キバの世界
世界の破壊者、仮面ライダーディケイド。十の世界を巡り…その瞳は何を見る?
仮面ライダーディケイド
~終焉を破壊する者~
第五話
『王と破壊者/キバの世界』
「その命、神に返しなさい!」
ディケイドを護る様に現れたもう一人のイクサはイクサカリバーのガンモードをイクサ(順平)へと向けたまま、そう宣言する。
「マ、マジかよ!」
「イクサ…だと…?」
「嘘でしょう!? もう一つの奴って…確かあの時、紅くんが…。」
目の前に存在するもう一人のイクサに対して驚きを露にするS.E.E.Sの面々…。そう、もう一つ存在していた『イクサ』はあの男に操られた仲間の一人と戦う事になった奏夜が変身した黄金のキバによって破壊されていたのだから。
そう、自分達にとって大切な仲間との亀裂へと繋がった事件なのでその事は忘れたくても、忘れられる訳が無いのだ。
「バカな…あれは…まさか、『オリジナル』か!? だが、あれは…失われているはずだ。」
ただ一人、その存在へと考えが至った美鶴がそう叫ぶ。
「こいつ!」
「待て、今戦ったら、あいつ等まで巻き添えになるぞ!」
ドガバキエンペラーフォーム(以下、DEフォーム)のキバとなったキバシャドウ(以下、キバシャドウDE)へと殴り掛かろうとしたキバをキバットが止める。
「っ!? ぐあ!!!」
キバシャドウDEへと殴り掛かる寸前でその拳を止める。そして、敵の目の前で無防備な姿を曝している絶好の的とも言える状況へとなったキバに容赦無くキバシャドウDEのパンチが叩きつけられる。
(ダメだ…こいつとは戦えない…下手に戦ったら次狼さん達やタツロットまで。)「ッ!?」
空気を切り裂くような流れを感じ取り、横へと跳んだ瞬間、キバシャドウの振り下ろしたガルルセイバーがアスファルトへと巨大な爪痕を残す。
(…ガルルセイバー…。って事は…止まったら、拙い!?)
そう考えて、横へと飛ぶと同時に周囲のビルの壁に無数の水の弾丸が打ち込まれる。バッシャーマグナムを持つキバシャドウDEがキバの動きに会わせて乱射するが、その悉くを回避する。
そして、せめて今はタツロットだけでも助け様とエンペラーフォーム時の腕についたタツロットを狙ってバッシャーマグナムの水の弾丸を避けながら、キバシャドウDEとの距離を詰める。だが、
「うわ!?」
直感的に危険を感じ取り、慌てて地面へと倒れる形で“それ”を回避する。容赦無くビルの壁を一直線に抉り取る一撃…キバを狙って振られたドッガハンマーの一撃が熱したナイフで切りつけたバターの様にビルの壁を粉砕していたのだ。
(…まったく、こんなに派手に暴れて…影時間の後の辻褄合わせが大変だろうに…。)
これまで、ファンガイアタイプ相手に必殺技(ダークネスムーンブレイク)を叩き込んで道路やビルの壁に『キバの紋』を刻み付けた自分が言えた事ではないが、何処か冷めた思考の中で、流石にこれを誤魔化す方の身になってみると流石に同情してしまう。
それはさておき…ガルルセイバー、バッシャーマグナム、ドッガハンマーと言う今まで自分が使ってきた仲間達(武器)を操り、シルフィーこそ加わっていない物の自分の持つ二つの最強の姿の力を合わせた姿で襲いかかるキバシャドウDE。…『どう言う悪夢だ?』と心の中で毒づいてしまう。
………まあ、正しくは、ガルル、バッシャー、ドッガの力を借りた三フォームの力を合わせた『ドガバキフォーム』は『最強の姿』と言うのは間違いがある。エンペラーと並ぶ本来の二つの最強の一つは、四魔騎士全員の力を借りた姿『ドガバシキバフォーム』であり、ガルル達への負担が大きいドガバキフォームよりも、そちらの方が戦闘力、安定性でも上に行くのだ。
「奏夜、避けろ!!!」
「っ!?」
ドッガハンマーの一撃を避けた瞬間、キバットの警告が響くと同時にキバの体を衝撃が襲い、ビルの壁へと叩きつけられる。
キバの体を吹き飛ばした一撃はキバシャドウDEの放った単純な回し蹴りによる物だった。
「へっ、そんな偽者にやられるオレ達じゃねえぜ!」
そう言ってイクサカリバーを構え、イクサへと切りかかるイクサ(順平)だが、イクサはガンモードからソードモードへと切換えたイクサカリバーでそれを受け止め、カウンターとして胸の部分へとパンチを、体制が崩れた所に追い討ちにキックを打ち込む。
「おわぁ!」
「順平!」
それによって地面に倒れるイクサ(順平)を援護する様に召喚器の引き金を引き、風の刃を打ち出すが、ガンモードに切換えたイクサカリバーを撃ち、相殺する。
「サンキュー、ゆかりッチ!」
一瞬だけ、イクサの注意が自分から離れた隙に体制を立て直すイクサ(順平)だが、直にイクサカリバーの銃口を彼へと向けていた。
