行動に拒否感を覚えつつも、テガソードの里での集団生活andカフェ経営には拒否感がないのも不思議なものだとは思う。
半ば強制的にだが、それを受け入れさせられたような物だが、あの四人相手には相応には信頼できてきた、と言う事だろうか。
……逆らっても無駄なだけだろうが。
元秘密組織のエージェント、
元国家の諜報員(スパイ)、
忍者、
魔法使いの錬金術師、
……元の世界と言う注釈は付くが経歴を並べても、ただ喧嘩が強いだけの不良が勝てるわけがないな。常識的な経歴がスパイとエージェントってなんだよ!?
どれだけ強くても不良漫画の主人公では太刀打ちできないだろうな、などと思ってしまう。
……我ながらカフェの料理を担当しているので、本当に大丈夫かとも思うが、他の四人が(見た目は間違いなく)美人揃いなのでそちらを目当ての客で少しは儲かるだろうとも思うが、それはそれ。
部活に向かうもの達を横目にそう思う。そう思わなければ、やっていけない。もうそんな物に向ける熱意など無いのだから。
そんな事を考えながら荷物を纏めていると、
「ねぇ……」
ふと、誰かに声をかけられる。視線だけをそちらに移して誰かを確認すると……幼馴染"だった"女がそこに居た。我関せずと帰宅の準備を進めていると、
「ねぇ!」
さらに声をかけてくる。まあ、相手が俺で間違いないようだ。……まあどうでも良い。
此方も負けじと無視して帰り支度をして教室を出る。こうして真面目に喫茶店の住み込みのバイトをしていると、元不良(周辺地域最強)から見事に厚生したな、とも思う。
「ねえ!」
後ろで俺の手を掴んで呼び止めようとした元幼馴染の手が空振る。そんな簡単に捕まるほど俺もヤワじゃないのだ。
「なあ、校門の前見たか?」
「ああ、スゲェ可愛い子が居るよな」
周囲の視線を無視して歩いているとそんな会話が聞こえてくる。
「見た事ない制服着てるけど、どこの学校の子なんだろう?」
「さあ?」
「あんな子、ウチの学校にいたか?」
「さあ?」
「でも、可愛いよな」
「うん、可愛い」
「ショートカットの金髪の女の子だよな」
何故だろう…知り合いの特徴と重なる。
「あと、胸がデカかった」
「ああ、デカかった」
「うん、デカかった」
「ウチの学校って女子のレベル高いと思ってたけど、それ以上だよな」
「うん。レベル高すぎだろ」
うん、周囲の言葉に何となく知り合いと重なる特徴が聞こえたので、早足になって急いで校門の前まで行くと、其処には間違いなく俺の知り合いである錦木千束がいた。
「千束、お前、何やってるんだ?」
「あっ、コウヤ! 迎えに来たよ!」
俺が声を掛けると千束は笑顔で手を振ってくる。まあ、その間も周囲からの注目が集まってくる。
「いや、迎えに来たって、俺は子供か?」
「えー、なにー? 私と一緒に帰るのが嫌なの? こんな美少女と一緒に帰るのがー」
まあ、千束は外見は間違いなく美人で有り、性格も付き合いやすい。
「嫌じゃないけど……」
「なら良いじゃん♪ ほら、早く行こうぜ~!」
「おい、引っ張るなよ」
「まあまあ良いからさぁ~!」
そう言ってグイグイと手を引っ張られる。
「はぁ……分かったよ。一緒に帰ればいいんだろ?」
「うん! それでこそ私の相棒だ!」
「それはどうも……」
こうして俺達は並んで歩いて行った。
「それで今日は何をする予定なんだ?」
「ん~? 特に決めてないけど強いて言うなら一緒にいちゃいちゃしたいかな?」
「いちゃいちゃって……」
「それにさ……新しい指輪が他の世界で見たかったから、買い物は中止で急いでテガソードの里に集合、だって」
「っ!?」
緑色の指輪を見せながら、小声で伝えられたその言葉に内心で「そんな大事なことはもっと早く言え」と言う言葉を飲み込む。
その点は此方もわかっているし、学生の身の上の俺の事を考えて待っていてくれたのだろう。
「一般人トリオとしてさー、もっと協力していこうよ、コウヤ」
「……そうだな」
比較的一般人よりなのがエージェントとスパイなのが、ぶっとんでるな、と思う。
相棒なのも、トリオなのも俺は否定できない。ゴジュウイーグルこと、錦木千束のことは。
俺と同じように帰宅する者、授業から解放されて友人同士で雑談をしている者、部活に向かう者、と多種多様だ。
高校に入ってから帰宅部でテガソードの里でのアルバイトに勤しんでいる身としては、買い物を頼まれてる以上、早めに帰る必要もあるだろうし。
(……今更部活なんかやる気もないしな)
我ながら集団生活に嫌な思い出が多い、と思いながら鞄を手に取る。
集団行動に拒否感を覚えつつも、テガソードの里での集団生活andカフェ経営には拒否感がないのも不思議なものだとは思う。
半ば強制的にだが、それを受け入れさせられたような物だが、あの四人相手には相応には信頼できてきた、と言う事だろうか。
……逆らっても無駄なだけだろうが。
元秘密組織のエージェント、
元国家の諜報員(スパイ)、
忍者、
魔法使いの錬金術師、
……元の世界と言う注釈は付くが経歴を並べても、ただ喧嘩が強いだけの不良が勝てるわけがないな。常識的な経歴がスパイとエージェントってなんだよ!?
