キバの世界

仮面ライダーディケイド
~終焉を破壊する者~
閑話
『キバの世界エピローグ』










「これで良しっと。」



「ああ、戸締りは心配ないな。」



隠れ家として使っていた実家の鍵を閉め。その場を後にしようとするキバットと奏夜の視界の中に勇宇の姿が映る。



「や、奏夜さん。」



「君は…勇宇だっけ?」



奏夜の後に建つ彼の自宅に一度視線を向けると、再び奏夜へと視線を戻す。



「ここって、自宅じゃないんですか?」



「そうなんだけどね。ちょっとした事情で、ぼくは寮生活なんだよ。それで君は…?」



勇宇の言葉に苦笑を浮かべながら奏夜が答える。



「ここでのぼくの役割は終わったみたいなんで、また旅に出ますよ。」



「そうか。…ぼく達の戦いはまだ終わってないみたいだ。ぼくは護りたい…父さん達が護ったこの世界を…みんなと一緒に…この世界を滅ぼさせはしない。」



「はい。この世界の事は任せましたよ…仮面ライダーキバ。」



「ああ。」



待っていた仲間達の元に戻りながら勇宇を振りかえり手を振る奏夜の姿を写真に写す。



「ベストショットかな、これは?」



『仲間達の元へと向かう奏夜と共に彼等を見守る様に彼を見る三人の仮面ライダー達』が映し出されたその写真は奏夜がはじめて取った最高の一枚だった事を追記してておく。












「ただいま! 写真で来たよ。」



「…うん…。…終焉の欠片も回収できたし、勇宇も力を取り戻せた…。…これで、次の世界へ旅立てる…。」



そう答える紫月にライドブッカーから取り出したこの世界で手に入れた二枚のライダーの書かれたカードを取り出して見せる。



「…ぼくが取り戻した『キバのカード』は良いとして…このカードが終焉の…ディターンの欠片でいいのかな?」



「…うん…。…それが…この世界の終焉の欠片……ディターンの力の一部…。」



紫月の言葉を聞き…色も、絵も、名前も全てが消え去ったカードとキバのカードをライドブッカーへと戻す。



そして、勇宇は写真立てから今まで入れていたキバの世界の写真を外し、それをアルバムに収め、新しく手に入れた次の世界への鍵となる写真を写真立てへと収めた。



新たに写真立てに収められた写真は『蒼いクワガタと赤いカブトムシが交差する様に飛び、太陽と月が浮かぶ写真』だった。












草原の中に蒼いクワガタを思わせる双角の戦士が双剣による剣舞を舞う。



一通り剣舞を終えると蒼い戦士は、前方から近づいて来る赤い戦士とすれ違いそのまま離れて行く。










―THE NEXT STAGE KABUTO(GATACKver)―






つづく…
5/5ページ
スキ