「へ?」
「逃がしはしない。」
「おわァ!!!」
イクサ(順平)の足元へと撃ち出されるイクサカリバーの弾丸を必死になって避けて行く。
「「「へっ?」」」
しかも…彼が逃げて行く先は……
「って、順平、こっち来ないでよ!」
「せめて反対に逃げろ!」
「そ、そんな事言われたって!」
「跪きなさい。」
先程、順平の前にイクサ簡易型に変身して、ディケイドと戦ったダメージを回復させていた明彦とゆかりの居る方向だったのだ。
(…よく分からないけど、助かった…今の内に逃げよう…。)
そうしている間に、ディケイドは明彦の変身したイクサと戦ったダメージを残した体を引きずって、マシンディケイダーへと歩いていく。
「お前達、そいつ(イクサ)に構うな、奴(ディケイド)が逃げるぞ!」
「って、待ちやがれ!」
ディケイドの行動に気が付いた美鶴が叫び、イクサ(順平)がイクサカリバーをガンモードに切換えて、マシンディケイダーを走らせようとしていたディケイドに向けるが…
「逃がしはしない。」
「って、おわ!!! それはこっちの台詞だ!」
それはイクサによって阻まれる。もっとも…順平の射撃の腕では撃った所で当たる可能性は低いのだろうが。
「くっ、待て!」
待てと言われた所で待つ奴は居ない。美鶴の叫び声を無視してディケイドはマシンディケイダーを疾走させる。
そして、ディケイドが離れて行った時、イクサもその姿を消したのだった。
「なんだったの…あれ?」
「分からん。…だが、残されているイクサシステムは我々の元に有る物だけの筈だ。もう一つ存在して居るなど、ありえん。」
消えて行ったイクサを呆然としている一同を代表して、ゆかりと美鶴がそう呟く。
「って、早く追いかけないと、桐条先輩、バイク貸してください!」
「待て、伊織。もう直…影時間が明ける。」
「ぐあ!!!」
キバシャドウDEの振るうドッガハンマーの一撃を受けたキバがそのままアスファルトの地面へと叩きつけられる。
「はぁ…はぁ…がぁ。」
キバが立ち上がった瞬間、ガルルセイバーがキバの体を切り裂いた。
アームズモンスター達やタツロットを人質を取られている現状では、迂闊に反撃する事も出来ず、回避に専念して防戦一方だったキバも一撃を受けてからは一方的に攻撃を受けるまでに追い詰められていた。
(…みんな…ごめん。)
せめて相打ちに持ち込もうと、キバへとトドメを刺す様に振り上げられたキバシャドウDEのガルルセイバーを一瞥し、キバも腰のウェイクアップフエッスルを外し、キバットへと咥えさせる。
そして、必殺技『ダークネスムーンブレイク』を放とうとした瞬間、キバシャドウDEの姿が消えて行くと同時に…世界に命が戻った。
「ふぅ…影時間が明けたのか? …助かったぜ…。」
「そうだね。でも…。」
キバの姿が砕け散る様に消えて行き、奏夜の姿へと戻ると、そのままシルフィーを休ませているマシンキバーへと近づく。
「…危なかった…。」
唯でさえ、強敵で有ったキバシャドウのドガバキエンペラーフォームへの進化と、敵に取られている人質という重なりすぎる悪条件…それを打開する策は未だに何も思い浮かばないのが現状なのだ。
「…今は休んどけよ、奏夜。…シルフィーちゃんに何が有ったのか聞くのは…後だ。」
「……うん、そうだね。」
予備のヘルメットを気絶しているシルフィーに被らせて、自分もヘルメットを被るとマシンキバーを走らせる。シルフィーを気遣ってそれほどスピードは上げずにその場を後にする。
だが…奏夜はまだ気付いていない…。
キバシャドウDEの存在していた場所に僅かに動く…人型の歪み…に。
「勇宇、大丈夫!?」
家に返りついた時、ディケイドへの変身が解除された瞬間に崩れ落ちる勇宇の体を紫月は慌てて受け止める。
「…紫月…? 御免、もう…限界…。」
「勇宇! しっかりして!」
心配そうに己の名を呼びながら、その瞳に涙を溜めている紫月の表情を見ながら、昼間戦ったカイザとは別の意味で強敵で有った簡易型イクサとS.E.E.Sの面々との戦闘のダメージと疲労から勇宇は意識を手放して行く。
(…何だか…前にライオトルーパーと戦った時よりも…カイザと戦った時よりも疲れた気がする…。)
そんな事を考えながら、勇宇は意識を手放した。本来、この影時間と呼ばれる時間帯では通常の時間以上に体力を奪われるのだが、それを知らない勇宇としてはそう思ってしまうしかない。
(…そう言えば、明日は学校だっけ…? 朝には動ける様になれれば良いけど…。)
最後にそう思いながら、安らかに寝息を立てながら勇宇の意識は闇の中へと、落ちて行ったのだった。