どれだけ強くても不良漫画の主人公では太刀打ちできないだろうな、などと思ってしまう。
……我ながらカフェの料理を担当しているので、本当に大丈夫かとも思うが、他の四人が(見た目は間違いなく)美人揃いなのでそちらを目当ての客で少しは儲かるだろうとも思うが、それはそれ。
部活に向かうもの達を横目にそう思う。そう思わなければ、やっていけない。もうそんな物に向ける熱意など無いのだから。
そんな事を考えながら荷物を纏めていると、
「ねぇ……」
ふと、誰かに声をかけられる。視線だけをそちらに移して誰かを確認すると……幼馴染"だった"女がそこに居た。我関せずと帰宅の準備を進めていると、
「ねぇ!」
さらに声をかけてくる。まあ、相手が俺で間違いないようだ。……まあどうでも良い。
此方も負けじと無視して帰り支度をして教室を出る。こうして真面目に喫茶店の住み込みのバイトをしていると、元不良(周辺地域最強)から見事に厚生したな、とも思う。
「ねえ!」
後ろで俺の手を掴んで呼び止めようとした元幼馴染の手が空振る。そんな簡単に捕まるほど俺もヤワじゃないのだ。
「なあ、校門の前見たか?」
「ああ、スゲェ可愛い子が居るよな」
周囲の視線を無視して歩いているとそんな会話が聞こえてくる。
「見た事ない制服着てるけど、どこの学校の子なんだろう?」
「さあ?」
「あんな子、ウチの学校にいたか?」
「さあ?」
「でも、可愛いよな」
「うん、可愛い」
「ショートカットの金髪の女の子だよな」
何故だろう…知り合いの特徴と重なる。
「あと、胸がデカかった」
「ああ、デカかった」
「うん、デカかった」
「ウチの学校って女子のレベル高いと思ってたけど、それ以上だよな」
「うん。レベル高すぎだろ」
うん、周囲の言葉に何となく知り合いと重なる特徴が聞こえたので、早足になって急いで校門の前まで行くと、其処には間違いなく俺の知り合いである錦木千束がいた。
「千束、お前、何やってるんだ?」
「あっ、コウヤ! 迎えに来たよ!」
俺が声を掛けると千束は笑顔で手を振ってくる。まあ、その間も周囲からの注目が集まってくる。
「いや、迎えに来たって、俺は子供か?」
「えー、なにー? 私と一緒に帰るのが嫌なの? こんな美少女と一緒に帰るのがー」
まあ、千束は外見は間違いなく美人で有り、性格も付き合いやすい。
「嫌じゃないけど……」
「なら良いじゃん♪ ほら、早く行こうぜ~!」
「おい、引っ張るなよ」
「まあまあ良いからさぁ~!」
そう言ってグイグイと手を引っ張られる。
「はぁ……分かったよ。一緒に帰ればいいんだろ?」
「うん! それでこそ私の相棒だ!」
「それはどうも……」
こうして俺達は並んで歩いて行った。
「それで今日は何をする予定なんだ?」
「ん~? 特に決めてないけど強いて言うなら一緒にいちゃいちゃしたいかな?」
「いちゃいちゃって……」
「それにさ……新しい指輪が他の世界で見たかったから、買い物は中止で急いでテガソードの里に集合、だって」
「っ!?」
緑色の指輪を見せながら、小声で伝えられたその言葉に内心で「そんな大事なことはもっと早く言え」と言う言葉を飲み込む。
その点は此方もわかっているし、学生の身の上の俺の事を考えて待っていてくれたのだろう。
「一般人トリオとしてさー、もっと協力していこうよ、コウヤ」
「……そうだな」
比較的一般人よりなのがエージェントとスパイなのが、ぶっとんでるな、と思う。
相棒なのも、トリオなのも俺は否定できない。ゴジュウイーグルこと、錦木千束のことは。