さて、その翌日、散々心配をかけてしまった紫月には起こられてしまった勇宇だったが、一応許してもらう事には成功した。
そして、翌日の放課後…月光舘学園の屋上
「…まさか、ここであの人達に会うなんて;」
この世界での役割…それはこの学園『月光舘学園』の一年生で会った。前の世界での立場に続いての学生と言う未分は二人の年齢として考えるならば、丁度良いのかもしれないが。
「…確か、生徒会長の『桐条 美鶴』さんとボクシング部の『真田 明彦』…それから、私達より一つ上の先輩で…『岳羽 ゆかり』さんに『伊織 順平』…? …今は休んでいる人達と一緒に、特別な寮に住んでいるみたいだけど…?」
偶然にも先日戦った面々と学校の中で何度も遭遇したのだから、流石に勇宇も驚いてしまっていた。もっとも、ディケイドに変身していた状態だったので、顔を知られておらず何事も無く住んだのだが…。
そして、それなりに有名だったらしく、簡単に調べる事の出来た顔と名前を思い出しながら、紫月がその名前を呼んで行く。
「…えーと、『アイギス』さんに、『山岸 風花』さんに……『紅 奏夜』さんか…。」
先日、紫月が見つけてくれたあの人物の住む家に書かれていた紅の名前…それから、今は休んでいる三人の中の一人…『紅 奏夜』が、この世界の仮面ライダーであるキバで有る事が推測できる。
そして、少しでも情報を得ようと、彼について簡単に調べて見たのだが…
「聞いた話によると…生徒会に剣道部、管弦学部、同好会に掛け持ちで所属している、ある意味、学園一の有名人。…それに聞いた話だと、どうしても昨日見た『あのキバ』の姿には結びつかない。」
そう、あの夜に目撃した仮面ライダーキバの姿と、学園で聞いた『紅 奏夜』のイメージがまるで結びつかない。単純に、学園の中では別の人間を演じているだけとも考えられるが…明らかに『自分の見た仮面ライダーキバ』の姿と、『奏夜と言う人物』の姿は重ならないのだ。
「………ねえ、勇宇、もしかしたら…勇宇が見たキバと…この世界の仮面ライダーのキバは別なのかも………。」
「っ!?」
紫月の言葉を受けて勇宇の中に有った考えが一つの形となっていった。姿形は旅立つ時に見た姿に…カードに描かれていたキバの姿に似ていた…。
だが、
実際、殴り掛かった時は頭に血が上っていた為に、それ程気にしていなかったが、あの時見たキバの姿は旅立つ際に見たキバの姿とは…『色彩』が違っていた。
「ぼくが出会った『キバ』は…キバの偽者? それに…もしかしたら…。」
「……うん…。…そのキバの偽者はもしかしたら…ディターンの欠片に何か関係が有るのかもしれない……。」
「…紫月…ぼくは『紅 奏夜』と言う人に会って見る。直接会えば、何か分かるかもしれない。」
そう、自分達はまだこの世界の『紅 奏夜』に会っていないのだから、会って見なければ、何も分からない。キバが本当に敵ならばそのまま戦うだけ、そして…違うのならば、自分の中に有った疑いは完全に晴れる事に繋がる。そう、自分が奏夜に会う事に対するメリットは大きいのだ。
「…うん…私もそれが良いと思う…。…でも、どうやって会うの…?」
「…こっちから、会いに行ってみるしかないかな?」
「……それしかない……と思う…。」
さて、勇宇達が奏夜と会う事を決めた時、奏夜達は。
「おーい、奏夜、シルフィーちゃんが目を覚ましたぜ!」
「分かった、キバット!」
キバットに先導される様に奏夜はシルフィーを休ませている部屋へと走って行く。
「シルフィー!」
「奏夜…様…キバット様…。申し訳ありません…私は…タツロット様をお守りできませんでした。」
申し訳なさそうに…心から悔しそうに呟くシルフィーに向かって微笑みながら、奏夜は問いかける。
「…分かった…。教えてもらえるかな、キャッスルドランの中で…何があったのか?」
「…はい…。あれは私達がキャッスルドランの中で待機していた時に…。奴が…あのキバの紛い物がキャッスルドランの中に進入しました。」
シルフィーの話しを聞くと…キャッスルドランの中に侵入したキバシャドウを迎え撃つ為にモンスターの姿に戻ったガルル、バッシャー、ドッガの三人が戦いを挑んだのだが、シルフィーとタツロットが奏夜を呼びに行こうとした時、戦っていたバッシャーとドッガの二人がキバシャドウに取り込まれてしまった。
そして、残ったガルルは全員が取り込まれる事を避ける為にタツロットだけでも逃がそうと判断し、ガルルがキバシャドウを足止めしている間に、シルフィーにタツロットと一緒に奏夜の所まで逃げる事を指示したのだ。
だが、対して時間も稼げずガルルも取り込まれ、奏夜の元に向かう最中にシルフィーとタツロットは『ドガバキフォーム』の姿になったキバシャドウに追い付かれ、タツロットも取り込まれてしまい、キバシャドウは『ドガバキエンペラーフォーム』へと変わって行ったらしい。
「…ありがとう…。安心して休んでいて、いいよ…みんなはぼく達が助け出すから。」
「……はい……。」
シルフィーが休んでいる部屋の扉を閉じると、奏夜はキバットへと視線を向ける。
「ねえ、キバット。」
「ああ、助けるのは…無理かもしれないな。」
方法として考えられるのは、影時間内でのアームズモンスター達の力を借りる時の様に、ペルソナとフエッスルによる召喚を使い、キバシャドウの中からキバの元へと『召喚』する方法なのだが…。
「それで巧く行ったとしても、タツロットのペルソナはないんだろう?」
そう、奏夜の持っているペルソナは『ガルル』『バッシャー』『ドッガ』『シルフィー』の四魔騎士達の物だけ…タツロットのペルソナは持っていない。仮にその方法で救い出す事が出来たとしても、タツロットだけは救い出せない。
「…今夜までに何とか方法を考えるしかないか…。」
「そうだな。」
「みんな、今夜もまたディケイドは出てくるはずだ。」
「へっ、今度こそぶっ倒してやりますって!」
美鶴の言葉に何時もの調子で返す順平。
「だけど、またあのイクサが出てきたら、どうするの?」
「今度は、天田とコロマルにも参加してもらうのか?」
ゆかりと明彦の言葉に首を美鶴は振る事で否定の意思を示す。
「いや、ディケイドは唯でさえ危険な相手だ。それに…紅の件から山岸は部屋に閉じ篭りきりだ。彼女のサポートなしで戦うのは危険過ぎる。そんな戦いに彼等まで参加させる訳に行かない。」
「今夜も私達だけで戦うって事ですね。」
ゆかりの言葉に美鶴は大きく頷くのだった。
そう…勇宇、奏夜、S.E.E.Sの面々がそれぞれの決意を決めて今夜の決戦に挑む覚悟を決めた時、遂に運命の夜を迎えるのだった。
影時間…
「あぁ…あぁ…。」
色彩を失いステンドグラスの様に砕け散る人々…影時間と言う異常から護られているはずの棺桶型のオプジェから引きずり出され、次々とキバシャドウDEにライフエナジーを食らわれていく。
「このぉ!!!」
次の獲物へと視線を向けたキバシャドウDEへと向かってキバが殴り掛かるが、キバシャドウDEはそれを一瞥もせずに薙ぎ払う。
アームズモンスター達がタツロットを助ける方法は良い方法は思いつかない。だから、この方法に掛けるしかない。
「今日こそ…お前を倒す…。そして、みんなを助け出す!!!」
キバシャドウDEの振るうガルルセイバーを避けながら、自身の中に宿る存在をガルルへと返え、ガルルフエッスルを取り出し、キバットへと咥えさせる。
「おう! ガルルセイバー!」
キバットの吹き鳴らすフエッスルの音色が響き渡るが…キバシャドウDEの手の中に有るガルルセイバーは…キバシャドウDEの中に取り込まれたガルルは何の反応も示さなかった。
「この!」
「バッシャーマグナム! ドッガハンマー!」
キバシャドウDEの振るうハンマーを撃ち出す水の弾丸を避けながら、バッシャー、ドッガとペルソナを変えて、次々とフエッスルを吹くキバットだが…アームズモンスター達は一切の反応を見せてはくれなかった。
「やっぱり…ダメなのか?」
もう一度ガルルフエッスルを吹くが、それでも、一切の反応を見せない。
「くそ、どうすればいいんだよ!?」
「…キバが二人…やっぱり、昨日の奴は…偽者だったのか?」
キバシャドウDEの攻撃に曝されながらも、その闘志を…仲間達を救い出すと言う意思を消さないキバの声に第三者の声が聞こえてくる。
「ッ!? こんな所に人が!?」
「バカヤロー、早く逃げろ、こいつは…。」
現れた第三者…『門矢 勇宇』はキバ達の言葉を聞かず、キバシャドウDEを睨みながら、ディケイドライバーを装着する。
「ぼくの事は心配無用だよ。それに…疑ったお詫びだ…ぼくも協力する。」
―KAMENRAIDE!―
「変身!」
―DECADE!―
仮面ライダーディケイドへと変身して、キバの隣へと並び立ち、キバシャドウDEと対峙する。
「ディケイド?」
「よく分からないけど、援軍なら、助かったぜ。」
「でも…君は一体?」
「詳しい事は後だ!」
「…でも、あいつの中にはぼくの仲間達が捕まっている。だから…。」
キバの言葉を聞き、その先の言葉を推測するとディケイドは軽く頷く。
「その方法が見つかるまでは…下手に攻撃は仕掛けない。」
「…頼む…。」
キバの言葉を聞き、互いに頷き合うとディケイドとキバはそれぞれファイティングポーズをとる。
つづく…
仮面ライダーディケイド
~終焉を破壊する者~
第五話
『王と破壊者/キバの世界』
「その命、神に返しなさい!」
ディケイドを護る様に現れたもう一人のイクサはイクサカリバーのガンモードをイクサ(順平)へと向けたまま、そう宣言する。
「マ、マジかよ!」
「イクサ…だと…?」
「嘘でしょう!? もう一つの奴って…確かあの時、紅くんが…。」
目の前に存在するもう一人のイクサに対して驚きを露にするS.E.E.Sの面々…。そう、もう一つ存在していた『イクサ』はあの男に操られた仲間の一人と戦う事になった奏夜が変身した黄金のキバによって破壊されていたのだから。
そう、自分達にとって大切な仲間との亀裂へと繋がった事件なのでその事は忘れたくても、忘れられる訳が無いのだ。
「バカな…あれは…まさか、『オリジナル』か!? だが、あれは…失われているはずだ。」
ただ一人、その存在へと考えが至った美鶴がそう叫ぶ。
「こいつ!」
「待て、今戦ったら、あいつ等まで巻き添えになるぞ!」
ドガバキエンペラーフォーム(以下、DEフォーム)のキバとなったキバシャドウ(以下、キバシャドウDE)へと殴り掛かろうとしたキバをキバットが止める。
「っ!? ぐあ!!!」
キバシャドウDEへと殴り掛かる寸前でその拳を止める。そして、敵の目の前で無防備な姿を曝している絶好の的とも言える状況へとなったキバに容赦無くキバシャドウDEのパンチが叩きつけられる。
(ダメだ…こいつとは戦えない…下手に戦ったら次狼さん達やタツロットまで。)「ッ!?」
空気を切り裂くような流れを感じ取り、横へと跳んだ瞬間、キバシャドウの振り下ろしたガルルセイバーがアスファルトへと巨大な爪痕を残す。
(…ガルルセイバー…。って事は…止まったら、拙い!?)
そう考えて、横へと飛ぶと同時に周囲のビルの壁に無数の水の弾丸が打ち込まれる。バッシャーマグナムを持つキバシャドウDEがキバの動きに会わせて乱射するが、その悉くを回避する。
そして、せめて今はタツロットだけでも助け様とエンペラーフォーム時の腕についたタツロットを狙ってバッシャーマグナムの水の弾丸を避けながら、キバシャドウDEとの距離を詰める。だが、
「うわ!?」
直感的に危険を感じ取り、慌てて地面へと倒れる形で“それ”を回避する。容赦無くビルの壁を一直線に抉り取る一撃…キバを狙って振られたドッガハンマーの一撃が熱したナイフで切りつけたバターの様にビルの壁を粉砕していたのだ。
(…まったく、こんなに派手に暴れて…影時間の後の辻褄合わせが大変だろうに…。)
これまで、ファンガイアタイプ相手に必殺技(ダークネスムーンブレイク)を叩き込んで道路やビルの壁に『キバの紋』を刻み付けた自分が言えた事ではないが、何処か冷めた思考の中で、流石にこれを誤魔化す方の身になってみると流石に同情してしまう。
それはさておき…ガルルセイバー、バッシャーマグナム、ドッガハンマーと言う今まで自分が使ってきた仲間達(武器)を操り、シルフィーこそ加わっていない物の自分の持つ二つの最強の姿の力を合わせた姿で襲いかかるキバシャドウDE。…『どう言う悪夢だ?』と心の中で毒づいてしまう。
………まあ、正しくは、ガルル、バッシャー、ドッガの力を借りた三フォームの力を合わせた『ドガバキフォーム』は『最強の姿』と言うのは間違いがある。エンペラーと並ぶ本来の二つの最強の一つは、四魔騎士全員の力を借りた姿『ドガバシキバフォーム』であり、ガルル達への負担が大きいドガバキフォームよりも、そちらの方が戦闘力、安定性でも上に行くのだ。
「奏夜、避けろ!!!」
「っ!?」
ドッガハンマーの一撃を避けた瞬間、キバットの警告が響くと同時にキバの体を衝撃が襲い、ビルの壁へと叩きつけられる。
キバの体を吹き飛ばした一撃はキバシャドウDEの放った単純な回し蹴りによる物だった。
「へっ、そんな偽者にやられるオレ達じゃねえぜ!」
そう言ってイクサカリバーを構え、イクサへと切りかかるイクサ(順平)だが、イクサはガンモードからソードモードへと切換えたイクサカリバーでそれを受け止め、カウンターとして胸の部分へとパンチを、体制が崩れた所に追い討ちにキックを打ち込む。
「おわぁ!」
「順平!」
それによって地面に倒れるイクサ(順平)を援護する様に召喚器の引き金を引き、風の刃を打ち出すが、ガンモードに切換えたイクサカリバーを撃ち、相殺する。
「サンキュー、ゆかりッチ!」
一瞬だけ、イクサの注意が自分から離れた隙に体制を立て直すイクサ(順平)だが、直にイクサカリバーの銃口を彼へと向けていた。
「へ?」
「逃がしはしない。」
「おわァ!!!」
イクサ(順平)の足元へと撃ち出されるイクサカリバーの弾丸を必死になって避けて行く。
「「「へっ?」」」
しかも…彼が逃げて行く先は……
「って、順平、こっち来ないでよ!」
「せめて反対に逃げろ!」
「そ、そんな事言われたって!」
「跪きなさい。」
先程、順平の前にイクサ簡易型に変身して、ディケイドと戦ったダメージを回復させていた明彦とゆかりの居る方向だったのだ。
(…よく分からないけど、助かった…今の内に逃げよう…。)
そうしている間に、ディケイドは明彦の変身したイクサと戦ったダメージを残した体を引きずって、マシンディケイダーへと歩いていく。
「お前達、そいつ(イクサ)に構うな、奴(ディケイド)が逃げるぞ!」
「って、待ちやがれ!」
ディケイドの行動に気が付いた美鶴が叫び、イクサ(順平)がイクサカリバーをガンモードに切換えて、マシンディケイダーを走らせようとしていたディケイドに向けるが…
「逃がしはしない。」
「って、おわ!!! それはこっちの台詞だ!」
それはイクサによって阻まれる。もっとも…順平の射撃の腕では撃った所で当たる可能性は低いのだろうが。
「くっ、待て!」
待てと言われた所で待つ奴は居ない。美鶴の叫び声を無視してディケイドはマシンディケイダーを疾走させる。
そして、ディケイドが離れて行った時、イクサもその姿を消したのだった。
「なんだったの…あれ?」
「分からん。…だが、残されているイクサシステムは我々の元に有る物だけの筈だ。もう一つ存在して居るなど、ありえん。」
消えて行ったイクサを呆然としている一同を代表して、ゆかりと美鶴がそう呟く。
「って、早く追いかけないと、桐条先輩、バイク貸してください!」
「待て、伊織。もう直…影時間が明ける。」
「ぐあ!!!」
キバシャドウDEの振るうドッガハンマーの一撃を受けたキバがそのままアスファルトの地面へと叩きつけられる。
「はぁ…はぁ…がぁ。」
キバが立ち上がった瞬間、ガルルセイバーがキバの体を切り裂いた。
アームズモンスター達やタツロットを人質を取られている現状では、迂闊に反撃する事も出来ず、回避に専念して防戦一方だったキバも一撃を受けてからは一方的に攻撃を受けるまでに追い詰められていた。
(…みんな…ごめん。)
せめて相打ちに持ち込もうと、キバへとトドメを刺す様に振り上げられたキバシャドウDEのガルルセイバーを一瞥し、キバも腰のウェイクアップフエッスルを外し、キバットへと咥えさせる。
そして、必殺技『ダークネスムーンブレイク』を放とうとした瞬間、キバシャドウDEの姿が消えて行くと同時に…世界に命が戻った。
「ふぅ…影時間が明けたのか? …助かったぜ…。」
「そうだね。でも…。」
キバの姿が砕け散る様に消えて行き、奏夜の姿へと戻ると、そのままシルフィーを休ませているマシンキバーへと近づく。
「…危なかった…。」
唯でさえ、強敵で有ったキバシャドウのドガバキエンペラーフォームへの進化と、敵に取られている人質という重なりすぎる悪条件…それを打開する策は未だに何も思い浮かばないのが現状なのだ。
「…今は休んどけよ、奏夜。…シルフィーちゃんに何が有ったのか聞くのは…後だ。」
「……うん、そうだね。」
予備のヘルメットを気絶しているシルフィーに被らせて、自分もヘルメットを被るとマシンキバーを走らせる。シルフィーを気遣ってそれほどスピードは上げずにその場を後にする。
だが…奏夜はまだ気付いていない…。
キバシャドウDEの存在していた場所に僅かに動く…人型の歪み…に。
「勇宇、大丈夫!?」
家に返りついた時、ディケイドへの変身が解除された瞬間に崩れ落ちる勇宇の体を紫月は慌てて受け止める。
「…紫月…? 御免、もう…限界…。」
「勇宇! しっかりして!」
心配そうに己の名を呼びながら、その瞳に涙を溜めている紫月の表情を見ながら、昼間戦ったカイザとは別の意味で強敵で有った簡易型イクサとS.E.E.Sの面々との戦闘のダメージと疲労から勇宇は意識を手放して行く。
(…何だか…前にライオトルーパーと戦った時よりも…カイザと戦った時よりも疲れた気がする…。)
そんな事を考えながら、勇宇は意識を手放した。本来、この影時間と呼ばれる時間帯では通常の時間以上に体力を奪われるのだが、それを知らない勇宇としてはそう思ってしまうしかない。
(…そう言えば、明日は学校だっけ…? 朝には動ける様になれれば良いけど…。)
最後にそう思いながら、安らかに寝息を立てながら勇宇の意識は闇の中へと、落ちて行ったのだった。
さて、その翌日、散々心配をかけてしまった紫月には起こられてしまった勇宇だったが、一応許してもらう事には成功した。
そして、翌日の放課後…月光舘学園の屋上
「…まさか、ここであの人達に会うなんて;」
この世界での役割…それはこの学園『月光舘学園』の一年生で会った。前の世界での立場に続いての学生と言う未分は二人の年齢として考えるならば、丁度良いのかもしれないが。
「…確か、生徒会長の『桐条 美鶴』さんとボクシング部の『真田 明彦』…それから、私達より一つ上の先輩で…『岳羽 ゆかり』さんに『伊織 順平』…? …今は休んでいる人達と一緒に、特別な寮に住んでいるみたいだけど…?」
偶然にも先日戦った面々と学校の中で何度も遭遇したのだから、流石に勇宇も驚いてしまっていた。もっとも、ディケイドに変身していた状態だったので、顔を知られておらず何事も無く住んだのだが…。
そして、それなりに有名だったらしく、簡単に調べる事の出来た顔と名前を思い出しながら、紫月がその名前を呼んで行く。
「…えーと、『アイギス』さんに、『山岸 風花』さんに……『紅 奏夜』さんか…。」
先日、紫月が見つけてくれたあの人物の住む家に書かれていた紅の名前…それから、今は休んでいる三人の中の一人…『紅 奏夜』が、この世界の仮面ライダーであるキバで有る事が推測できる。
そして、少しでも情報を得ようと、彼について簡単に調べて見たのだが…
「聞いた話によると…生徒会に剣道部、管弦学部、同好会に掛け持ちで所属している、ある意味、学園一の有名人。…それに聞いた話だと、どうしても昨日見た『あのキバ』の姿には結びつかない。」
そう、あの夜に目撃した仮面ライダーキバの姿と、学園で聞いた『紅 奏夜』のイメージがまるで結びつかない。単純に、学園の中では別の人間を演じているだけとも考えられるが…明らかに『自分の見た仮面ライダーキバ』の姿と、『奏夜と言う人物』の姿は重ならないのだ。
「………ねえ、勇宇、もしかしたら…勇宇が見たキバと…この世界の仮面ライダーのキバは別なのかも………。」
「っ!?」
紫月の言葉を受けて勇宇の中に有った考えが一つの形となっていった。姿形は旅立つ時に見た姿に…カードに描かれていたキバの姿に似ていた…。
だが、
実際、殴り掛かった時は頭に血が上っていた為に、それ程気にしていなかったが、あの時見たキバの姿は旅立つ際に見たキバの姿とは…『色彩』が違っていた。
「ぼくが出会った『キバ』は…キバの偽者? それに…もしかしたら…。」
「……うん…。…そのキバの偽者はもしかしたら…ディターンの欠片に何か関係が有るのかもしれない……。」
「…紫月…ぼくは『紅 奏夜』と言う人に会って見る。直接会えば、何か分かるかもしれない。」
そう、自分達はまだこの世界の『紅 奏夜』に会っていないのだから、会って見なければ、何も分からない。キバが本当に敵ならばそのまま戦うだけ、そして…違うのならば、自分の中に有った疑いは完全に晴れる事に繋がる。そう、自分が奏夜に会う事に対するメリットは大きいのだ。
「…うん…私もそれが良いと思う…。…でも、どうやって会うの…?」
「…こっちから、会いに行ってみるしかないかな?」
「……それしかない……と思う…。」
さて、勇宇達が奏夜と会う事を決めた時、奏夜達は。
「おーい、奏夜、シルフィーちゃんが目を覚ましたぜ!」
「分かった、キバット!」
キバットに先導される様に奏夜はシルフィーを休ませている部屋へと走って行く。
「シルフィー!」
「奏夜…様…キバット様…。申し訳ありません…私は…タツロット様をお守りできませんでした。」
申し訳なさそうに…心から悔しそうに呟くシルフィーに向かって微笑みながら、奏夜は問いかける。
「…分かった…。教えてもらえるかな、キャッスルドランの中で…何があったのか?」
「…はい…。あれは私達がキャッスルドランの中で待機していた時に…。奴が…あのキバの紛い物がキャッスルドランの中に進入しました。」
シルフィーの話しを聞くと…キャッスルドランの中に侵入したキバシャドウを迎え撃つ為にモンスターの姿に戻ったガルル、バッシャー、ドッガの三人が戦いを挑んだのだが、シルフィーとタツロットが奏夜を呼びに行こうとした時、戦っていたバッシャーとドッガの二人がキバシャドウに取り込まれてしまった。
そして、残ったガルルは全員が取り込まれる事を避ける為にタツロットだけでも逃がそうと判断し、ガルルがキバシャドウを足止めしている間に、シルフィーにタツロットと一緒に奏夜の所まで逃げる事を指示したのだ。
だが、対して時間も稼げずガルルも取り込まれ、奏夜の元に向かう最中にシルフィーとタツロットは『ドガバキフォーム』の姿になったキバシャドウに追い付かれ、タツロットも取り込まれてしまい、キバシャドウは『ドガバキエンペラーフォーム』へと変わって行ったらしい。
「…ありがとう…。安心して休んでいて、いいよ…みんなはぼく達が助け出すから。」
「……はい……。」
シルフィーが休んでいる部屋の扉を閉じると、奏夜はキバットへと視線を向ける。
「ねえ、キバット。」
「ああ、助けるのは…無理かもしれないな。」
方法として考えられるのは、影時間内でのアームズモンスター達の力を借りる時の様に、ペルソナとフエッスルによる召喚を使い、キバシャドウの中からキバの元へと『召喚』する方法なのだが…。
「それで巧く行ったとしても、タツロットのペルソナはないんだろう?」
そう、奏夜の持っているペルソナは『ガルル』『バッシャー』『ドッガ』『シルフィー』の四魔騎士達の物だけ…タツロットのペルソナは持っていない。仮にその方法で救い出す事が出来たとしても、タツロットだけは救い出せない。
「…今夜までに何とか方法を考えるしかないか…。」
「そうだな。」
「みんな、今夜もまたディケイドは出てくるはずだ。」
「へっ、今度こそぶっ倒してやりますって!」
美鶴の言葉に何時もの調子で返す順平。
「だけど、またあのイクサが出てきたら、どうするの?」
「今度は、天田とコロマルにも参加してもらうのか?」
ゆかりと明彦の言葉に首を美鶴は振る事で否定の意思を示す。
「いや、ディケイドは唯でさえ危険な相手だ。それに…紅の件から山岸は部屋に閉じ篭りきりだ。彼女のサポートなしで戦うのは危険過ぎる。そんな戦いに彼等まで参加させる訳に行かない。」
「今夜も私達だけで戦うって事ですね。」
ゆかりの言葉に美鶴は大きく頷くのだった。
そう…勇宇、奏夜、S.E.E.Sの面々がそれぞれの決意を決めて今夜の決戦に挑む覚悟を決めた時、遂に運命の夜を迎えるのだった。
影時間…
「あぁ…あぁ…。」
色彩を失いステンドグラスの様に砕け散る人々…影時間と言う異常から護られているはずの棺桶型のオプジェから引きずり出され、次々とキバシャドウDEにライフエナジーを食らわれていく。
「このぉ!!!」
次の獲物へと視線を向けたキバシャドウDEへと向かってキバが殴り掛かるが、キバシャドウDEはそれを一瞥もせずに薙ぎ払う。
アームズモンスター達がタツロットを助ける方法は良い方法は思いつかない。だから、この方法に掛けるしかない。
「今日こそ…お前を倒す…。そして、みんなを助け出す!!!」
キバシャドウDEの振るうガルルセイバーを避けながら、自身の中に宿る存在をガルルへと返え、ガルルフエッスルを取り出し、キバットへと咥えさせる。
「おう! ガルルセイバー!」
キバットの吹き鳴らすフエッスルの音色が響き渡るが…キバシャドウDEの手の中に有るガルルセイバーは…キバシャドウDEの中に取り込まれたガルルは何の反応も示さなかった。
「この!」
「バッシャーマグナム! ドッガハンマー!」
キバシャドウDEの振るうハンマーを撃ち出す水の弾丸を避けながら、バッシャー、ドッガとペルソナを変えて、次々とフエッスルを吹くキバットだが…アームズモンスター達は一切の反応を見せてはくれなかった。
「やっぱり…ダメなのか?」
もう一度ガルルフエッスルを吹くが、それでも、一切の反応を見せない。
「くそ、どうすればいいんだよ!?」
「…キバが二人…やっぱり、昨日の奴は…偽者だったのか?」
キバシャドウDEの攻撃に曝されながらも、その闘志を…仲間達を救い出すと言う意思を消さないキバの声に第三者の声が聞こえてくる。
「ッ!? こんな所に人が!?」
「バカヤロー、早く逃げろ、こいつは…。」
現れた第三者…『門矢 勇宇』はキバ達の言葉を聞かず、キバシャドウDEを睨みながら、ディケイドライバーを装着する。
「ぼくの事は心配無用だよ。それに…疑ったお詫びだ…ぼくも協力する。」
―KAMENRAIDE!―
「変身!」
―DECADE!―
仮面ライダーディケイドへと変身して、キバの隣へと並び立ち、キバシャドウDEと対峙する。
「ディケイド?」
「よく分からないけど、援軍なら、助かったぜ。」
「でも…君は一体?」
「詳しい事は後だ!」
「…でも、あいつの中にはぼくの仲間達が捕まっている。だから…。」
キバの言葉を聞き、その先の言葉を推測するとディケイドは軽く頷く。
「その方法が見つかるまでは…下手に攻撃は仕掛けない。」
「…頼む…。」
キバの言葉を聞き、互いに頷き合うとディケイドとキバはそれぞれファイティングポーズをとる。
つづく…